元魔王は平和に暮らしたい -俺が殺したい程に必要ないなら勝手にしろ ただしスローライフを邪魔するなら絶対に許さん―   作:ヨシMAX

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第65話 俺の魔王軍は壊滅する訳がない

 

 はい、おはようございます。俺です。

 

 俺は今、魔王城……じゃなかった帝都の城に居る。

 もう、魔王城で良いか。俺、元魔王だし。

 

 便利な事に魔王城に居ながら俺は戦場の様子を掴む事が出来ていた。

 それは新たに俺が作ったリモートカメラ君のお陰なのだ♪

 まあ、発想のきっかけはアナスタシアにもらったんだけどな。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 ~ 出陣前 魔王城 ~

 

 

 はぁ~、どうにかして俺も戦争に参加したいな~。

 BG君を改造して中に入り込むか……、でも関節部分の可動域が……ブツブツ。

 

 

 「そんなに気になるんだったらカメラに羽でもつけて戦場に放てばいいの」

 

 「わっ! アナ、いたのか、お前」

 

 

 部屋に一人で籠り考え事をしていたはずなのに急に話しかけられて間抜けな声を上げてしまった。

 

 

 「結構前からいたのに全然気づかないの。アルビー、皆が出陣の準備している間中、ずっとそわそわしてるの。そんなに戦闘に混じりたいならカメラでも飛ばして魔王城から指揮を執ればいいと思うの」

 

 「ふぅ~む、でもさすがの俺でも戦場まで魔力で飛ばすのは難しいなぁ」

 

 「なら、マリアの魔力にリンクさせて飛ばせばいいの」

 

 「……そうかっ! なるほどな。俺の魔力を使う事ばかり考えてたよ。……そうなると後はお互いの声を相互に届ける方法を考えれば……」

 

 「ん――っ、じゃあBG君を改造してアンテナ内臓BG君を作るの」

 

 「えっ?! アナにBG君の作り方はまだ教えてないはずだが……」

 

 「この前、BG君に講義を受けたの。懇切丁寧に設計思想から機能拡張の可能性まで図解入りで解説してもらったの」

 

 

 何してるんだ、あいつら。

 そう言えばこの前、数体のBG君達が城の書庫で何やら本を探していたが……あいつら文字読めるのか?

 そもそもの話、そんな機能つけてないのにアナと意思疎通を図る為に自力で考え付いたというのか、有能すぎんだろう。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 ~ 現在時間 ~

 

 

 そんな感じで皆が戦争の準備を進める間に俺はアナと試行錯誤を繰り返しリモートカメラ君(試作1号機)を作り上げたのだった。

 実はアナにも言っていない秘密の機能も少しばかり追加しておいたが……、それはまあ追々披露するのも面白いだろう。

 

 

 俺は……というかリモートカメラ君はマリアの尽力でなんとかアナのBG君部隊に合流する事が出来た。

 今思うと完全に設計ミスだがこのリモートカメラ君はマリアの魔力にリンクし動力にして動いている。

 と言う訳なのでRC(リモートカメラ)君は現在BG君を駆るアナスタシアの胸に抱えられているがそれを取り囲むように走るBG君にはマリアとユーリート君が騎乗? している。

 

 そして……俺達に追随するマリアの騎馬隊は全身騎馬ごと砂煙に包まれている。

 

 さぞかし難儀な事だろう。

 口の中がジャリジャリするあの感じ……俺、嫌いなんだよね。

 

 

 そんなくだらない感想を抱きながらカメラ越しに澄み渡る青い空を眺めていたら何か違和感を感じた。

 

 遥か彼方上空に黒い点の様な物が現れそれが段々と数を増やしていった。

 なんだろう……渡り鳥の群れかな?

 

 一瞬、空が光る。

 

 

 「ダメッ!! みんな、逃げるのぉ!!」

 

 

 アナスタシアの叫びを聞いた瞬間、カメラの映像が切れた。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 ~ 魔王城 ~

 

 

 はっ?

