吉花の件、学園内でもほとんどの人数が知ることになった。驚きなのはあの時カフェテリアにいた全員が見たと証言しておきながら、守衛さんは出ていったところを見ていないという。びっくりだ。ただまぁ考えていてもしょうがないので。
『FMラジオをお聞きの皆さま、こんにちは。時刻は四時頃、皆さまはおやつ、何を食べましたか?』
う~ん、何にも食べてないなぁ。心の中で返答しながら骨董的な何かを見ている。俺が何をしているかと言えば、道の駅的な所にいる。なんか古いものを見てる時ってなんでか面白くない?
『イントロクイ~ズ!』
『おぉ~!』
なんか始まった。ラジオでイントロクイズかぁ。まぁ成り立つか。
『この企画ではリスナーの方に答えて頂きたいと思います。参加方法は今からイントロを流しますのでこのラジオの電話番号にかけて頂いて、先着順で答えていただこうと思います』
『見事に正解された方には番組特製のクオカードをお送りします。皆さま、ぜひ参加してくださいね~!』
参加型か。でも俺あんまり曲っていう曲知らないし、何より番組の電話番号知らねぇ。まぁ俺の知ってる曲が流れてくるわけないか。
『今回はイントロの一音だけを最初に流します。正解者が出なかった場合ヒントとして流れるイントロが長くなっていきます!』
一音ってなかなか無理ゲーでは?
『それでは行きましょう!イントロ!ドン!』
ピュウン(トランペット的な音)
「ッ!!????」
知っている。知っている。知っている曲だ。読者皆様には伝わらないだろうから答えを伏せながら言えばうまがぴょいして伝説になる感じの曲だ。ラジオとは言え地上波のこのタイミングで聞くことになるとは思わなかった。
『では早速お電話が来ているので繋いでいきましょう。もしも~し』
『……あ、もしもし~』
『お電話ありがとうございます!お名前お伺いしてもいいですか?』
『テツヤです』
『テツヤさん、ありがとうございます!では早速ですがお答えの方をお願いします!』
さぁテツヤさん。アンタはどんな回答をしてくれるんだ?俺の回答とは違う物を出してくれ。あわよくばそれが正解であってくれ。
『粉雪』
あ~成程。今は冬だし季節感もピッタリ。それにイントロクイズにも最適。粉雪のイントロをあまり知らんが、これが正解だろう。
ブブー
『残念!不正解です』
『あちゃ~違っちゃったか~』
違うのか。では何が正解なんだ?俺の中ではもう確定だが違うと願いたい。
『では次の方に繋げたいと思います。もしもし~』
『あ、はーいもしもし』
『お名前聞いてもいいですか?』
『ミチヨです』
『ではミチヨさん。お答えをどうぞ!』
『………………』
どうしたミチヨさん。シンキングタイムはたっぷりあったはずだが…。まさか何も浮かんでいないのか?
『あの、ミチヨさん。折角なんでなんか答えて頂ければなと思うんですが』
『う~~ん……』
マジで何も浮かんでないのか。なんで電話したんだこの人。間違い電話か?
『じゃあ…前々前世』
違う。絶対違う。始めの音の時点で全然違う。苦し紛れもいいとこだろう。
ブブー
『不正解!ご参加ありがとうございます。いやー中々正解が出ませんねぇ』
今から電話しようかな?正解できる自信が出てきてしまっている。正解であってほしいし不正解でもあってほしい。何とも言えぬ葛藤である。
『次の方に行きましょう。正解者は出るでしょうか?もしもし~』
『もしもし~』
『お名前はなんでしょうか?』
『アキオです』
『ではアキオさん、お答えどうぞ!』
『うまぴょい伝説』
言った。言った。遂に言った。だが何というか…この場に出てくるような曲じゃあない。立場上よく聞くけど…はっきりと電波曲だぞ?もしこれが正解ならお茶の間が凍りつ
ピンポンピンポンピンポン~
『正解~!』
「嘘でしょ!??」
ついうっかり口に出してしまった。いやマジかよ。マジで正解かよ。一体なんで?どういう理由でこの曲が採用された?
『という訳で、今回のイントロ曲はURAファイナルズウイニングライブ曲、うまぴょい伝説でした。今年は午年という事で、この曲がぴったりですね~』
…そういう事?午年だからうまぴょい伝説…もうちょい他に何かなかったのか?走れコウタローとかもっと他にあっただろうに。という訳で答えが分かったので骨董漁りを本格的に再開する。…あれー?カセットテープがこの辺にあった気がしたんだけどなぁ…。撤去されたのか?
『あと5ふん~』(明らかにウララちゃんではない声)
…?誰だ?今の誰だ?こういうので流す奴だから一般的な…ぶっちゃけて言えば初期メンが歌ってる奴が流れてると思ったら何だこれ。どのCDの音源だ?嘘だろ、どういうことだ?ラジオ関係者の中にガチ勢がいるって事か?驚きを隠せないでいるまま店を出ると。
「それで急にぶつかってきて…」
「成程…」
警察が追突事故の処理をしていた。後ろで流れているのはうまぴょい伝説。何というか、情報量が多い気がする。何でこうなった。そんな疑問を抱えながら…俺は普通に帰った。