新人トレーナーの日常   作:サラダ味

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10話

「さて、貴様にはいろいろと余罪がありそうだな?」

 

「えぇ~っとぉ~~…」

 

えー皆さん、生徒会室で以てのっけから詰められている訳なんでございますが、裏で黙ってやったほんのちょっとした問題行為の一端が露呈しました。

 

さて、バレた経緯から説明しましょうか。あれはさかのぼる事三十分前…。

 

 

 

「さて、禁煙でもやめるか」

 

高校二年の頃より吸って卒業するころにやめたタバコを解禁する。なんかやってられなくなった。スカウト件数はそろそろ三桁を突破しただろう。そうしたら色々なストレス発散法を試してみたくなるというものだ。という訳で試案その五、喫煙をしてみることに。まぁ禁煙をやめるいいきっかけになったやも知れない。

 

「ここら辺ならいいか?」

 

かと言ってそこら辺でスパスパと吸う訳にはいかない。なので人気が少なく、煙が出ても問題ないような所を選ぶ。さて、いざ一服だ。

 

…スパー フー

 

…なんか、不味い。久しぶりに吸ったせいか?こんな味だったっけって感じが凄い。地元の行きつけのラーメン屋に久しぶりに言ったら味が変わってるくらいの違和感がある。ストレス発散のつもりがもやもやを増やす結果になってしまった。なんかもう吸いたくなくなっちゃった。…捨てるか。そう思ってポケットをまさぐる。

 

「…しまったな」

 

携帯灰皿を置いてきたようだ。かと言ってもシケモクなんか持って歩きたくもないしなぁ。人気も無いし…あの花壇に植えちまうか。火だけはしっかりと足で踏んで消してっと…。これで良し。

 

「貴様!その花壇に何をしている!」

 

「げっ!見つかった!」

 

 

 

…で、今に至ります。責任の所在とか、誰が悪いと言われたら…圧倒的に、疑いの余地も無い程に俺が悪いんだけどさ。

 

「…まぁ、タバコの件はあの後すぐに花壇から抜き取って元通りにしたから水に流してやってもいい」

 

「おぉ、さっすが副会長殿!話が分かる方でんなぁ」

 

「そう持ち上げるな。だが話はここからだ。これから貴様の余罪について問いただす」

 

「その程度で解放してくれるってんなら喜んで協力するよ」

 

余罪っつってもそう大したことは無いだろう。悪事っつってもそんなに悪いこともしてないしギリお咎め無しだろう

 

「ではまず一つ、場所は中庭、カルストンライトオとの猫争奪戦。これは貴様か?」

 

「俺だな」

 

「次に一つ、逆立ちでのスカウト行為」

 

「それも俺だな」

 

「まだあるが最後に一つ、オペラオーとのオペラ開演」

 

「俺だ…そんな悪いことはしてないと思うんだけど」

 

「全て生徒会に苦情が寄せられたのだこのたわけがッ!!!」

 

エアグルーヴの怒号が生徒会室に響く。その声に反応して姿勢を正してしまう。なんでか今のエアグルーヴには逆らってはいけないような気がする。

 

「別に悪ノリするなと言っている訳ではない。貴様もトレーナーである前に一人の人間だ。息抜きもたまには必要だろうし、仮に今列挙した行為が貴様の息抜きだと言うなら、多少のことには目をつぶろう」

 

「じゃあ見逃してくださいよぉ~姐さ~ん」

 

「その呼ばれ方はアマゾンしか聞かないが…まぁいい。貴様に関わる苦情が最初に寄せられたのが大体一か月前のカフェテリアでの奇声だ」

 

あー。そん時多分相撲見てたからそれだなぁ。…声出てたのかあの時。

 

「そして最後に苦情が来たのが一昨日だ。エルコンドルパサーと殴り合ったのは記憶に新しいな」

 

「そうだな、あの後医者に掛かったけど骨にヒビ一つとして入ってなかったから自分の体ながら、頑丈さにびっくりしたよ」

 

「どうなってるんだ貴様の体は…それよりも、私が怒っているのは苦情の頻度だ。」

 

「今までで五件出てるから…一週間に一回とか?」

 

自分で言っておきながらそんな頻度で苦情が来たらそいつにドロップキックかますくらいのキレ方をする自信がある。

 

「その三倍だたわけ!!!」

 

「えぇっ!?」

 

三倍…?三倍って事はつまり…三倍って事!?

 

「こちらにも事務作業があるのに貴様のせいで業務が滞りつつあるのだ!」

 

「滞りつつって事は今はまだどうにかなってるって事っスよね?」

 

「会長の尽力のおかげで事なきを得てるにすぎん!本来なら貴様にやらせたいくらいだ!」

 

結構とんでもない所にまで被害が及んでいた。いやービックリビックリ。…張り切って反省しないといけないのかもしれない。だけどふざけないといられない。だって男の子だもん。だけどちゃんと反省しよう。

 

「その顔、本当に反省しているのか?」

 

「そりゃあもちろんですよ!これからは心を入れ替えて聖人のように生きていこうと思っていますよ!」

 

「言葉のせいでうさん臭く聞こえてしまうが…もういい、以後気を付けるように」

 

「寛大な心に感謝するよ。それじゃ」

 

こうして生徒会室を後にしていく。確かに俺はハッちゃけすぎる節はあるけど人様のご迷惑にならないようには配慮しているつもりだった。これからはもっと意識していく必要がありそうだ。俺の持論だが、それが出来なければおふざけする権利は無いと思ってる。

 

「ああそうだ、最後に一つ聞いてもいいか?」

 

「ハイなんでございましょ?」

 

ドアを閉めようとした時にエアグルーヴに呼び止められる。さっきの話はもう終わってるし、何気ない事しか聞かれないだろう。

 

「昨日花壇の辺りに謎の箱が置かれていてな。会長が貴様のせいで多忙だったため私が対応したのだが…ええい、思い出しただけでも腹が立つ。その箱はGが飛び出るビックリ箱だったのだが…何か知らないか?」

 

 

………

 

……………

 

あー。

 

「何か心当たりでもあるのか?」

 

「それ俺」

 

次の瞬間、圧倒的な速さで逃げだす。あの場にとどまっていたら確定で説教一時間コースになってしまう。後のことが怖いが今は逃げるしかない。

 

「逃がすかあァァァァァァァァッッッ!!!!」

 

なんだあの赤い槍、どっから出してきたんだ!?というより、今ドアぶち破ってこなかったか!?この世のものとは思えんくらいのブチギレじゃあねぇか!とにかく……逃げなきゃ殺される!

 

 

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