夏油リンクス!   作:かりん2022

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ヒロ1

朝起きて、自宅けん事務所の掃除をして、食事をする。

身支度をしている所に、緊急通報を受けてヒロは現場に急行する。

 

([ヒーローは大変だねぇ。今日もお仕事お疲れ様])

(【頑張って信仰を集めるんだよ、うんうん】)

((今日も任せてくれ!))

(“やる気満々だね、バケ“)

 

 ヒロの世界では、ヒーローが実際に職業として存在している。

 そしてヴィランも存在し、日々事件を起こしている。

 そんな世界に、ヒロは無個性として生まれた。

 無個性として差別されながらも、ヒロはまっすぐ生きようとしていた。

 でも、ヒロには傑達がいた。

 企業に就職しようとしていたヒロにお願いして、私の力をポルターガイストとして個性登録。ヒーローになってもらった。

 外見が変わってしまう為、資格を取るのは大変だったが、転校を駆使してどうにかした。

 これは信仰を集めるコンの為でもあった。私の世界では、術師は目立たない方がいいのだと、活動を呪術高専と言う人達に止められてしまった。

 目立ってヒーローと称えられるのは楽しい。ヒロの人生を乗っ取る事に罪悪感を持ちながらも、中学生だったバケにはやめられないほどの快楽があった。

 

 現場にたどり着いて、呪霊をヴィランに向かってぶっ放す。

 彼らには呪霊は見えない。倒すのは簡単だった。

 

「きゃー! ポルターガイストヒーロー! ゴーストー!」

 

 歓声が上がる。

 

「皆、もう大丈夫! 私の勝利をコン様に祈ってー!」

「「「コーン!」」」

 

 狐の真似っこをする訓練されたギャラリー。

 

「ヴィランになっちゃダメだぞー! コン様との約束だよ!」

「「「はーい!」」」

 

 そうして、平和は訪れた。

 コンに流れ込む信仰心。肯定感マックスでバケは震えた。

 もはや、戻ることなどできなかった。

 

 

 仕事が終わった後は書類仕事だ。

 今度の出番はハック。

 ハックはその類まれな機械操作能力と頭脳で、投資と仕入れを行う。

 お金を稼ぐ事で、食品を大量に仕入れてバケの呪霊に突っ込んで売るのだ。

 その後、ヒロは訓練と勉強。

 

 ヒロの1日はこんな感じである。

 ヒロの生まれた世界は役立っても、ヒロ個人が役立つ事はない。

 そんな影の薄い人間だった。ヒロはそれでいいと思っていたのだ。

 

「お前、何重人格なの?」

 

 「彼」にそう聞かれるまでは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その日、ヒロは公安ヒーローから護衛依頼を受けていた。

 

「個性を失ったヒーロー、ですか」

「そうだ。彼は個性を集める凶悪なヴィランを追っていて、個性を奪われてしまったんだ。ヴィランに恨みも買っていて、護衛をしてやってほしい」

 

 内部で相談をし、全員快諾。

 

「一つ条件を飲んでくれるなら受けましょう」

「なんだ?」

「コン様の信仰です」

「具体的には」

「毎日5分祈っていただければ」

「わかった。まだ若いヒーローである君には申し訳ないが、近々そのヴィランの

討伐依頼をお願いしたい」

「任せてください」

「自分で言っておいて悪いが、若さ故の無謀さか……。もっと慎重にするべきだな」

 

 公安のヒーローはそう言って去っていった。

 そして、ヒーローが来た。

 

「僕、最強だから」のブラックホールヒーロー、ガーディアンだったのだ。

 

「や。ぼくは五条悟。よろしく」

 

(【さ、サトル!? いや違う、サトルの同位体!?】)

 

 あまりの美しさに、ポカンとする一同。

 その後、ハックは護衛用の道具一式を五条のために用意した。

 護衛だから。護衛の為だから。そんなハックを揶揄えない一同だった。

 

 

 そして、しばらくして、五条は言ったのだ。

 

「お前、何重人格?」と。

 

 五条は言った。

 

「隠してたならごめん。でも気になってさ。お世話になってんだし。パソコン触ってる時と、戦っている時と、普段と、性格違うよな? 声も、もしかして個性も」

 

 ほとんど全員を言い当てられて、ヒロ達は驚いた。

 

「さすがトップヒーローは違うね。パソコンはハック、ポルターガイストはバケの専売特許かな。あと、コンって神さまを名乗る子と、無個性の私、ヒロだよ」

「無個性?」

「軽蔑したかな」

「全然! そもそも今の俺、無個性じゃん。それに料理とかの身の回りの事、皆してくれるの、ヒロだろ。それに訓練も怠ってない」

「それは……そうだね」

「俺、他の人格を個性って言わないヒロが好きだな」

「は!?」

「俺はもう無個性で、ヒーローじゃないから。普通の幸せ、今度こそ欲しいなって」

 

 唇が触れ合う。

 私は戸惑った。でも、無個性の私が欲しいって言ってもらえたのは初めてだった。

 私は、自分からもサトルに答えていた。

 唇を重ね、舌を絡ませ、唾液を飲み……腹の奥がカッと熱くなって、私は卵を吐き出した。

 

「げえええっ」

「ヒロ! 大丈夫か?」

 

 卵が割れる。生まれてきたのは、猫のマスコットのような小さなサトルだった。

((えっ なにこの子猫!))

(【可愛い!】)

([個性ってやつか?])

 

「なにこれ?」

「みぃー」

 

 肩によじ登る。

 

「個性……か……? 力が流れてくるのを感じる」

「悟。私にも個性があったみたい」

「ああ。お前の個性、下の口からも有効なのか試したい。いいか?」

「さ、悟……うん、いいよ」

 

 意識がガン見する中、私は恥じらいながらも悟と「実験」を繰り返したのだった。

 




マシュマロ
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