彼方「─────うんうん!花とエマちゃん、合ってるね〜!」
─────翌日。
侑と彼方、璃奈はエマのPVの撮影をしていた。
エマは頭の上に、花冠を乗せていた。
せつ菜「あれ?制服のままでいいんですか?」
そこで英二と一也、歩夢とせつ菜がやってき、エマの恰好に気になっていた。
侑「まずは制服で─────その後には色んな衣装替えをするつもり!」
歩夢「色んな?」
侑「結局一つに絞れなくて………だったら全部着ちゃおってことで」
英二「成程」
ソロアイドルではそれぞれのイメージを衣装で着て、撮影をするらしい。
それを全員は納得し、今は制服でいるが、その後は沢山の衣装を色々と着せ替えをする。
エマ「じゃ、着替えてくるね」
一也「了解」
エマはそう言って、更衣室へと向かった。
エマ「…………」
エマは着替え─────てはいなかった。
更衣室ではなく、同好会の室内にいた。
制服のままで、窓の外をただただ眺めているだけだった。
窓の外に映る空は青空であった。
英二「─────どうしたんだ?」
エマは振り返る。
そこには、英二と一也の姿があった。
エマ「ううん、何でもないよ」
一也「じゃあ何でそんな難しい顔をしているんだ、エマ先輩?」
エマはそこで黙ってしまった。
それを見た英二は言う。
英二「エマ先輩─────言いたいことがあるなら言ってくれよ」
エマ「!!!」
英二の言葉にエマは顔を上げた。
英二「アンタ、もしかしてだけど、誘いたい人がいるんだよな?」
その時突然、開いた窓から風が吹いた。
その風で、エマの鞄から何かが落ちた。
エマはそれを拾う。
紙は果林が書いたアンケート用紙であった。
エマ「…………!!!果林ちゃん……」
エマは部室を飛び出す。
それを英二と一也は目を丸くする。
─────あれからエマは、自身と共に住んでいる虹ヶ咲学園寮である、果林の部屋に行った。
そして、彼女を半ば強引に誘い、お台場の色んな観光地へと回っていた。
果林は最初戸惑っていたが、次第に心から笑顔になり始めていた。
─────日本科学未来館。
果林「こんなに遊んだの、久しぶり!」
エマ「─────果林ちゃん」
エマは鞄から何かを取り出した。
それは、何れ果林が書いていたアンケート用紙。
果林はそれを返して貰いながら、戸惑っていた。
エマ「これ、果林ちゃんのでしょ?貰った雑誌に挟まってたの─────それって、本当の気持ち?」
果林「そ─────」
エマ「─────一番興味あるのはスクールアイドルって」
果林は何か言いかけようとしたが、エマは真剣な表情でそれを遮った。
果林「それは……」
エマ「どうして言ってくれなかったの?!私には興味のないフリをして………ずっと………自分の心を仕舞い込んで………」
エマは、悲しい表情をする。
そして、彼女は持っていた鞄を地面に置く。
エマ「前に言ったの─────覚えてる?」
果林「?」
エマ「私。見てくれた人の心をポカポカにするアイドルになりたいって─────でも、私は一番近くにいる果林ちゃんの心も温めてあげられなかった……そんな私が、誰かの心を変えるなんて、無理なのかもしれないけど……」
果林「…………」
エマの想い。
エマは心の底から思っていたことを、果林に話した。
そんな想いを伝えてくれた彼女に、果林も心の底で隠されていた想いを話し始めた。
果林「エマの為に、同好会の事を手伝うようになって─────そしたら、楽しかった」
エマ「!!!」
果林「皆で一つのことに向かって、悩んだり、言い合いしたり、笑ったり─────くだらないと思ってずっと遠ざけていた事が、全部楽しかった。でも私は─────朝香果林はそんなキャラじゃない」
エマ「…………」
果林「クールで格好つけて、大人振って……それが私なの。なのに今更─────分かったでしょ?悪かったのは私。エマのせいじゃない。エマならきっと皆の心を─────」
最後まで言い切ろうとした時─────エマが果林を後ろから抱きしめる。
エマ「良いんだよ─────果林ちゃん」
後ろから抱きしめ、優しく声をかけるエマ。
まるで心優しき母親が、泣いてる子供を励ますかのように。
そう優しく、彼女は話し始めた。
エマ「どんな果林ちゃんでも、笑顔でいられれば、それが一番だよ─────だから、きっと大丈夫」
するとエマは果林の身体から離れ、少しの距離で、笑顔で彼女に言った。
エマ「もっと果林ちゃんの気持ち、聞かせて─────私に!」
〜La Bella Patria〜
英二・一也「─────」
─────後から追いかけていた英二と一也は、そんな彼女達を見ていた。
二人の顔は、微笑んでいた。
英二「…………?!!」
その時、英二は何かを感じた。
後ろに振り向くが、そこには誰もいない。
一也「どうした?」
英二「いや………」
今の気の所為か?
何だったんだ………今のは………
次回のオリジナル回で第2章終わります。
その後、第3章・天王寺璃奈の想い編へといきます!