トレーナーの事を盟友呼びするウマ娘シリーズ 作:ゴールド@モーさん好き
「わっちの盟友さまや」
「ん? どうした、カイゼリン」
わっちが声をかけるとトレーナーさま……わっちだけの盟友さまは作業を止めこちらに顔を向けてくれる。
「いえ、ただあなたさまを呼んでみたくなっただけです」
「……そろそろお茶の時間にするかな」
「あら、よろしいので?」
「おや? てっきりキミが誘ってくれたのかと思ったんだけどな、この甘えん坊が」
「そうやってわっちを子供扱いして……」
「現に子供だよ、今はね」
「いけずですわ」
わっちは少しぷんすことしますが、実際寂しくて声をかけたので切り替えて甘える事にした。
急須からお茶を入れ、用意していたまんじゅうをだしソファ──盟友さまの隣に座る。
「ありがとうカイゼリン、キミのお茶はいつも心安らぐよ」
「そう言っていただけて嬉しいですわ」
わっちは頭を盟友さまの肩に預けると、彼は優しく頭を撫でてくれる。あぁ、この時間が何時までも何処までも続けば良いのに──
「カイ居るかぁ? 宿題でわっかんねぇ所あっから教えて欲しいんだけど」
「……………………………………………」
突然の来訪者により、その時間は潰えてしまった。目線を向けては居ないが、わっち達のトレーナー室をノックも無しに入ってくる輩は1人しか思い当たらない。
「呼ばれてるぞ、カイゼリン」
「留守である……っと、あの風来坊にお伝えいただけますか? 盟友さま」
「だっそうだ、すまないなウイングブレイカー」
「おう! 分かった! ってなるかぁ! そこにバリバリ居るじゃないか!」
「チッ……いえ、人違いでアリンス……拙者カイゼリンという名ではなく、バンテリンという名前でアリンス」
「どこにそんな湿布みたいな名前のウマ娘が居るか! なぁ頼むよう、宿題教えてくれよう! 同室のよしみで……な?」
「なら夜部屋で教える……ソレでいいと思いますが? 風来坊」
「ソレだと時間が足らねぇと思って来た迄だ!」
「ならご自身のトレーナーさまに泣きつけば良いではありませんか」
「えっあっいや……そのう……ほら、相棒にあんま不甲斐ない姿見せるのも、悪いじゃん?」
「あの方は、そんな無様な姿含めて愛してくれる大きい器を持って居ますが……はぁ、分かりました」
「ほっほんとうか! ありがとう!」
コレが何も知らないただの同室ウマ娘なら良かったのですが、互いに恋悩み邁進する者だと知ってるなら、見過ごすのも些か酷というものですね。
「ごめんなさい、盟友さま。少々うるさくなってしまいます」
「いいよ、なんなら俺も手伝っても」
「それはダメです」
「分かったよ」
盟友さまがウマ娘にレースについて教える、ソレは許せてもただの勉学を教えるなんて許せません。えぇ……少なくともわっちが担当ウマ娘の間は、絶対に。
「それじゃあさっさと始めますよ風来坊、盟友さまとの貴重なお時間が消えてしまいます」
「あぁ! 持つべきものはライバルだよほんと!」