虹色の始まり   作:MLBU

10 / 33
10話 Poppin(ポッピン)'Up(アップ)!

 

 

 

 

かすみ「やっほー!皆のアイドル・かすみんだよ〜!かすみんは〜虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の部長になったんだけど〜そんな代役が務まるかとっても不安だ〜!でも〜応援してくれる皆の目に、日本一可愛いスクールアイドルに目指して、頑張るよ!」

 

 

その光景を侑はかすみのスマホで撮っていた。

そして─────それぞれの感想。

 

 

歩夢「…は?」

 

英二・一也「…はぁ?」

 

 

歩夢の低音で言う間抜けな声、英二と一也は更に低音で言う間抜けな声。

だが、そんな三人の反応と対象的に侑は目をキラキラさせていた。

 

 

侑「わあぁぁぁ!!!スクールアイドルの自己紹介生で初めて見たー!!!凄い!可愛い!ときめいたよかすみちゃん!」

 

歩夢「え?!」

 

英二・一也(は?あれでときめくの?え?何々?俺等だけなの異常なのは?)

 

かすみ「えへへ!流石侑先輩〜分かってますね〜!これを動画サイトに投稿して、部員募集をします!次は歩夢先輩ですよ!今みたいな感じでお願いしますね〜!」

 

 

かすみは次にスマホのカメラを歩夢に向ける。

それを聞いた歩夢は「えー?!」と叫んだ。

 

 

歩夢「無理無理無理だよ!恥ずかしいよ!」

 

かすみ「何が恥ずかしいんですか?!自己紹介はスクールアイドルの第一歩ですよ!」

 

歩夢「目が怖いよかすみちゃん………」

 

 

かすみが睨むように歩夢を見て、それを歩夢は少し怖気ついた。

 

 

かすみ「大丈夫です!かすみん程じゃないですけど、歩夢先輩も十分可愛いですから〜!」

 

一也「お〜い、そんなの聞いたら君、色んな女の子に敵を回すことになるけど大丈夫〜?」

 

 

かすみの言葉に英二と一也は思わず心配をしてしまった。

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

歩夢「あ………えっと………虹ヶ咲学園……普通科2年の……上原歩夢です…………あ、あの私…………す、すく─────」

 

かすみ「声が小さいですよ!」

 

歩夢「ご、ごめん…私、スクールアイドルをやりたくて!」

 

かすみ「大きすぎです!ちゃんとファンの皆を思い浮かべて」

 

歩夢「ファン…ゔう……」

 

かすみ「不合格ですね」

 

侑「あちゃ〜……」

 

 

今、歩夢は部員募集の動画撮影をしていた。

それはそう、かすみの動画撮影にはスパルタであった。

彼女は自信の可愛さというものにプライドを持っている為、控えめな歩夢に対しても厳しく言っていた。

 

 

英二「なぁ?初めてだから、優しくしろよ」

 

一也「そんなんだったら、余計にできないだろうが」

 

かすみ「うっ………」

 

 

英二と一也の厳しい言葉に、かすみは思わず黙ってしまった。

─────そして、()()()()()を思いついた。

 

 

かすみ「仕方ありませんね……」

 

歩夢「ん?」

 

かすみ「それでは、両手を頭の上に」

 

 

かすみは兎の耳のようなポーズをしながら言う。

 

 

歩夢「こう…?」

 

 

歩夢もそれを真似にした。

 

 

かすみ「語尾に『ぴょん』をつけてみましょう!」

 

歩夢「ぴょん?!」

 

かすみ「ぴょん!」

 

侑「うさぴょん!」

 

歩夢「えぇぇぇぇぇぇ?!!」

 

 

歩夢は勿論、それを聞いて顔面紅潮になった。

英二と一也は、そんなかすみに手を自身の額に置いた。

 

 

かすみ「さぁ!」

 

歩夢「…………!」

 

 

