虹色の始まり   作:MLBU

25 / 33
10話 La() Bella(ベラ) Patria(パトリア)

 

 

 

 

彼方「─────うんうん!花とエマちゃん、合ってるね〜!」

 

 

─────翌日。

侑と彼方、璃奈はエマのPVの撮影をしていた。

エマは頭の上に、花冠を乗せていた。

 

 

せつ菜「あれ?制服のままでいいんですか?」

 

 

そこで英二と一也、歩夢とせつ菜がやってき、エマの恰好に気になっていた。

 

 

侑「まずは制服で─────その後には色んな衣装替えをするつもり!」

 

歩夢「色んな?」

 

侑「結局一つに絞れなくて………だったら全部着ちゃおってことで」

 

英二「成程」

 

 

ソロアイドルではそれぞれのイメージを衣装で着て、撮影をするらしい。

それを全員は納得し、今は制服でいるが、その後は沢山の衣装を色々と着せ替えをする。

 

 

エマ「じゃ、着替えてくるね」

 

一也「了解」

 

 

エマはそう言って、更衣室へと向かった。

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

エマ「…………」

 

 

エマは着替え─────てはいなかった。

更衣室ではなく、同好会の室内にいた。

制服のままで、窓の外をただただ眺めているだけだった。

窓の外に映る空は青空であった。

 

 

英二「─────どうしたんだ?」

 

 

エマは振り返る。

そこには、英二と一也の姿があった。

 

 

エマ「ううん、何でもないよ」

 

一也「じゃあ何でそんな難しい顔をしているんだ、エマ先輩?」

 

 

エマはそこで黙ってしまった。

それを見た英二は言う。

 

 

英二「エマ先輩─────言いたいことがあるなら言ってくれよ」

 

エマ「!!!」

 

 

英二の言葉にエマは顔を上げた。

 

 

英二「アンタ、もしかしてだけど、誘いたい人がいるんだよな?」

 

 

その時突然、開いた窓から風が吹いた。

その風で、エマの鞄から何かが落ちた。

エマはそれを拾う。

紙は果林が書いたアンケート用紙であった。

 

 

エマ「…………!!!果林ちゃん……」

 

 

エマは部室を飛び出す。

それを英二と一也は目を丸くする。

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

─────あれからエマは、自身と共に住んでいる虹ヶ咲学園寮である、果林の部屋に行った。

そして、彼女を半ば強引に誘い、お台場の色んな観光地へと回っていた。

果林は最初戸惑っていたが、次第に心から笑顔になり始めていた。

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

─────日本科学未来館。

 

 

果林「こんなに遊んだの、久しぶり!」

 

エマ「─────果林ちゃん」

 

 

エマは鞄から何かを取り出した。

それは、何れ果林が書いていたアンケート用紙。

果林はそれを返して貰いながら、戸惑っていた。

 

 

エマ「これ、果林ちゃんのでしょ?貰った雑誌に挟まってたの─────それって、本当の気持ち?」

 

果林「そ─────」

 

エマ「─────一番興味あるのはスクールアイドルって」

 

 

果林は何か言いかけようとしたが、エマは真剣な表情でそれを遮った。

何時(いつ)も温かく優しい笑顔の彼女が、ここまで真剣な表情に果林は顔を俯いて更に戸惑い、持っていたアンケート用紙を握る。

 

 

果林「それは……」

 

エマ「どうして言ってくれなかったの?!私には興味のないフリをして………ずっと………自分の心を仕舞い込んで………」

 

 

エマは、悲しい表情をする。

そして、彼女は持っていた鞄を地面に置く。

 

 

エマ「前に言ったの─────覚えてる?」

 

果林「?」

 

エマ「私。見てくれた人の心をポカポカにするアイドルになりたいって─────でも、私は一番近くにいる果林ちゃんの心も温めてあげられなかった……そんな私が、誰かの心を変えるなんて、無理なのかもしれないけど……」

 

果林「…………」

 

 

エマの想い。

エマは心の底から思っていたことを、果林に話した。

そんな想いを伝えてくれた彼女に、果林も心の底で隠されていた想いを話し始めた。

 

 

果林「エマの為に、同好会の事を手伝うようになって─────そしたら、楽しかった」

 

エマ「!!!」

 

果林「皆で一つのことに向かって、悩んだり、言い合いしたり、笑ったり─────くだらないと思ってずっと遠ざけていた事が、全部楽しかった。でも私は─────朝香果林はそんなキャラじゃない」

 

エマ「…………」

 

果林「クールで格好つけて、大人振って……それが私なの。なのに今更─────分かったでしょ?悪かったのは私。エマのせいじゃない。エマならきっと皆の心を─────」

 

 

最後まで言い切ろうとした時─────エマが果林を後ろから抱きしめる。

 

 

エマ「良いんだよ─────果林ちゃん」

 

 

後ろから抱きしめ、優しく声をかけるエマ。

まるで心優しき母親が、泣いてる子供を励ますかのように。

そう優しく、彼女は話し始めた。

 

 

エマ「どんな果林ちゃんでも、笑顔でいられれば、それが一番だよ─────だから、きっと大丈夫」

 

 

するとエマは果林の身体から離れ、少しの距離で、笑顔で彼女に言った。

 

 

エマ「もっと果林ちゃんの気持ち、聞かせて─────私に!」

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

〜La Bella Patria〜

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

英二・一也「─────」

 

 

─────後から追いかけていた英二と一也は、そんな彼女達を見ていた。

二人の顔は、微笑んでいた。

 

 

英二「…………?!!」

 

 

その時、英二は何かを感じた。

後ろに振り向くが、そこには誰もいない。

 

 

一也「どうした?」

 

英二「いや………」

 

 

今の気の所為か?

何だったんだ………今のは………

 

 

 

 





次回のオリジナル回で第2章終わります。
その後、第3章・天王寺璃奈の想い編へといきます!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。