元魔王は平和に暮らしたい -俺が殺したい程に必要ないなら勝手にしろ ただしスローライフを邪魔するなら絶対に許さん―   作:ヨシMAX

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第8章 元魔王と神聖国
第56話 俺の帝国はみんなで守るぞ


 

 

 はい、おはようございます。俺でし。

 

 第一声から嚙みました。

 昨夜は一晩中、BG君を生産していたので聊か寝不足だ。

 それだけ頑張ったのだが少しばかり無理をした俺に対して白雪はややご立腹であり正座でお説教を喰らってしまった。

 

 ……プラスで物理的に身体でも分からせられた。

 なかなか振り切る事が出来ず大変だったぜ。

 作戦が始まると説得してようやくお説教? が終わった。 

 

 さて、夜が明けて日が昇り始めて地平線の彼方に軍勢の先頭が見えた。

 奴等の装備は白銀製で魔法が聞きにくいと聞いている。

 事実、エルンヘイム近郊まで奴等の存在に気付く事が出来なかった。

 鬱陶しい事に煌びやかなヨロイに陽の光が反射して無駄にキラキラしていた。

 

 その軍勢を率いてきた国の名前はバスティア神聖国だ。

 

 

 「ふむ、まあまあな軍勢だな。少しは俺の本気をぶつけても耐えられそうかな」

 

 『少しは、ってさすが魔王様の自信は段違いだね。バスティア神聖国はこの時代の最強レベルの国家なんだけどね~』

 

 「お前とどっちが質が悪いかね、邪神女神」

 

 『邪神女神ってなんなのさ』

 

 「お前の事だ、駄女神レティ様」

 

 『酷いねぇ、アルビー。ひ弱な女神がちょぉ~っとだけお茶目な悪戯をしただけじゃないかぃ』

 

 「そんなテヘペロッみたいな感じで私、殺されかけたんですけどぉ!」

 

 

 帝都の城のテラスから神聖国の軍勢を眺めていた俺とレティの会話にマリアが入ってきた。

 

 

 「大丈夫だ、マリア。俺とレティの利害関係は話し合いの結果、完全に一致した。だが万一、またあんな事をしたら今度こそ俺が直々に天界にお帰り頂くさ」

 

 

 隣でレティが真っ青な顔をしてブルブル震えだした。

 こんなに動揺するのなら俺の仲間にちょっかい出さなければいいのに。

 

 

 「まー、アルビー君がそう言うなら良いんだけどさ」

 

 「良いのかい」

 

 「うん、アルビー君が本気出せばこの世の誰も勝てないだろうと言うのが分かったからね。だって女神が死を覚悟するんだからね」

 

 「まあな」

 

 「……で、同じ感じで敵国も蹴散らせないのかな? 戦争なんてやる位ならアルビー君の力でねじ伏せちゃえばお互いに被害が最小限で済むと思うんだけど」

 

 「まあ、出来ない事も無い……が、あれだけの軍勢を分からせるとなるとこの辺の土壌に向こう100年は草一つ生えなくなるけど」

 

 「私が浅はかだったよ。ごめん」

 

 

 なんか謝られてしまった、解せぬ。

 

 

 「まあ、何にしろ2万のBG君軍団は既に指揮権を白雪に移してある。まもなく作戦会議の招集がかかるだろうし戦闘開始したらマリア、よろしく頼むぞ」

 

 「あれ? アルビー君は戦わないの?」

 

 「いや、俺もさっき白雪に先陣をやらせろと言いに行ったんだがな。世界中が氷結するかの様な冷たい瞳で睨まれてしまった」

 

 「あらら、皇帝が先陣だなんていったらそりゃ怒られるよ」

 

 「早く終わらせるにはこれに限るんだけどな」

 

 

 既にレティは置物の様に静かになっている中、俺とマリアが話していると後方からドカドカと誰かが騒々しく近づいてくる。

 

 

 「「アルビー様! マリアー! 作戦会議始まるよぉー」」

 

 

 ミツキとハツキだった。

 言わずもがな双子のこの子達は見分けがつかない程にそっくりだ。

 黒髪を結んでミツキは右に、ハツキは左に流している。

 ……まあ、たまにそれも逆になっている事があるので目印にはならない。

 

 顔立ちは東方の血が入っているのか年齢の割に落ち着いた顔だちだ。

 どういう訳か全く同じ着物を好んで着る為、ますます見分けがつかないと言う困った事態が発生するのだ。

 

 なので俺達は一計を案じ2人にお願いした。

 ミツキには赤、ハツキには青い紐で髪を結んでもらう事にした。

 更に着物を結ぶ帯も同じ色にしてもらおうと思ったのだがこれは断られた。

 

 なぜならいざ戦いになった時に一目で敵にも見分けられてしまうからだ。

 彼女達としては髪紐が最大限の妥協点だったのだろう。

 なるほど、と思ったものである。

 

 

 「「どうしたぁー? アルビー様、私達に惚れたかぁ? 次の夜伽は私達だな」」

 

 

 どこで覚えてくるんだ、お前等。

 

 ほら、いくぞ。

 白雪はうっかり仕事で待たせると口利いてくれなくなるからな。

 更に不機嫌になるとずーっと足を踏んでくるからな。

 龍人の割にはまあまあ器が小さいと言うか、逆に可愛いと言うか。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 「敵のバスティア神聖国の部隊は北2キロの位置にある小高い丘に陣形を組んで様子を見ています。数は3万、我々の1.5倍ですが内訳は騎馬隊5,000、歩兵10,000、弓兵と砲兵、及び魔法兵が15,000、兵站部隊が5,000と然程、気にする兵力差ではありません」

 

 「まあ、でも魔法兵を含む遠距離攻撃部隊が15,000かぁー、少々多いなー」

 

 

 白雪の説明に白星が率直な感想を述べる。

 

 

 「大丈夫だと思うよ、私とハツキがBG君の1部隊を連れて裏に回るよ」

 

 

 ミツキとハツキは迂回戦術で敵の裏に回るという。

 

 

 「私もこれまで仲良くなった魔物達と一緒に伏兵で潜みます」

 

 

 犬人族のチュルカには帝都に来てから分かったのだがティムの能力があったので森に向かい魔物と仲良くなっていた様だ。

 貴重なスキルを持っていて驚いたものである。

 彼女はこれで一隊を率いて戦う事が出来ると喜んでいたが無理はしないでほしいとは思っている。

 それにしてもティムしたではなく仲良くなったとは彼女らしい。

 

 

 「私が作った帝都があんな奴等如きに壊せるとは思えないっすけどねー」

 

 「フェルメイル、凄い自信なの」

 

 

 全く、俺の嫁さん連中は戦争前でも少しの気負いもない。

 さて、では元ベレルメーゼン帝国の実力を見せつけてやるか。

 

 それにしても新しい国の名前も考えなくちゃな。

 

 

 




ここまで読んでくださり有難うございます。
他のサイトに小説をアップしていて大分期間が空いてしまいました。
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