虹色の始まり   作:MLBU

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第3章 天王寺璃奈の想い編
1話 笑顔のカタチ(⸝⸝>▿<⸝⸝)


 

 

 

 

─────時は遡り、四月。

その日は何時も通り、授業が終わり放課後を迎えて、帰りの支度をしていた天王寺璃奈。

ふと、教室の片隅から聞こえるクラスメイトの話が気になり、話をしている方へ聞き耳を立てた。

 

 

少女「ねぇねぇ!帰り、どっか寄って行かない?」

 

少女「あ!じゃあ私、ゲーセン行きたい!」

 

少女「え?ゲーセン?」

 

少女「欲しいぬいぐるみがあるんだよー!」

 

少女「良いよ、行こ?」

 

少女「わーい!やったー!」

 

 

と仲良さげな会話をしていて、璃奈の心は何処かで羨ましいと感じていた。

 

 

璃奈「ゲーセン………」

 

 

璃奈は虹ヶ咲中等部の頃も、誰かと親しく話せるような友達はいなかった。

それは、高校生になった今でも変わらなかった。

璃奈は─────孤独が特別好きというわけではない。

寧ろ彼女もあのクラスの人みたいに楽しく話したい。

誰かと繋がりたいと思っている。

だが─────その楽しいと言う表情ですら、顔に出ないだからいつも気味悪がられてしまう。

友達を作りたいと思っていても結局諦めるの繰り返しだった。

それでも変わりたい─────

璃奈は意を決して鞄を持ち、立ち上がりクラスメイトに話しかけた。

 

 

璃奈「あ……あの!」

 

少女「ん?」

 

璃奈(喋らなきゃ………!)

 

 

『喋らないと』と思って、懐にある割引券を取り出そうとした。

だが─────結局、変われなかった。

 

 

璃奈「─────何でもない………」

 

 

そう言い、璃奈は逃げるように教室を出る。

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

校舎の外に出た璃奈は、隣の窓ガラスに写る自分の姿を眺めた。

何度見ても璃奈の表情は、無表情のままだった。

想いを伝えることは難しい。

彼女の場合は特にそう。

璃奈は口が写っている所を笑っているように指で描く。

そこだけ見ると、笑っているように見える。

だが、そんなことをしても意味はない。

友達になりたい─────そんな一言を言うのにも、ハードルがある。

璃奈はさっき出そうとした割引券を見つめる。

結局、自身にとって必要のないただの紙だった。

 

 

璃奈(これからも私はずっと一人なんだろう………)

 

 

そう思っていたその時、ある声が聞こえた。

 

 

愛「ど~したの?」

 

 

突然声をかけられて璃奈は、驚愕をした。

声をかけられた方へ目線を上げると、そこには派手な感じの少女がいた。

すると、璃奈は彼女の胸元に付けているリボンの色が赤色だと気づく。

 

 

璃奈(……上級生だ………怖い……)

 

 

第一印象はそうだった。

如何にもギャルという格好の少女。

しかも年上である。

無表情ながらも内心で怯えていると─────

 

 

愛「怖くないよ!」

 

 

その少女は何故か、璃奈の心の中を読めた。

それを彼女は驚愕し、思わず固まってしまった。

 

 

愛「何か君、元気無さそうだったからさ!」

 

璃奈「……え?」

 

愛「あっ!それジョイポリの割引券じゃん!ここって楽しいよね!」

 

 

するとその瞬間、璃奈は両手で割引券を愛に差し出した。

 

 

璃奈「……お友達と行ってください……」

 

 

喝上げされると思ったのか、璃奈は内心怯えながら渡した。

だがしかし、彼女に良い意味で予想を裏切られた。

 

 

愛「じゃあ、一緒に行こっか!」

 

璃奈「え?」

 

 

─────初めて。

人と繋がることができた。

これが、璃奈と愛の出会いだった。

そして─────その出会いが、彼女の人生が大激変した。

それも─────良い意味でだった。

 

 

 

 





今回からアニガサキ6話…そして新章・天王寺璃奈の想い編がスタートします!

ここで作者からの予告をします。
このアニガサキ6話が終わった後、作風が路線変更します。
前回のシリアスな回だったのと早くアニガサキ6話までいきたかったのは、その理由となります。
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