元魔王は平和に暮らしたい -俺が殺したい程に必要ないなら勝手にしろ ただしスローライフを邪魔するなら絶対に許さん― 作:ヨシMAX
……おはよう、私なの。
なんかアルビーに軍隊の指揮を執れって言われたの。
どうして私がしれいかん? なんてやらなければいけないの。
でも私もBG君は嫌いじゃないから頑張るの。
で……城の庭で私の前に整列してるBG君2万がいるの。
それで……アルビーがこれをやれって言われたからやるんだけど……。
これに何の意味があるのか分からないの。
でも仕方ないから……やるのぉ!!!
「貴様等ぁ~、やる事はぁ~分かっているのぉ?!」
『ぐももぉぉぉおおおおおおおおお!!』
「本日をもってぇ~貴様等はぁ~ウジ虫を卒業なのぉ! 本日からぁ~貴様等はぁ~ゴーレムであるのぉ!」
『ぐももぉぉぉおおおおおおおおお!!』
「兄弟の絆にぃ~結ばれる貴様等のぉ~くたばるその日までぇ、どこにいようとぉ~ゴーレムは貴様等のぉ~兄弟なのぉ!」
『ぐももぉぉぉおおおおおおおおお!!』
「多くは戦場へ向かうの、ある者は二度と戻らないの、だが肝に銘じるのぉ!」
『ぐももぉぉぉおおおおおおおおお!!』
「ゴーレムはぁ~死ぬの、死ぬ為にぃ~我々は存在するの、だがゴーレムはぁ~永遠であるのぉ!」
『ぐももぉぉぉおおおおおおおおお!!』
「つまり―――貴様等もぉ~永遠であるのぉ!!」
『ああああああああああっ!!! アナちゃぁぁぁん!!』
『ぎゃぁぁぁあああああっ!!! アナスタシアちゃ――ん!!』
『ぐももももももぉおおっ!!! アダちゃぁぁぁん!!』
……なんか、喋る様になったの……。
☆★☆★☆★
私は今、帝国に向かって来ている悪魔の軍団を迎え撃つべく従軍している。
何故だか分からないがアルビー君は私の部下にユーリート氏を付けた。
なんだか複雑である。
今現在は私とは何も繋がりは無いのだが未来で私を殺した相手でもあるのだ。
困った事に彼との距離が非常に図りづらい。
会話は世間話程度しかないが全く続かないと言う訳ではない。
変わって戦略の話をすると物凄く的確なアドバイスが飛んでくる。
彼が有能であるという事は最早、覆しようもない事実だ。
そして……私と彼は前線に出たBG軍団の指揮を執る事になったのだが……。
『うぉぉぉおおおお――っ!! アナちゃ――ん!!』
『ぎゃぁぁぁあああ――っ!! すぎだぁぁぁあ――!!』
『ぐもらぁぁぁああ――っ!! げっごんぢで――!!』
なんかメッチャ喋る様になっていたよ。
よく見ると先頭のゴーレムの肩に何か乗っている。
アナ……スタシア……だと……。
何だか肩にアナを乗せているBG君に対して周りの個体が妙に殺気立っている。
アルビー君は彼等の感情までアップデートしたのだろうか。
神童振り極まれりだね。
私達もBG君に乗る……なんて事はなく馬に騎乗している。
ユーリート氏も隣で精鋭BG軍団の様子を見て若干唖然としている。
「マリア殿……、帝国のゴーレムは全てこんなに高性能なのですか?」
「え、あ、うん。前までも戦闘能力は高かったけど……ちょっと見ないうちに全体的に高性能になってたわね。多分……陛下とあの娘の仕業だと思うけど……」
「え? 陛下とあの娘はどんなかんけ……失礼、私は捕虜であったな」
「えーっ、別にいいけど。あの娘と陛下は夫婦だよ」
「え!」
「ついでに私も陛下の妻です」
「な!」
「我が帝国は一夫多妻ですので」
「――」
「そう言えば神聖国は結婚するまで貞操を守るとか……」
「――」
「……そうなるとユーリート氏も……」
「――」
「あれ? 聞いてるかな?」
ユーリート氏は何故か真っ白になって固まってしまっていた。
それにしても噂では神聖国では結婚するまで手も握らないと聞いた。
いつの時代だよ、と突っ込みを入れたくなるのをどうにか抑えて私はそんな国に生まれなくて良かったとつくづく思う。
だって神聖国だと陛下とイチャイチャ出来ないからねぇ~♡
『……だとするとユーリート氏は奇麗なユーリート氏なんだねぇ~』
「!」
私が妄想に浸っているとどこかしらから声がした。
それにしても彼は「奇麗」なんだねぇ。
ユーリート氏はその声を聞いて再起動したようだ。
「わぁ、な、なんですか、あれはぁ?!」
「んっ? コウモリ? カメラ? なんだ、あれ……」
動揺するユーリート氏が指さした方向を見ると羽の生えたカメラがフラフラと宙を浮いて何やらケラケラと笑っていた。
いや、カメラ自身が笑っている訳ではないけど文字通り腹を抱えて笑っているという表現がピッタリの動きだった。
「……と、その笑い声は……陛下?」
『あ、バレちゃった? だってさぁ、俺だけ後方で待機なんてつまんないじゃん』
「何を言ってるんですか、陛下。いつの間にこんなものを作ってたんですか~」
『凄いだろう~♪ アナスタシアの魔力を使って戦場の映像と音声を俺の手元の魔道具に映し出す仕掛けなんだぜぇ~』
「え? なんでアナちゃんの魔力?」
『んっ? だって今回の戦闘の指揮官はアナだろう? 俺が近くにいるべ……』
陛下カメラが落ちた。
それはそうだろう、アナちゃんはもうはるか先に行ってしまったのだ。
どうやらBG君は話せる様になっただけでなく走るのも速くなったようだ。
だからアナちゃんの魔力を探知できなくなったのだろう。
「……全く、もーっ!! ユーリート! 着いて来てっ!!」
「えっ?! はいっ!」
私はアナを乗せた指揮官用BG君を馬で追いかけた。
段々近づいていくにつれて――。
「……リア――。マリア――。聞こえるぅ~?」
「なんなのぉ~。この電波の悪い通信機みたいなのはぁ~」
「どうしてアナスタシア様の魔力にリンクさせたのですかー。マリア様の魔力にリンクさせるべきだったのではぁー」
『おっ、ユーリート君。鋭い突っ込みだねぇ~。俺もそう思ってたところだよぉ~。ほらほら、急いでアナに追いつき給え~』
何か知らんけど陛下の作ったこのカメラ。
私の胸元にスッポリと収まって居心地が良さそうである。
アナちゃんの乗ったBG君が見えてくると無駄にブルブルし始めた。
気色悪いので止めてほしい。
「あぁ――っ! 陛下カメラそんな所に居たのぉ~~」
私達が追いついたのにアナスタシアちゃんも気付いたらしい。
BG君ごと近づいてきたのだが砂埃に飲まれたのは予想外の事だった。
ここまで読んでくださり有難うございます。
もう少しおもろくて軽い回を書いてみたいので要研究です。
宜しければ評価いただけると嬉しいです(*´▽`*)