歩夢は顔面紅潮になりながら、冷や汗をかいていた。

そして、助けを求めるように侑、英二と一也に視線を向ける。

 

 

侑「…………♪」

 

 

侑はワクワクした目で此方を見るだけであった。

もう誰にも助けてくれないと思ったが─────

 

 

英二「強制は良くないんじゃねぇのか?」

 

 

英二は歩夢の助け舟を出した。

それに続い一也も言う。

 

 

一也「ああ─────そんなことしたら、お前が望んでいた夢が潰れる」

 

かすみ「?!……何でそんなこと言うんですか?!」

 

 

かすみは納得いかず、英二と一也に言う。

二人は心苦しかったが、敢えて厳しい言葉を言う。

 

 

英二「個性というものは大事だ─────だけどな、それを押し付けたらメンバー仲が悪くなり、何時(いつ)かは解散してしまう」

 

一也「ああ。押し付け合い、喧嘩をしてしまい、最終的にはすれ違ってバラバラになる─────だから、スクールアイドル同好会は廃部になったんじゃないのか?」

 

かすみ「…………!」

 

 

かすみは心当たりがあった。

優木せつ菜という少女も、個性をかすみ達に押し付け合い、最終的にはかすみは我慢できず、彼女と喧嘩をしてしまったのだ。

そして、今自身のやってることも彼女と変わりない。

 

 

英二「少しは周りのことを考えろ─────お前も仲間のことを大切に思ってる筈だ」

 

 

厳しい言葉だが、何処か温まりもあった。

それを、かすみは顔を俯いた。

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

─────翌日。

歩夢はマンションの庭にまでやってき、周りをキョロキョロとしていた。

周りに人がいない─────そう分かった時、歩夢は窓の方に振り返った。

 

 

歩夢「新人スクールアイドルの歩夢だぴょん!臆病だから、寂しいと泣いちゃう〜ぴょん!暖かく─────」

 

少女「…………」

 

 

そこでタイミングが悪く、通りかかった一人の少女が歩夢の行動に目撃をしていた。

気付かれたと分かった歩夢は、数秒ぐらい冷や汗をかき、その直後に顔面紅潮になって、あたふたとしていた。

 

 

歩夢「こ、これはその・・・練習してて・・・す、す、す─────」

 

少女「スクールアイドル?」

 

 

歩夢はそれを顔面紅潮のまま、うんうんと全力で頷いた。

 

 

少女「ふふ、そういうこと。ごめんなさいね。とっておきの可愛いところを見ちゃって。でも─────」

 

 

その少女は歩夢に言う。

 

 

少女「─────それがあなたの言葉?」

 

歩夢「え?」

 

少女「もっと伝える相手のことを意識した方がいいわよ?」

 

英二「全くその通りだ」

 

 

そこで英二も通りかかっていた。

英二は歩夢に言う。

 

 

英二「歩夢は()()のままでいい。昨日のあいつの教えを分からんでいい。あいつがやってることはただ単に、自分の価値観を押し付けただけだ。歩夢は()()の思ってることを伝えろ」

 

歩夢「英二君…」

 

英二「ところで─────アンタ誰?」

 

少女「ま、そうなるよね……」

 

 

英二は見知らぬ少女に思わず聞くが、その少女は気にしていない様子だった。

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

かすみ「昨日─────英二先輩の言う通りですね」

 

 

かすみは夕方に侑と一也に会い、昨日のことで侑に話していた。

 

 

かすみ「英二先輩の言う通り─────私達スクールアイドル同好会は、それぞれの個性の所為でバラバラになったんです。それで同好会は廃部に………個性は悪いことではないんですけど、人にそれを押し付けるのが嫌だったんですよ。それを……昨日、英二先輩に言われて思い出して─────結局、私も歩夢先輩に同じことをして、人の事言えないですよね………」

 

 

それを聞いた侑は「う〜ん」と考えた後に言う。

 

 

