「ガー君、来い!」
「み“ー!」
小さな猫のマスコットが一際鳴くと、ブラックホールが現れる。
「すげー!」
「父さん、凄い!」
子供がすごい凄いとはしゃぐ。
下から卵を産むと、最大で10歳ぐらいの子供が生成できる事がわかった。
上からの卵も、下からの卵も、父方の能力を受け継ぐ。
めちゃくちゃな強能力である。
また、父とリンクして能力を使う事もできる。
これで、奪われた力を取り戻せる事がわかった。
「ご協力をお願いします」
公安ヒーローからお願いをされて、ヒロは決意した。
ヒロだって役立ちたい。
ヒロは、たくさんのヒーローとキスをして、卵をたくさん産んだ。
その事で、多くのヒーローが復帰できた。
人は、普通は二つ個性を持つことがない。
なので、バケの能力がカモフラージュとなってくれた。
ヒロの力は、というかヒロが作った眷属は、バケの世界でも役立ってくれた。
そうこうする内に、バケは呪術高専に入学した。
「俺、五条悟! よろしくな」
「わ、私は夏油傑。よろしく頼むよ」
「家入硝子だ。よろしく」
挨拶をする。
まさかまさかの五条と会って、バケは大いに動揺した。
なにせ、同位体同士が恋人なのである。どうしたって運命が頭によぎって、バケは首を振った。
五条悟は明るく優しく、バケはどんどん惹かれていった。
そんな中、ハックの方もドタバタが起こりつつあった。
ハックの住まう世界はSFの世界。
まあ言ってしまうと、科学が進みすぎて農産物が死んでしまった世界だ。
食料品がクッソ不味く、ハックはヒロやバケの所の食料品販売で生活をしている。
もちろん、身元を徹底的に隠しながら、だ。
そんな中、ハックは一つの大きな実験をしようとしていた。
広い土地を作って農業をしようというのだ。
広い土地というのは、呪術を使った異空間である。
ゆくゆくは科学的に解明して異空間を作り出したい。
その実験の為にも、ハックにはお金が必要だった。
さて、ハックが出かけていると、追われている男が目に入った。
ハックは目を見開く。
五条悟だった。ボロボロである。
「虹龍」
思わずバケが内側から呪霊をだした。追っていた銃火器を振り回すドローンを攻撃させて、助けてしまった。
咄嗟にハックは五条に手を伸ばす。
「あんた、逃げるぞ!」
そうして、なんとか五条を連れて隠れ家にやってきた。
「あーもう! あんたが五条悟に似てるから!」
「俺は五条悟だけど?」
「同姓同名なんだよ! 顔もそっくり!」
ハックは苛立った様子を見せる。
「いいか、その顔が困ってんのは寝覚が悪いから、匿ってはやる。だけど、ここにいる以外で俺に迷惑かけたらそれまでだからな!」
「あー、それはありがとう?」
そして、乱雑に料理を作る。
バケとヒロは、空気の汚いここに姿を表す事はできない。
なので料理もハックが自分で作るのだ。
スープの素を入れ、ザクザクと野菜を切り、肉を入れる。
あまりにも豪快で豪勢なそれに、五条は息をのんだ。
「お前、大金持ちなの?」
「食料品だけは食うのに十分な量手に入るんだよ」
ご飯を炊いて、器にもる。
「うっまー!」
「まずいって言ってたらぶっ飛ばしてた」
なにせ、本物の植物と肉で作った食事だ。まずいはずがない。
「こんな美味いの初めて」
「そうだろうな」
「お前。何者なの?」
「食品研究者」
「食品研究者。すげー研究者? それがなんで俺を?」
「顔と名前が似てる奴を知ってる」
「顔と名前。まじでそれだけ?」
「悪いか」
「いや。助かる」
そうして、食事を掻き込む。
「なあ、ずっとここ居ていいの」
「邪魔しないなら好きなだけ」
「お前……変なやつ」
それから、同棲生活が始まった。
五条は積極的に研究を手伝ってくれた。
というかいつの間にやら主導権を取られた。
ハックよりも五条の方が内蔵頭脳コンピューターの精度が高かったし、研究に向いていた。
ある日、コーヒーを飲みつつ外部記録媒体に思考入力をしていると、後ろから五条がのしかかってきた。
「なあ、俺の顔好きなんだろ?」
「好きだが」
「じゃあ、なんで手を出さねーんだよ。こっちはいつ気まぐれで捨てられるか不安なんですけど?」
「そんな事を気にする必要はない」
「俺は気にするんだよ」
そうして唇を奪われた。
朝起きたら、大豪邸の中にいた。
大きな品のいいベッドのシーツで、裸で眠っていた。
「は?」
「おはよ、傑」
いい笑顔の五条悟。
「どこだ、ここは!」
「研究資料だったら持ってきてるから安心しろよ」
「だから、ここは!」
「五条コンツェルンの隠れ家。迎えがきたからさ」
「だったら帰ればよかっただろう!」
「傑を失いたくなかった。言ったろ。捨てられないか不安だって」
((どうする? 逃げるかい? ハック。逃げるのは可能だと思うけど))
ハックに五条がのし掛かる。
ハックはなにも言えなかった。
ハックは四人の中で1番面食いで、そして五条はとびきり美しかったのである。