幼稚園の頃。幻聴に悩まされていた。自分の声に似たそれは、絶えず私に話しかける。
聞き取れるようで聞き取れない、半端な声。ノイズと声の中間。
七五三で神社でお祈りをした時。それは急にハッキリとした声となった。
【誰もー反応しないー ルルー 寂しいー♩ 消えちゃうー♪】
「変な歌」
【聞こえた!!】
ビクッとした。その途端、頭に響く声の持ち主に捕捉されたのがわかった。
波紋のような呼びかけは私にはっきりと繋がる線となった。
【私の名はスグル。見習いの神様だ! 波長の合う君には信徒になってほしい!】
「……ぼくも夏油傑だけど? 君はお化け?」
お化けならば、なんとか取り込む事はできないだろうか。
【はぁ? 私はお化けではないぞ! 魔物十万体を使役して、しっかり神様の資格を取得したからな! まだ見習いだけど】
「魔物ってお化けの事? 十万体お化けを捕まえれば神様になれるわけ?」
私は呪霊を思い浮かべた。それはスグルに伝わったらしい。
【ん……お化け? いや、なんだその気色悪い生き物。魔物ではないね。まあいいや。君が信徒になってくれれば、私は晴れて課題を次の段階に進める事ができると言うモノだよ】
「課題って何?」
【信仰を受け取り、信徒に力を与える事さ】
「お祈りすればいいの?」
【そう! そうすれば、私は力を得る事ができるんだ】
そう言って、声の主は私をジロジロと観察する気配。
【驚いた。君は別世界の私だね。え? ってことは、私の世界には私の声を聞ける人はなしって事? そんなぁ……】
声は嘆く。
【なんにせよ、信徒の契約をしてよ。私は信仰の力がないと死んじゃうんだ】
「そうしたら何をくれるの?」
【そうだね。色々できると思うけど、今はまだ力が足りないかなー。話し相手だったら出来るよ! 何せ私は暇だからね】
「つまり何も出来ないって事ね」
とはいえ、声の主は自分でもある。それはわかった。そして、死んじゃうのが本当なのも。
「仕方ないな。いいよ」
答えた途端、つながりがより鮮明になった。
【おお、君が集めた想いが私に流れ込んでくるのを感じるよ! 君が私の代わりに信仰を集めてくれたら色々捗りそうだ】
それから、スグルにこの世界を案内した。
何でもかんでも驚いてくれるスグルは面白かった。
小学校でお悩み相談をして、感謝の気持ちを集めてスグルに協力した。
その結果、スグルが呼びかけられる範囲が少し増えたらしい。
そして、中学校の時。
“ああもう、なんだこのノイズは?“
[声が……聞こえる? そうだ、行かないと……]
【私の声が聞こえるかい? 聞こえるなら、私の信徒になると誓ってくれ】
2人の別世界のスグルに接続したのだった。
1人は、SF世界の“SUGURU“。
1人は、ヒーロー世界の[スグル]。
複数になって、あだ名をそれぞれつけあうことにした。
SF世界の[俺]はハッカーだから[ハック]。
ヒーロー世界の“僕“はヒーローだから“ヒロ“。
神様の【私】は狐の獣人だから【コン】。
そして私はお化け退治をしているから(バケ)。
そうして、私達は、コンに協力する事を約束したのだった。
マシュマロ
https://marshmallow-qa.com/lucaluca
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