「奥ちゃんってさ、何が好きだと思います?」
ドン ドン(龍が如く的なアレ)
数多のトレーナーを轢き殺した女 トランセンド
「好きっちゅうんは…何の事や?」
ドン ドン
粉モン伝道師 タマモクロス
「題材から考えて…かなりその…センシティブなことかと」
ドン ドン
むっつりお清楚担当 メジロアルダン「私のこれおかしくないですか?」
「まぁまぁ。それで趣味趣向の全く違う二人を呼んだわけですけどね」
「まぁ接点もあんまりない訳やしな。アルダンとはたまに話すけども」
「そうですね。それで…どういう経緯でこの会をお開きになったのですか?」
「よく言ってくれました。事の発端は先週の事でした」
『奥ちゃんそれ何読んでんの?』
『んー?デジタル先生の薄い本。何かの折にもらったから読んでんの』
『ふーん。どういうジャンル?腐?N?』
『失礼だな。純愛だよ』
「って事があったんですよ」
「なんや、分かっとるやんけ」
「それがそうでも無いんですよ。純愛って言っても色々あるんでこうなったら色々試してみようかなと」
「それでしたら…ありきたりですが教師と生徒のような…禁断の恋のような」
「アルダンの理想ちゃうの?」
「良いじゃないですか。私もトレーナーさんと…」
「トラン、はよう進めてや。惚気が始まってまう」
「了解ですタマさん。であればウチからは、年の差を推させていただきましょう」
「年の差ぁ?そういうの好きなんかアイツ?」
「分かりませんよぉ?意外とウチらの事エロい目で見てるかもですよ?」
「ホンマかなぁ。…せや、幼馴染物とかどうや?過去を掘り起こすようやけど…飢えてんちゃうか?」
「それもありそうですね…ではこういうのもどうですか?」
「…ナニコレ」
ここ最近、何やら不思議な事が起こっている。俺が何かしらの用事で部屋を出て、帰ってくると薄い本が一冊ぽつんと置かれるようになった。マジでナニコレ。誰かの忘れ物かも知れないから無暗に捨てることも出来ずに既に10冊ほど溜まっている。
「ん-…あんま好みじゃねぇなぁ」
キャラデザとかは好きなんだけど、シチュエーションが好きじゃない。昨日の百合は最高だった。後輩ちゃんイケメン過ぎ抱いて。…なんでこうもジャンルが違うんだ?
『今日の食い付きはあんまりですなぁ』
『昨日のやつが一番食い付いとったな』
『奥沢さんに悪いことをしてる気がします。…盗撮なんて』
「奥沢さん、たづなです。先程の件で来ました」
「あぁどうぞどうぞ。…あぁ両手塞がってるんでしたっけ?」
電話が来たときはなんで俺が?っと思ったが、頼まれたし、スペース自体はあるから引き受けることにした。
「すいません、倉庫整理の為とはいえ部屋を使わせていただいて」どずん
そう言いながらたづなさんは段ボール数箱を置く。なんか変な音が聞こえたが、気のせいだろう。
「いえいえ、大変そうですし。助けになるなら出来る範囲でやりますよ。なんか手伝います?」
「十分人では足りてるので大丈夫です。それでは、取りに来るときにまた連絡しますね」
「がんばでーす」
さて…物色しますか。中を見るなとは言われていない。気になっちゃうんだよなぁこういうのの中身。段積みしてあるから並べるか。
「よっっっっ」
上がらない。一番上の段ボールが動かない。重量的なもので動かないのは分かる。たづなさん。アンタ本当に人間か?だが俺の好奇心はこの程度じゃあ止まらない。ご都合主義の脚立を召喚して何とか段ボールを下ろしていく。…よし、ようやく開封の儀である。まず1箱目は?
「なんか…思った通り」
重さの原因であるダンベルさんがこんにちはしてきた。取り出してみると20キロと書いてあった。なぜあそこのジムに置いていない。他も改めるか。
『おや?制服が出てきましたね』
『適当に突っ込んだんやろな。カメラ越しでも箱の中がごちゃ混ぜになっとるんが分かるってどないやねん』
『おやぁ?今日一の食い付きを見せていますな。自分に当ててみて…鏡も見て…』
『嘘やろ?着るんか?アイツホンマに着るんか?』
サイズは案外良さそうだ。1回興味本位で来てみたかったんだよ。しかし手に入れる伝なんかないし、あったとして体裁上の問題で欲しいとは言えない。しかしこの状況なら来ても誰にも文句は言われないだろう。
「お着替えたーいむ♪」
『アカン、止めに行くで!あんなもん描写させてたまるかいな!』
『いえ、タマモさん待ってください。…ちょっと見てみたくないですか?』
『なんでや!』
『うちも見てみたいかもです。奥ちゃんて女の子みたいな体してるじゃないですか。案外似合ってたり』
『どないしたんやアンタら、同人誌の見過ぎと違うか?そんな訳が』
「おぉーピッタリサイズ」
『ホンマや』
案外ちゃんと着れてしまった。しかし…スカートの開放感ってすごいな。これで冬場に生足って…寒くないのか?…ちょっと出歩いてみるか?よし、検証開始だ。検証内容はこの格好で過ごして誰が一番最初に気付くか、そこまでにかかる時間を計ってみよう。
「ちょっといじくって…付け耳にカラコン…右のもみあげだけ三つ編みにして…これで良し。いざ鎌倉へ」
『行っちゃいましたね』
『ウチめっちゃ怖かったで。なんであない手慣れてんねん。これ初犯とちゃうやろ』
『よし、ちょっとからかいに行きますか。一瞬でバレたらいったいどんな反応するのかな?』