新人トレーナーの日常   作:サラダ味

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35話

「『それならそう言ってくれりゃあいんですよ!あっしもそこまでバカじゃ』 『バカなんだよ!!』」

 

「ハハハハ!!wwww」

 

落語はやっぱり面白い。正月に暇だったから気の迷いで『せや、落語聞きに行くか』っていう訳で行ったんだけどこれがドはまりしてしまった。それからまぁ頻度は低いけど2ヶ月に1回くらい聞きに行っている。…歌舞伎も1回しか行ったことないからどっかのタイミングで行きたいなぁ。

 

「『いいか、この暗がりに隠れるぞぉ』 『…兄貴そういうシュミなんすかぁ?あっしはのんけですぜ?』 『何言ってんだここで身なりのいい奴が来るまで待つんだよぉ!』 『ああそういう事ですかい!言ってくれりゃあ分かったのに!あっしだってそこまで』 『バカなんだよ!』」

 

「アハハハハ!」

 

おぉおぉ結構な大笑いだねぇ。人のことは言えんが。ちょいと見てみるとウマ娘が4人並んで座っていた。顔は見たことあるからトレセン学園生か。名前は当然のように思い出せないけど。…まぁ別に話しかけに行く意味はない。それに俺もザ・プライベートだ。ここはスルー一択だ。

 

 

 

 

 

「いやー面白かった」

 

昼席に来たから4時半頃に終わった。ここから電車乗って帰ればいい感じの時間に寮へ帰れる。すごいなぁ東京って。

 

「あれ、もしかして奥沢さんですか?」

 

「ん?」

 

声のする方を振り向くとさっきの4人がいた。…え、誰すか?何の用すか?青毛で俺と同じくらいの身長の子に知り合いなんていねぇぞ?…俺の身長?166センチ。

 

「そうだけど、どうした?落語の感想でも話し合うか?」

 

「いえ、お会いしたので声を掛けさせてもらいました。奥沢さん、学園じゃ結構有名なんですよ?」

 

「マジ?有名になるようなこと1つもしてないんだけど」

 

「そうでもないわよ?貴方の様々なproblmだったり愉快なepisodeは学園でひっきりなしよ」

 

「そうなのか?」

 

「はい。少なくとも貴方の話を聞かなかった日が無い位です」

 

エアグルーヴがあの時かなりの数のクレームが来てると言ってたのを未だに誇張表現だと思っていた。マジでそれ位…いやそれ以上じゃねぇか。

 

「そっかぁ…もう少し行動を改めるか?まぁいいやお前らもこれから帰るんだろ?気ぃ付けて帰れよ~」

 

「はい!また学園で会いましょうね!」

 

返事に手を振って答える。会えるかどうかは分からんけど、あの言い方だと会いに来るだろ。知らんけど。

 

 

 

 

 

「ユー、スカウトされちゃいなよぉ~。…ユクモ縛りきつくねぇ?」

 

「いや、無理です…。てか初期装備縛りじゃないですかそれ」

 

「何でー?」

 

「スカウトするにしてももうちょっといいタイミング無かったんですか?」

 

「そんなー」

 

はい、轟沈。一体何がいけなかったんだろう。

 

「そろそろ授業なんで行きますねー」

 

「あーい。居眠りすんなよー」

 

あーあ、暇になった。どうすっかなぁ。…グラウンド行ってトレーニングしてる奴でもおちょくってくるか。という訳で一瞬で到着。さーて、誰に絡んでやるかな。

 

「「「「ハアァァァァ!!」」」」

 

お、昨日の4人がいるな。また会いましょうとか言いやがったからには絡まれても文句は言えないよな。

 

「お疲れさん。どうだ、調子は。ほれスポドリ」

 

まぁ手ぶらなのもあれなのである程度の量のスポドリ持参である。結構重たいから売り切ってしまいたい。

 

「あ、奥沢さん!昨日ぶりですね!」

 

「ドリンクありがとうございます。…所でクラフト、さっきのスパートだが、少しムラがあるように感じた。何かあったのか?」

 

「アップ不足でしょうか。日向ぼっこで少しだけ遅く来ましたからね」

 

「リラックスするのはいいけどもう少しメリハリをつけた方が良いんじゃないかしら?」

 

…あれ?

 

「反省会の所申し訳ないが確認させてくれ。昨日の4人だよな?名前教えてくれ」

 

「はい。私からシーザリオ、ラインクラフト、エアメサイア、デアリングハートです」

 

「ふーん。…シーザリオに問おう。お前妹でもいるのか?」

 

「いませんが…どうかなさいましたか?」

 

「誰だお前!!」

 

昨日見た奴とは大違いだ。落語で大笑いしてたやつとは到底思えない真面目オーラを漂わせている。

 

「あぁ~奥沢さん、オフのシーザリオしか見てないですからねー。ほらシーザリオ、オフになって」

 

「それはいいけど…トレーニング中だよ?」

 

「誰だお前!!!」

 

一瞬で変わったせいで同じことを更にでかい声で言ってしまった。コイツ二進数か?0と1しかねぇじゃねぇか。切り替え上手すぎだろ。常時オフの俺とは大違いだ。

 

「まぁこの変わりようを見たら驚くのも無理ないわね」

 

「シーザリオさんの落差が激しいだけの気もしますが」

 

「でも俺はいいと思うぞ。常時オンとかいう訳の分からん奴よりはましだ。常時オフの俺もどうかとも思うがな」

 

「じゃあ奥沢さん、ここでオンになってみてくださいよ!」

 

「無理だろ。俺オンになった事ほとんどないぞ。…やってみるか」

 

「では、何か仕草…ルーティンをしてみるのはどうですか?ルーティンで気持ちを整えたり切り替えることが出来ますし」

 

ねぇよルーティンなんてよ。ほんでナチュラルにオンになってるんじゃあないぞシーザリオさんよぉ。さてどうするか。

 

「…よし、バイトの時間だから帰るわ」

 

「!?」

 

逃走開始。俺オフしかないし。オンって何だよ。困った時には逃走だ。逃げるは恥だが役に立つって星野で源な人が言ってた気がする。…オチ?無いよ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「奥沢さんって速いんだね…」

 

「1秒もしないうちに視界から消えましたね」

 

「あの人ほとんどウマ娘よね。傷の治りも早いし死なないし」

 

「どうだろう…でもウマ娘じゃない納得できない部分は多いけど」

 

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