 なんだ、今のは。

 

 俺の前に映像の切れた受信装置――テレビの様な――がある。

 部屋でカフェラテを飲みながらアナと合流を果たし戦場を進んでいたのに……。 

 空に何かを見つけた瞬間、それが光って俺の軍団は壊滅した様だ。

 どうやら広範囲の魔法攻撃を受けた様だ。

 

 まさか……マリアとアナスタシアと一緒に居て、しかも周りのBG君には高性能レーダーと反魔法結界を施していたというのに……。

 

 いや、そんな事を考えている場合じゃない!

 確か、白雪・白星の部隊とミツキ・ハツキ部隊が後詰として出陣準備を進めているハズだ。

 アナとマリアとユーリート君を助けに行かなければ。

 

 ここまでの明確な攻撃を受けたのだ。

 いまこそ俺も満を持して参戦すべき時だろう!

 

 俺の活躍に期待しているお前らよ、喜び勇んで舞うが良い♪

 

 そんな事を考えながら出陣準備を進める白雪の元に走っていると前方に白星が現れたかと思ったらいきなり抱き着いてきた。

 

 

 「アルビー様やないのぉ。お姉ちゃんに会いたくて走って来たんか?」

 

 「わぁ――っ! そんな事は無い! そう言う時もあるかもしれないけど今は違うぞ!」

 

 「アルビー様、正直で微笑ましいな」

 

 「信頼と安定の大魔王を目指しているので」

 

 

 ようやく白星から解放されると後から白雪も現れた。

 

 

 「あ――っ、やっと見つけたよ、お姉ちゃん。アルビー様を呼んできてって言っただけなのに何でイチャイチャしてるのぉ!」

 

 「あれ? 白雪、なんでこんな所にいるんや?」

 

 「嫌な予感がしたのでお姉ちゃんを追っかけてきたんです」

 

「せやったか」

 

 「記憶喪失ですか」

 

 「っで? 俺になにか用事か」

 

 「あ、そうでした。アナスタシアの駆る司令官専用BG君の識別信号が途絶えました。早急に増援を送るべきかと……。皇帝陛下も参戦をお願いしたく」

 

 「……」

 

 「……」

 

 「……ん? どしたんや?」

 

 

 俺と白雪がフリーズしたのを見て白星が不思議そうに俺達に声をかけた。

 

 

 「えっ? 俺も行って良いの?」

 

 「先鋒隊の状況から考えるに万一にも無いとは思いますが全滅に近い状況も覚悟しなければなりません。その場合、この帝国の最強戦力を出し惜しみして今以上の窮地に追い込まれるのを避ける為にも陛下の出陣をお願いした方が良いと言う判断に至りました」

 

 「それでもマリアとアナスタシアは大丈夫やと思うけどな」

 

 「ですが戦力にならない状況も想定しないとなりません。残念ながら直ぐに出陣できる状況である私はサポートタイプ、ミツキ、ハツキ白兵タイプと悪魔とは相性が悪いのです。お姉ちゃんは比較的戦えると思いますが。陛下はその点、有利かと。まあそもそもの話で敵になる存在自体が居ないと思います」 

 

 「ま、俺、強いしね」

 

 「そうですね、冗談みたいな戦闘能力は非常に頼もしいと言えます」

 

 「せやね。居てくれたら万に一つも負ける事はないやろからな。言ってしまえば敵が気の毒まであるやん」

 

 

 あれ?

 俺、褒められて……るのかな?

 

 と……とにかく出撃だ。

 その後、取る物もとりあえず俺は白雪達と魔王城を出立したのだった。

 

 

 

 




少し早めの夏休みと里帰りをしてました。
みなさまもゆっくり休めたでしょうか。
これから休みの方は猛暑に備えて健康にお過ごしください。
引き続き元平をよろしくお願いいたします。
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