新人トレーナーの日常   作:サラダ味

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7話

「これで半分……終わってないんだよなぁ」

 

さて泣くか。二時間くらいぶっ続けで仕事してるけどはっきり言って嫌になっちゃった。人間の集中力なんてものは長続きしないんだよ。特に俺。流石に休憩するか。そこのパイプ椅子並べて即席ベッドにするか。

 

いや待てよ、確か上京するときにまとめた荷物の中にアレがあったな。折角だしやるか。まともに出来る気がしないけど。

 

「……………あったあった!」

 

出ました携帯ゲーム機最強PSP!異論はいくらでも認めるが俺の中ではこいつが最強だ。そしてプレイするのはもちろん、モンハン2G!今やっても色あせる訳もない神ゲーである。セーブデータはあるけどどうせだ、初めからやろうじゃあないか。今は十一時か…昼休憩も兼ねていざ一狩り!

 

 

 

 

 

「ざっけんな当たってねぇだろそれはよぉ!」

 

カフェテリアで人目も憚らず叫び散らかす。視線は確実に集めてしまっているが、アレばっかりは…いや流石にアレは当たってないって。この時代のアタリハンテイ力学どうなってんだマジで。というかガノトトス強すぎだろ。まだ下位なんすけど。

 

「へぇ、随分懐かしいのやってるねぇ」

 

横から鹿毛で赤フチメガネのウマ娘に声を掛けられた。現代っ子の大半はコイツを見たことすらないと聞くが、懐かしいと言うあたりこの子はデキる。

 

「いやね、息抜きにって段ボールから引っ張り出してきたんだよ。不思議な事に二台出てきたからやる?」

 

「お、いいねぇー。でもさ、UMDはあるの?」

 

「安心しろ、この俺に抜かりはない。…ダウンロード版がある!心ゆくまで一狩りイケるぞ!」

 

「それじゃあご相伴に預かろう。トランセンドでーす、よろしくね」

 

 

 

 

 

ディアブロスにて…

 

「ありゃ、ディアブロスの咆哮ってこんなに判定デカかったっけ」

 

「あれ緊急回避でも避けられないぞ…しかも最悪追撃が飛んでき…あ」

 

「そんなこと言うから乙っちゃったじゃんよぉ。どう責任取るのさぁ」

 

「それは知らんけども…やべ反射的に緊急回避…あぁ、待って、助けて!止めて…アアアァァァァっ!!」

 

「これで二乙…楽しくなってきたねぇ、ゾクゾクする」

 

ご覧の通り、地獄の様相を呈しております。2Gのモンスター全体的に強すぎるわ。モーション自体は近年のモンハンと比べれば基本的な奴ばっかなんだけど判定長いわデカすぎるわ。トライ以降のモンハンからぬるくなっていったのか、それ以前がヤバい位の鬼畜ゲーなのか、意見は分かれる所だろう。

 

「いやまだ下位だからなぁ、こんな所で三乙したくないなぁ。生存重視で立ち回るか……。」

 

生きるためのメニューを開いて調合しようとする。そして絶望した。これは終わったかもしれない。

 

「なあトランや」

 

「ん、どしたの」

 

「回復グレートの調合分忘れた。今調合しようとしてやっと気づいた」

 

「もしかして回復尽きた?」

 

「グレート三個しかない。トラン、キャリー頼んだ」

 

「りょーかい、死なない程度に殴ってくれてたらいいよん」

 

神か?やってて分かったけどトランは俺よりゲームが上手い。さっきの咆哮事故みたいなことさえなければ討伐してくれるだろう。

 

「え、その尻尾って判定あるの!?…しかもピヨッたし!」

 

「安心しろ俺の方にタゲ向いてるからレバガチャして回復するんだ!」

 

「死なないでよねトレちゃん!」

 

幸いにもこちらに突進するディアブロス。亜種だったら正直ヤバかったかもしれない。だがこいつは原種、動きは速いけど亜種ほどじゃない。ハリウッドダイブしても振り向きにぎりぎり間に合う!

 

「よっし間に合った!反撃開始だよ!」

 

(゚∀゚)キタコレ!!コレで勝つる!おっと咆哮かここは素直に受けた方が

 

「あっやべ」

 

「どしたの?」

 

「ダイブ出して硬直解け遅くなった」

 

「タゲはトレちゃんだね…おいおいおい」

 

「死ぬわ俺」

 

力尽きました 報酬金が2000Z減りました 報酬がゼロになりました これ以上復活出来ません 村へ戻ります 支給品専用アイテムを返却しました

 

「…マジすまん。癖でダイブしちまった。ダメって分かってたのに…」

 

「まぁしょうがないね。にしてもこの時代のディアブロス強いねぇ。判定も何もかもトライとは以降と全然違うし」

 

「俺はさっきクック先生で2Gの洗礼受けたよ。そういえばこんなんだったって思い出させてくれたよ」

 

ワイルズであり得ん強くてびっくりしたクック先生だけど2Gのクック先生も強かった。やっぱ基本が大事なんすよね先生!

 

「あぁ、もうこんな時間か。それじゃ私トレーニングに行くね。また暇になったらモンハンやりに来るよん」

 

「あいよー」

 

やっぱモンハンはどの作品やっても基本面白い。いつかは鬼畜と言われたドスとか初代をやってみたいものだ。でもPS2持ってないからなぁ…どっか適当な所で買ってくるかな。…そういえば、今の時間は?

 

三時ダヨー

 

「………」

 

三時一分ダヨー

 

プルルルルルルルル ガチャリ

 

『はい、駿川です。どうかなさいましたかトレーナーさん』

 

「すんませんたづなさん。明日までに出さないといけない書類とかってありますかね」

 

『特には無かったはずですが…ああそうでした、新人トレーナー研修のレポートがありましたね。そちらが今日中でして、トレーナーさんの分だけ提出が確認できていないんですよ』

 

「じゃあこれだけ言いますね…無理☆」

 

ガチャリ

 

さて、たづなさんが来るまでにレポートが仕上がるかどうか。研修の内容はほとんど忘れたしなんならあった事すら忘れてた。さてどういった感じで書きだすか。んん~~新人トレーナー研修で学んだこと…これでタイトルはいいな

 

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!

 

やっぱ足速いなあの人。理事長室からここまで随分と距離があったはずだが…ドアを椅子かなんかで固めて籠城という名の時間稼ぎだ。さて、そうと決まったら設営開始だ。まずはパイプ椅子をドアノブに引っ掛けてっと。

 

バギャン グシャリ

 

「捕まえましたよ、トレーナーさん」

 

すごいなぁ、さいきんのどあっててがはえるんだー

 

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