元魔王は平和に暮らしたい -俺が殺したい程に必要ないなら勝手にしろ ただしスローライフを邪魔するなら絶対に許さん― 作:ヨシMAX
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「で、考えたんだけど、この島で侯爵を敵に回して無事でいられる訳もないし……どうせこの学園も親に無理やり入れられたのでアルビー君を連れて逃げようかな、なんて」
ネンダーテイル君との勝負に勝利した俺はお父上の侯爵閣下に捕まり独房に入れられた。
しかし元魔王の俺さんはそんな程度じゃ拘束できず脱走して外に出てきたんだ。
そしてそうしたら知り合いのマリア、リアマリアに会った。
で、放ったのが冒頭のセリフなのだが……。
よく考えなよ、君。
俺は理不尽ではあるが侯爵様の言う通りにならなかった為に捕まって拘束されてたんだよ。
それをあっさりと脱獄してあまつさえこの島から出て静かに暮らそうなんて思っている。
立身出世なんて正反対の生き方さ。
貴族出身のお嬢様なんて数日で音を上げる過酷な生活だぞー。
「一人でぶつぶつ面白いね、アルビー君。大丈夫だよぉ、私、非嫡出子だし……古い言い方だと庶子ともいうね。お母さんはもう亡くなっちゃったしお父さんは私に興味ないし……急に居なくなってもどうも思われないよ。せいぜい嫁入りの道具が居なくなったなー、こまるなー程度じゃないかな」
なんと、今まで知らなかったけどリアマリアも天蓋孤独な身だった。
「そう……なのか、すまなかったな。揶揄する言い方してしまって」
「構わないよ、そう言えばアルビー君もご両親居なかったよね、……私達、一緒だね」
「そうか……、分かったよ。じゃあリアマリアも俺のスローライフに着いて来るか?」
「さっきからそう言っているよ。えーと、アルビー君は高所恐怖症だから船を用意したよ」
こら、魔王様のデリケートな情報をダラダラと漏らすんじゃない。
ほら、あれだ、高い所は平気なんだけど落ちたら危ないじゃない?
「でも変わってるよねー、高い所が怖いなら海だって同じだよね。海の上って海底から何メートルあると思ってるんだい?」
よせっ、船も乗れなくなるだろうが。
大丈夫だよ、俺、飛べないわけじゃないし。
いざとなったら目を瞑って飛ぶからさ。
『アルビーがそんな状態で飛んで来たら危なくてしょうがないですねー』
「わっ?! なに、その小さな女の人は?!」
『私はアルビーの専属女神レティちゃんでーす』
「へぇーーー! かっわいいぃーーーっ! あはははははは」
『わー、やめなさい、とめなさい、クルクル回るんじゃない、アルビーィ、助けなさーい』
マリアが高い高ーいみたいにしてレティを持ち上げてクルクル回っている。
女神と名乗っているのに全然気にしないマリア、順応能力高すぎんかね?
「おいおい、マリア。そこら辺にしといてくれ、そいつそれでも女神だし……」
「えーっ、女神ぃー?! うっそだぁー。この大きさは……妖精さん?」
うん、理由が分かった。
マリアは全く信じてなかった。
解放されたレティは完全に目をまわして千鳥足だ。
『くぅっそぉぉぉ、能力さえ、能力されあればぁぁぁ……』
なんか女神が完全体になりたがっている人造人間みたいな口調になっている。
能力がないなら女神だろうとなかろうと、もう関係ないじゃん……。
レティのプライドの問題なだけじゃないの?
『それもそうだねぇ、改めましてアルビーの相棒レティちゃんだよー』
「ヤッバッ!! かっわいいぃーーーっ! あはははははは」
『わー、やめなさい、とめなさい、クルクル回るんじゃない、アルビーィ、助けなさーい』
いつか来た道。
この瞬間、誇り高き女神のプライドは消し飛び、俺の連れが一人増えた。
「よしっ、ここを出たら追手の数は比べ物にならないぞ。気合い入れろよ!」
「おーっ」『ふぉぉぉぉおおおお』
女神は目を回しているようだ。
這う這うの体で俺の肩に戻ってきたがマリアがその様子をキラキラした目で見ていた。
可愛そうなので少しの間、守ってやるとしようか。
3人に増えた俺達は大部屋を抜けて慎重に進んでいた。
どうやらここは独房も含んで地下らしい。
地上は侯爵邸の敷地で治安維持の私設部隊が目を光らせているらしい。
そんな所をマリアはどうやって忍び込んできたのだろうか。
「それは簡単だよー、この透明になる魔法アイテムで入ったのだよ。そして残念な事にこれは使い捨て、チャージは効かず予備は持ってくるのを忘れたのだー」
マリアってバカなのかな?
こんな所に忍び込むのに帰りの分のアイテムを忘れてくる奴がいるのかよ。
「仕方ないじゃーん、アルビー君が捕まったって聞いて取る物も取り合えず来たんだよ。このアイテムだってカバンにしまい忘れてただけでこの為に持ってきたんじゃないもん」
俺の呆れ顔に何かを察したのかマリアは一人で言い訳をし始めた。
まあそもそも女神のレティはともかくアイテムが一人分あった所で無駄だしな。
『良いんじゃないですかぁ? 魔王様なら私設部隊の一つや二つ、物の数じゃないんじゃなーい?』
……と言うか、レティはマリアの真似をするんじゃない。
まあ、でも思考能力的に似てなくもないか。
それ処か、意外と気が合うんじゃないのか、この二人。
いや、そんな事考えている場合じゃない。
「それも可能だけど万一訓練生を動員されてみろ。厄介だぞ」
「それは大丈夫じゃないかな、早寝早起きのアルビー君は知らないかもだけど訓練生の寮は夜は厳重に戸締りされてて外に出れないからね」
「えっ? そうなの? 知らなかった……。まあ、それでも可能性はゼロじゃないしな、時間との勝負になるな」
『じゃあ、強行突破ですねぇー、いくぞぉ、アルビー』
「それはそうとさっきレティちゃんが言ってた魔王って何?」
「ようしっ! 二人とも行くぞぉ、遅れるなよー!」
「あー、ごまかしたぁ。ちょっと待ってよー、船の場所、知らないでしょー」
この後、メチャクチャ、殴って、蹴って、ぶっ飛ばした。
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