新人トレーナーの日常   作:サラダ味

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49話

「トラン、おったか!?」

 

「どこにもいません!アルダンさんの方は!?」

 

「不可解な情報しか出てこないんです…ドッペルゲンガーが出たと口を揃えて…」

 

「アイツ…どこ行ったんや!」

 

奥沢を探して1時間。カメラで見た格好の奴は何度か見かけたがどいつも奥沢やあれへんかった。どういうこっちゃ?格好変えたんか?にしてもどこにもおらんのはなんでや?

 

「アルダン、ドッペルゲンガーっちゅうんはどういう事や?」

 

「タキオンさんが言うにはカフェさんに似た誰かがポッケさん、ダンツさんと話していたと。テイオーさんがマックイーンと話していたけど目の前からもう一人マックイーンが現れたと言っていました」

 

「どう考えても奥沢やけど…変装しとるっちゅうわけか。はた迷惑な話やで」

 

「そうなるとかなりめんどくないですか?手掛かりなしの状態から探さないといけないって中々厳しいですよ?」

 

「…もうほっといたらええんちゃう?」

 

天を仰ぎながら零してまう。せやけどしゃあないやん。アルダンから聞くだけやとこれといった被害はあらへん。わっざわざ探す方がアホらしいっちゅうもんや。

 

「…それもそうですね」

 

「はちみー飲み行きません?付き合ってもらってるんで奢りますよ~」

 

 

 

 

 

「濃いめ固め多めで~」

 

「薄めやわめ普通でお願いします」

 

「何しようかな~…うちもアルダンと同じでええか。さっきのも1つ頼むわ」

 

疲れた体に甘さが染みるわ~。にしても、アルダンとこうやって話すんも久しぶりやな。トランなんて今まで接点も無かったわけやし。

 

「奥ちゃんどこ行ったんでしょうね~」

 

「分かれへんけど…アイツの事やし飽きてトレーナー室で下らんことでもやってんちゃうか?」

 

「奥沢さんならあり得そうですね。…あら?オグリさん?」

 

アルダンが見てる方向を見ると確かにオグリが歩いて来とった。向こうもこっちに気付いてこっちに向かってくる。

 

「やぁ。タマにアルダンに…トランか?なんだか珍しい組み合わせだな」

 

「ええ、ちょっとした観察をしたいなと思って」

 

「ちょっと内容は言えませんけど、大したものではありませんので」

 

「そうなのか。…何やら疲れているようだが、大丈夫か?」

 

…?

 

「あぁーこれは野暮用でして…何でもないので気にしないで下さいな」

 

「そうか。まぁ、気を付けてくれ。…そうだ、私もはちみーを買いに来てたんだった。濃いめやわめ普通を1つください」

 

「おぉ。ちょお待てや」

 

「タマ?どうしたんだ?」

 

「…誰や、お前」

 

違和感、ほんの少しの違和感や。せやけど分かる。コイツはオグリやない!

 

「じゃあ、この人が奥ちゃんって事ですか!?」

 

「間違いないやろ。見た目や喋り方、仕草もほとんどオグリやけどオグリやない。はよ化けの皮剥いだらどないや!えぇ奥沢ぁ!」

 

「な、何を言っているんだ?私は私だ!なぜそこまで疑う!?」

 

「これでどないや!」

 

残ってたはちみーを偽者目掛けてぶん投げる。本物やったら避けるなりするやろ。せやけどコイツは。

 

「うわぁ!」ピシャン!

 

驚きながらも…腕を回してはちみー全部…弾きおった。どうやったんそれ。

 

「危ないじゃないか、何するんだタマ!」

 

「そうですよ!それに偽物って確証がありません!」

 

「…モノホンがあんな防ぎ方できる訳ないやろ」

 

「確かに」

 

「はぁ~。バレりゃあしょうがねぇやね」

 

なんや急に観念したけどまぁええか。奥沢がヅラを外して左耳を見せる。

 

「何で分かったんだ?ほとんどオグリそのものになりきってたはずだけど」

 

「分かるやつには分かる。そういうもんや。タキオンにも見破られたんやろ?」

 

「あぁそれ?ミスって紅茶飲んでたら普通にバレただけ」

 

「カフェさん紅茶飲まないのにそんなことしたらバレるって」

 

「後マックイーンが目の前に出てきた時は死ぬほど焦ったなぁ。真っ二つにされるところだった」

 

「マックイーンが持ってるのはモーニングスターのはずですが…相当な勢いで怒らせたんですね」

 

「さて、タイムは1時間と53分っと案外イケたな」

 

「奥ちゃんそのカッコ結構似合ってるよ?」

 

「…あ」

 

奥沢が何かに気付く。おおよそその恰好やろうな。急に恥ずかしくなったのかスカートを下に引っ張って顔を赤くしおった。

 

「見るんじゃねぇ!」

 

「ほぼ見せに来といてそりゃないやろ」

 

プルルルル

 

ツッコミを入れたタイミングで奥沢の電話が鳴る。恥ずかしそうにしながら電話にでる。電話越しやから見える訳ないで?

 

「はいもしもしどうしました?…片付けが終わった!?じゃあ今から荷物取りに来る感じですか?今からはまずいです!30分!30分だけ待ってむごごごごご!!」

 

トランが奥沢の口を押える。うちが手足を縛っていく。アルダンが電話を取って対応する。

 

「お電話変わりました、メジロアルダンです。今から奥沢さんとそちらに向かうので少々お待ちいただけますか?」

 

『え、えぇ?わ…かりましたぁ?』

 

ピッ

 

「お前ら!俺が恥さらしになってもいいのか!大の大人が!しかも男がトレセンの制服着てましたなんて全校生徒に触れて回ってもいいのかぁ!?死んでしまうぞ!」

 

「良いじゃん良いじゃん。うちらを散々引っ掻き回してくれたんだからさ。ちょっとは元を取らせてよ」

 

「鬼ー!悪魔ー!助けてくれー!俺はまだ死にたくねぇー!」

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