元魔王は平和に暮らしたい -俺が殺したい程に必要ないなら勝手にしろ ただしスローライフを邪魔するなら絶対に許さん― 作:ヨシMAX
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さて、俺は侯爵様次男のネンダーテイル君を派手に叩きのめしてしまった。
元はと言えば向こうから難癖をつけてきたのだがこんな所でも身分の違いが効いてくる。
コマ先生や取り巻きの中でも常識的な人間もいた様で俺に有利な目撃証言をしてくれた。
だが相手は侯爵であり学園長なので無理だ。
まず俺は学園長に3か月間の謹慎を言い渡された。
同じ部屋には侯爵様がいたが、如何にも貴族様然として偉そうな男だった。
俺が謹慎を伝えられた時にニヤニヤと笑っていたがその後の俺の一言で凍り付いてしまった。
「分かりました、謹慎は必要ありません。本日をもって自主退学します」
「な、なんだとっ?! 貴様、一度退学したら2度とこの学園には戻れんのだぞ!」
余裕をかましていた侯爵様だが明らかに動揺していた。
そうなのだ、この学園のローカルルールなのか知らんけど一度退学になると再度試験を受ける事はできなくなる、つまり2度とこの学園に入る事はできない。
「構いませんよ、では一刻も早くこの島から出ますので」
「アルビット訓練生、退学は構わんが……貴様は特待生として入学金と授業料免除されている。自主退学となるとその全てを負担する事になるがいいのか?」
侯爵の旗色が悪いと感じたのか学園長が横から助け舟を出す。
話している内容は本当にクズだがこれは本当だ。
つくづくこの学園は訓練生に優しくない。
……その問題も解決済みだ。
実は生き返る前に女神が何かと要り様だろうと金をくれたのだ。
これだけは褒めてやるよ、あの女神様。
ドサッ!
俺は空間魔法で別次元にしまっていた金の袋を学園長の机に無造作に置いてやった。
「これで足りますよね、多分多すぎると思うんですけど残り、あげます」
もらって助かったけどこの程度の金だったら外に出れば幾らで稼げるしなw
女神様、上げて下げてスマンナ。
学園長と侯爵様が殺し屋の様な目で俺を見ている。
侯爵は単純に俺が憎いだろうし学園長は退学者が増えると現魔王からドヤされるのかな?
まー、俺みたいにどうでもいいから辞めるなんて訓練生いないから安心しな。
俺はクルリと回れ右をし扉から出て行こうとした。
さあ、気ままなスローライフの始まりだ。
都までの次の船は何時だったかなぁ。
なんて……。
今、思えば油断してたな、俺。
急に目の前が暗くなった。
まあ、罠や嫌がらせの一つ位はあるかなと思って警戒はしてたんだけど魔法アイテムはズルいやろ。
後から分かった事だが学園中の拘束用魔法アイテムを全て使うとか馬鹿じゃねえの……。
なんの為にこんな事やっ……てんだ。
☆★☆★☆★
はい、現場の俺です。
今現在、なぜか牢獄に閉じ込められています。
この腕にハメられた腕輪の所為か魔法がうまく発動できません。
いやあ、困ったなー(棒)
部屋は石造りの正方形。
壁にはなにやら質の悪い魔法陣が彫り込まれているが……何て書いてあんだこれ。
扉は抗魔力金属が使われており防衛力は万全である。
扉の向こう側は石造りの廊下が平行に続いており右側の通路は階段で上に向かっている。
……と、誰かきたようだ。
階段の上の扉が開いた事により明かりが俺のいる牢獄の窓にも差し込んだ。
階段を降りる音が一歩、一歩、聞こえる。
まー、分かっていたけど侯爵だよね。
「アルビット君、調子はどうかね?」
「まあまあですよ、侯爵は面構えが不調ですか?」
「……口の減らんガキだ。せっかくこの私が貴様の様な庶民をスカウトに来てやったというのに」
はっ?!
今、何と言いましたか、あなた。
スカウトだと?
「なんのつもりですか?」
「言葉の通りだよ、聞くに貴様はネンダーテイルとの決闘の際に第6階位の魔法を使ったそうだな」
「んっ? ああ、ちょっと違いますけど大方そうです」
「ネンダーテイルに対する愚行は見逃してやる。その代わり私の私設軍隊に入れ」
やっぱりね。
そんな事だろうと思ったよ。
俺を自分の軍に取り込んで戦争の道具にしようと考えてるわけだ。
「俺の待遇は?」
「ほう、話を聞く気はあるのか、賢明だ。待遇は第一魔法部隊の副部隊長待遇でどうだ。給金も弾もう、月に金貨30枚だ。専属のメイドも付けよう」
くっ! メイドだと?! 可愛いのか?!
いやいやいや、違う、俺のスローライフは邪魔させん。
しかし月に金貨30枚か……、通常の10倍だな。
庶民は金貨10枚あれば3か月生活して釣りがくる。
いやいやいや、違うんだって、お、俺のスロウライフゥゥゥ……。
ふう、もう大丈夫だ、しっかりしろ、俺。
もう権力はコリゴリの筈だろう。
「2日前においでください」
「はっ?」
やばっ、通じなかった。
「
瞬間、侯爵の顔が冷たく変わり表情が抜け落ちていく。
ふうぅーと深く一息つくと俺に言った。
「後悔するなよ。愚民」
愚民かよw
愚民をスカウトにくんな。
侯爵は努めて冷静を装っていたが階段を上る後姿は怒り心頭である様に見えた。
アンガーコントロールは重要ですよ、侯爵様。
特に頭脳も人望もないあなたの様な権力だけの貴族様にはね。
階段の上の扉が閉まり再び部屋は暗闇に包みまれた。
うーん、メイド……金貨……。
早まったかなぁ……。
『何をモタモタしてますかー、もしかして今の状況を楽しんでるんですかぁー?』
ふぁっ?
この力の抜ける声は?!
『はーいっ! あなたのアイドル、女神ちゃんでーす♪』
うぉおっ?!
俺の目の前に10分の1スケールのクソ女神が現れた。
なにやってんのさっ?! あんたっ?!
女神がこんな所で何をしてんのさぁ!
『ヒマなので付いてきちゃった♡』
ヒマって。。。
あんた、確か白い部屋で忙しい、言うてたやんけ。
『そんな事よりこんな所でいつまでモタモタしてますかー。早くすろうらいふを始めましょうよー』
たどたどしいぞ、女神様。
まあ、いいか。
これからの生活に話し相手も居ないのは悲しいもんね。
「わかったよ、始めようか」
ぐしゃっ!
俺は魔力封じの腕輪を片手でもぎ取り床に放り捨てた。
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