菜々「─────本日は以上になります」
生徒会員「お疲れ様でした」
生徒会室で話し合いが終わり、解散をしようとしたところ、放送のチャイムが鳴り響いた。
『中川菜々さん、優木せつ菜さん、屋上まで来てください』
放送の内容に菜々は目を見開いて、驚いていた。
生徒会員「会長、呼ばれてますよ?」
菜々「─────ちょっと行ってきますね」
菜々は屋上へ出た。
そこには侑がいた。
菜々「高咲侑さん……?」
侑「こんにちは─────せつ菜ちゃん」
菜々「?!」
菜々─────否。
せつ菜は驚いていたが、それは一瞬であり、直ぐに冷静になった。
せつ菜「─────エマさん達に聞いていたんですね?」
侑「そうなんだけど………えへ、音楽室で話していた時に、そうじゃないかなって」
─────そこから遠くに英二と一也、歩夢達六人がいた。
せつ菜はそんな彼らに気づくことなく、会話を続ける。
せつ菜「それで─────どういうつもりですか?」
侑「ごめんなさい!」
すると突然、侑は頭を下げて謝罪をした。
思わずせつ菜はそれを後退り、困惑をした。
せつ菜「なっ………?!何ですか、いきなり?!」
侑「昨日、『何でスクールアイドルを辞めちゃったのかな』とか、言っちゃったから……無神経過ぎたかなって……」
せつ菜「はぁ……」
侑が謝罪をする理由にせつ菜は溜息を吐いた。
彼女は言う。
せつ菜「気にしてませんよ………正体を隠していた私が悪いんですから」
話しが終わったと思ったせつ菜は屋上を後にしようと思ったが、侑は「まだあるの!」と彼女を呼び止めた。
せつ菜は足を止めて、彼女に向き直る。
せつ菜「─────何ですか?」
侑「私は─────幻滅なんてしてないよ?」
せつ菜「…………!」
侑の言葉に驚くせつ菜。
彼女の顔は微笑んでいた。
侑「─────スクールアイドルとして、せつ菜ちゃんに同好会へ戻って欲しいんだ!」
せつ菜「っ?!」
思いがけない侑の言葉に、驚くせつ菜。
だが、拳を握り締めて叫んだ。
せつ菜「何を………もう全部分かっているんでしょう?!!私が同好会にいたら、皆の為にならないんです!!!私がいたら─────ラブライブに出られないんですよ?!!」
侑「だったら─────だったらラブライブなんて出なくて良い!!!」
それを聞いたせつ菜は、とてつもなく困惑をした。
ラブライブとは、スクールアイドルの少女達にとって、大きな夢の一つとなる大会だ。
なのに─────それを出なくていいと彼女は言った。
侑「あ、いや、ラブライブがどうだからとかじゃなくて………」
自身が言った言葉に必死に慌てて、誤解しないように言い直そうとするが、一回深呼吸をして言い直した。
侑「私は─────せつ菜ちゃんが幸せになれないのは嫌なだけ。ラブライブみたいな最高の
侑は、せつ菜の目の前まで歩く。
そして、言い続けた。
侑「スクールアイドルがいて、ファンがいる─────それでいいんじゃない?」
せつ菜「………どうして……こんな私に……」
せつ菜は疑問だった。
自分の為にここまで優しくしてくれる侑に。
ここまで夢を応援してくれる侑に。
彼女はその疑問を笑顔で答えた。
侑「言ったでしょ─────
せつ菜は目を丸くし、潤んでいた。
そして、頬を赤らめて俯く。
せつ菜「あなたみたいな人………初めてです………期待されるの、嫌いじゃありません─────ですが、本当にいいんですか?私の本当の我儘を………《大好き》を貫いても、いいんですか?」
侑は再び笑顔で答えた。
侑「─────勿論!」
せつ菜は目を見開いた。
彼女の心に、抱えていたものが溶かされた。
侑という自分のファンに、温かく溶かされた。
せつ菜「分かっているのですか?」
侑「?」
せつ菜は眼鏡を外し、編んでいた髪も外す。
そして、片方に結んだ。
せつ菜「あなたは今、自分が思っている以上に─────凄いことを言っているんですからね!」
その光景に、侑は見惚れた。
そして、見惚れてる彼女に拳を突き出すせつ菜。
せつ菜「どうなっても知りませんよ!」
先程まで低温だった声が高くなった。
それが─────優木せつ菜という彼女の声だった。
せつ菜「これは─────始まりの歌です!」
〜DIVE!〜
せつ菜「ハァ…ハァ…虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会─────優木せつ菜でした!!!」
─────彼女は歌い終わった後、地上にいる生徒達にそう言った。
そんな彼女に、歓声をあげる少女達。
一也「一件落着だな……」
英二「ああ……」
─────虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会。
今ここに再スタートをしたのであった。
???「…………」
第1章 同好会廃部編 終
これにて、第1章が終わります!
次回から新章・同好会再開編が始まります!
それでは、また新章で!