新人トレーナーの日常   作:サラダ味

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26話

「自分の部屋って素晴らしい」

 

結局暑さに負けてたづなさんの許可を貰ってトレセンに帰ってきた。ミラ子のトレーナーめ、俺にまで遠泳させやがって…俺は人間だっての。あの時何度溺れたことか。

 

「も~マジ無理!数学とかこの先使わなくね!?」

 

「自然数…無理数?有理数…あ、やっぱ有利しか勝たんっしょ!」

 

「…今日だけでも爆逃げカマさない?」

 

「「それな!」」

 

「今日やんないと間に合わないよ。ほらやるよ」

 

数学の課題かぁ。全教科嫌いだったけど理数系はとにかく嫌いだった。だって意味わかんないモン。でもなんでなのか、文系より理数系の方がテストの点数が良かった。…まぁ良かったって言っても平均が四十点なのが五十点になるくらいのもんだが。しっかしまぁ驚かされる。…別に彼女たちにではない。ギャル解像度が人類ランキング最下位の中の人がこれ書こうとしてる方に驚く。

 

「というより、教師陣が足りなさすぎ。アタシだけじゃカバーできないし…教えられることも少ないし」

 

「じゃあニシノ神呼ぶべ!全部解決っしょ!」

 

「やってる内容まるっきり違うから困らせるだけだと思う…」

 

相当にお困りのようだ。だが俺では力になれそうにないな。数学とかいうクソゲーなんか学生の時に金輪際見ないと決めた。小数点とかいう奴、お前のせいだぞ。あと指数関数のあの曲線、お前もだ。

 

「あ、そこの人。今時間ってある?」

 

しまった、あの中でギャルレベルマックスのたまーにゴルシが蹴りに行ってる奴に見つかってしまった。アイツ誰だっけなぁ。…おぉ、奇跡的に脳内フォルダに四人分あるぞ!

 

「よう、お前はトーセンジョーダン…だったな。他三人はゴールドシチー、ダイタクヘリオス、メジロパーマーっと………」

 

…メジロ?

 

「どしたの?」

 

「パーマー、お前にだけ確認しとくべきことがある。取り敢えず持ってるもん全部出せ」

 

「は?何いきなり?」

 

「悪い、こっちにとっては死活問題なんだ。多分俺の期待通りのものが出てくる」

 

俺の熱弁に応えてくれたパーマーは不思議そうな顔をしながら立ち上がり、スクールバックとポッケに入ってるものを出し始めてくれた。

 

「コスメでしょ?あと文房具にスマホ…それにデスサイズ…こんなものかな」

 

「あー…なるほど。悪かったな、手間ぁ取らせて」

 

平静を装うが内心穏やかじゃあない。どういうこった?なんでカバンから命を刈り取る形をしているものが出てくるんだ?ほら周りも驚愕してるじゃん。もうヤダメジロ怖い。

 

「あぁゴメン、あとモーニングスターがあった」

 

この人は一体何と戦おうとしているんでしょう護身用にしたってオーバーキルだぜ?…あと関係ないけど四次元って実在したのな。

 

「オーケー分かった。メジロ家が武装集団だって事が分かった。で、戻るけど要件は?数学教えるだったら無理だぞ」

 

「そうやって頼もうとしたんだけど」

 

「シチーだけに頼ってたら過労死しちゃうからさーマジ頼めない?メシだって奢るしさー」

 

「ジョーダンなぁ、俺は女子高生に奢られるほど落ちぶれちゃいねぇんだよ…俺ダムダムバーガーがいいなぁ。いっぱい食べちゃうゾ」

 

「たかる気満々なのマジウケる!もうやるしか!」

 

…解像度低いなぁホンっト。

 

「とにかく、取り敢えず問題全部やってみてくれ。後でまとめて教えてやっからよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「出来たー!!」」」

 

「おぉ出来たか、見せてみろ」

 

さて、どんな惨状が待っていることやら。俺はパーマーとヘリオス、シチーはジョーダンを担当することになった。俺の負担多過ぎねぇ?…と思いながら答案に目を通す。死ぬほど不安なヘリオスを後回しにしてまずパーマーを見る。

 

「ど、どう?出来てる?」

 

流石、令嬢なだけある。所々で間違えてはいるが致命的な間違いはしていない。ケアレスミスがほとんどだろう。地頭の良さを感じる。こっちは伸ばしたい放題だろう。

 

「まあ大丈夫だろ。修正のしようはいくらでもある」

 

「マジ!?私もしかして天才!?」

 

「それはない。さて問題は…」

 

パーマーの心をへし折りながらヘリオスの答案を見ていく。あぁダメだ、もう死にたい。ナランチャにフォークぶっ刺したフーゴの気持ちがよく分かる。よく見たら端っこにへのへのもへじ描いてあるし、どう対処したらいいものか…。

 

「ウチも中々っしょ?パマちんについていくしか!」

 

「黙ってくれ、作者、もうヘリオスに喋らせないでくれ!コイツが可哀そうだ!」

 

必死に懇願しながらどう教えようか考えているとある問題が目に留まる。使っている数式自体はなんてことは無い、中学までの知識で難なく解けるだろう。だけどこれはよぉ、曰くつきじゃあねぇのか?そう思ってパーマーの答案と見比べると案の定答えが違う。

 

「うーん…これ問題作った奴も阿呆か。ジョーダンの方はどうなってる?…どうしたシチー?」

 

死にかけのシチーがそこにいた。一体何があったんだ?そう思いジョーダンの答案を見る…見なきゃよかった。

 

「手は尽くしたんだけどさ…」

 

「うん、だよね、俺もそう思う」

 

こいつは一体どうやって…義務教育を卒業したんだ?

 

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