元魔王は平和に暮らしたい -俺が殺したい程に必要ないなら勝手にしろ ただしスローライフを邪魔するなら絶対に許さん― 作:ヨシMAX
はい、おはようございます。私です。
私は今現在絶賛大ピンチです。
なぜか女神様に追われて殺されようとしています。
白星さんが身を挺して庇ってくれましたが何撃目かの女神の攻撃でとうとう白星さんは倒れてしまった。
「白星さんっ! 白星さんっ! しっかりしてっ!」
『ふわぁ――っ、ようやく倒れたかぁ。しぶとかったねぇ、白星ぃ』
抱きとめた白星さんの身体はまだ温かかったが全身傷だらけでボロボロなので急速に精気が失われていくのがわかった。
私はダメだ。
庇ってくれた白星さんを盾にして数分、生き伸びた挙句にその生命を無駄にしようとしている。
アルビー君が聞いたら怒るよね――。
そう言えば……アルビー君も帝都に着いた時にブチ切れてたなぁ。
自分のやる事為す事に邪魔が入ってあの温厚なアルビー君が怒ってた。
自分達を取り巻く環境が壊される事に怒りが湧いたのだろう。
アルビー君は私達を大事に思ってくれてるんだなぁ。
私も……、頑張らなきゃ……。
『さてぇ、白星はもう限界だね――。はい、マリアちゃん、どうしますかぁ~』
「――殺す」
「なぁにを言っているのかなぁ~。ほらほら、白星が死んじゃうよぉ~」
レティさんが白星さんに向けて止めを刺すかの様に攻撃をしてきた。
これ以上、白星さんが攻撃されたら彼女は死んでしまう。
そんな事は――許さない。
きぃぃぃんっ!!
私はレティさんから放たれた何かを剣で弾いた。
『ふぇっ?! なに、いまの?!』
「許さないよ、もう……許さない」
『くっ、この、このぉ!』
レティさんは浮足だって私に向けて攻撃を連打してきた。
なぜだろう、彼女の攻撃が全部はっきりと見える。
私は剣を構えてその全てを撃ち返した。
『ふぁぁぁ……、マリアちゃん。なによ、その力は?!』
「わからん、でも……殺す」
『ひっ、怖い! 許してぇ』
「私が……そう言ったらあなたは許したの?」
『ひぃっ! もうしない、もうしないからぁ~』
「……許さん」
『ぎゃっ!!』
私は全く手加減なしにレティさんの身体を一刀両断にした。
彼女は悲鳴を上げて地面に落ちたが真っ二つになった亡骸はすぐに消えた。
『ふわぁ――、ビックリしたかもしれな~い』
してないのかい。
彼女は全く平気な顔をして上空からフワフワと降りてきた。
私は油断なく剣を構え彼女を凝視した。
少しでも疑わしい動きをしたら何度でも一刀両断してやるつもりだ。
『あ~、ほらほらぁ、白星を治療しないとこの子死んじゃうよ~』
「……」
『ぎゃっ!』
再度、私は女神を真っ二つにしたがやはり彼女は上空からフワフワ降りてきた。
若干、光に包まれて神々しい雰囲気を纏っていたが私は彼女がクズだと知ってる。
『あんた――っ! なんで女神の私をそんなにスパスパ切れるワケぇ――っ?!』
「アナスタシアと練習してたら出来る様になったわ」
『……やっぱりあの子は早くなんとかするべきだった』
「なんとか……するべきだと……?」
『わぁ――っ、嘘、嘘でぇす! ふぃ~、いくら一瞬で復活できるとは言えこうも簡単にスパスパ切られるとクソ雑魚魔力の私は本当に消えてしまうわ~』
「心配しなくても大丈夫ですよ。私が絶対にあなたを天に還して差し上げます」
『わぁ――っ、ちょっと、ちょっとぉ! そこの木の影に隠れているアルビー君、女神を助けなさぁ――いっ!』
えっ? アルビー君?
なんでこんな所に居るの?
……って私、自分で自分の場所発信してたんだった。
☆★☆★☆★
「助ける? なんで? お前がマリアに勝てる訳なかろうが。天界に還される覚悟があるなら続けるか?」
俺は隠れていた木から姿を現す。
「ア、アルビー君、君、ずっと見てたの? 酷いじゃないか!」
『だよねぇ! 私が何度も真っ二つにされてるのに黙って見てるなんて……』
「お前が言うな! 駄女神よ。マリアが本気にならなければ俺が始末してやる所だったけど良い感じに覚醒したみたいだからな」
『覚醒したぁ?! 道理でなぁ~。そうなんだよ、彼女、私のスキルを剣で弾き返すんだよ?! どういう事なのさ!』
「いや、確かにあれは驚いたね~。レティのスキルを魔力を流した剣で弾き返すなんて達人級の腕前だ。さすが俺の嫁さんだ」
マリアがこれだけの腕前を持ってるのは実は俺は知っていた。
だがこんなに若い頃にここまでの達人になってたとは知らなかった。
しかも複数のスキルを一瞬で弾き返したのは未来のマリアを髣髴させた。
『ま、魔力を剣に流して……私のスキルを弾き返した? そんなの……有り?』
「有るから今ここでこうなっている。さてどうする? マリア達に詫びて天界に還るか? それとも俺に倒されて天界に還るか?」
『どちらにしろ天界に還るしか選択肢がないんだけどっ?!』
「それはそうだろう。これだけの事をしでかしたんだ。五体満足で終えられると思ってたのか?」
『ひっ!』
俺が少しばかり殺気を込めて睨んだら涙目になって怯える駄女神。
全く……こいつの野望にのってやろうと思っていたのに余計な事をしやがる。
こいつの思い通りになるのは癪に障るが二度と暴走しない様に釘をさしておくか。
「いいか、よく聞けよ、駄女神。俺は……魔王になる。そしてこの世界を統一する。お前の為じゃなくこれは俺の為だ。俺は今度は……今度こそは失敗しない。お前が大人しくしているなら俺の側にいる事を黙認しよう。ただ……今回の様な事をするのなら……俺の邪魔をするのなら天界に還す事もしない。その場で消滅させる」
『!?』
「ア、アルビー君、そこまでしなくても……」
「俺が冗談でこんな事を言うと思ってないよな。俺はお前を消滅させる事が出来るのは分かっているな? 俺はやる、やると言った事は必ずやる。
『……わかったよ。ごめんなさい、やり過ぎたよ』
「謝るのは俺じゃないと思うが……?」
『ひゃあああ――っ! マリアちゃん、ごめんなさ――い』
「白星が重症なんだが?」
『ひゃあああ――っ! 回復……させたいけど私の魔力じゃ足りないんだよ』
「白星が……」
『うぉぉぉおおお――っ! 燃えろ、私の魔力ぅ!』
その後、俺はマリアと白星、そしてシオシオのレティを連れて謎の軍隊を撒いて帝都に帰ったのだった。
ここまで読んでくださり有難うございます。
本当は直接アルビー君に登場してもらおうと思ったのですが
せっかくなのでマリア回にしてみました。
宜しければ評価いただけると嬉しいです(*´▽`*)