侑「つまり、それぞれやりたいことがあったってことでしょう?それで喧嘩しちゃうのは仕方ないと思うんだけどなぁ」

 

一也「まぁな」

 

かすみ「仕方ないじゃ困るんです!このままじゃまた同好会が上手くいかなくなっちゃいます!」

 

 

かすみは、またそれぞれの個性の原因で同好会が廃部になるのを恐れているんだろう。

それを聞いた侑は、笑顔で彼女の表情に言う。

 

 

侑「いひひ!悩んでいるかすみんも、可愛いよ!」

 

かすみ「?!…………う〜!先輩!こんな時に誂わないでください!」

 

侑「誂ってないよ〜!」

 

歩夢「遅れてごめんなさ〜い!」

 

 

そこで三人の元に英二と歩夢は走って来ていた。

 

 

侑「歩夢!」

 

一也「英二!」

 

歩夢「あの─────自己紹介なんだけど。今、撮ってもらってもいい?」

 

かすみ「?」

 

 

かすみは一度侑の方にチラ見するが、彼女は笑って返す。

取り敢えずかすみはスマホカメラを歩夢に映した。

 

 

歩夢「虹ヶ咲学園普通科に二年・上原歩夢です。自分の好きなこと、やりたいことを表現にしたくて、スクールアイドル同好会に入りました。まだまだできないこともあるけど、一歩一歩、頑張る私を見守ってくれたら嬉しいです!宜しくね!」

 

 

四人「─────」

 

 

歩夢は最後に両手を頭につけて、兎の耳ポーズをした。

それを見た四人は喋らず、黙ったままだった。

 

 

歩夢「どうかな?」

 

侑「わぁ!すっごい可愛い!ときめいちゃった!」

 

 

侑は思わず、歩夢を抱きしめてしまった。

 

 

かすみ「ごほん!かすみんが考えてたのとはちょっと違いますけど、可愛いから合格です!」

 

歩夢「本当?!ふふ、良かった〜!」

 

 

喜ぶ歩夢とは対照的にかすみは下を向く。

そんなかすみに侑が呟く。

 

 

侑「─────多分、やりたいことが違っても大丈夫だよ」

 

かすみ「ふえ?」 

 

侑「上手く言えないけどさ─────自分なりの1番をそれぞれ叶えるやり方って、きっとあると思うんだよね」

 

かすみ「そうでしょうか……」

 

侑「探してみようよ!」

 

かすみ「…………」

 

侑「それに、その方が楽しくない?」

 

歩夢「うん!」

 

英二「だな」

 

一也「ああ」

 

 

侑の言葉に、歩夢、英二と一也も同調した。

そして、かすみは今までの悩みを晴らすように笑顔で言う。

すると、かすみが「では先輩方─────見ていて下さぁい!」と言いながら、かすみは壁をよじ登り、英二達に見下ろす。

 

 

かすみ「でも歩夢先輩!世界で一番可愛いのは、このかすみんですからねぇ~」

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

〜Poppin' Up!〜

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

かすみは歌った。

地球の果ての果てまで届くような声でオンリーワンのキラメキを信じて─────

 

 

かすみ「ハァ…ハァ…どうでしたか?」

 

侑「わぁぁぁぁぁ!!かわいい!!かわいすぎるよかすみちゃん!!」

 

 

かすみの元へ駆け寄り抱きつく侑。

 

 

かすみ「侑先輩、苦しいです〜」

 

侑「だってすごくいいライブだったんだもん!完全にときめいちゃったよー!」ナデナデ

 

かすみ「えへへへ♪」

 

 

そして、かすみの歌に呼応するように、ボトルが浄化された。

 

 

英二(やっぱり…スクールアイドルって凄いんだな…)

 

 

─────スクールアイドル。

それは─────高校生の少女達が夢を叶う物語であった。

 

 

 

 

 





今回でアニガサキ2話が終わります!
次回からついに…あの生徒会長の正体!(いや言わなくても分かってる)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。