1話 笑顔のカタチ(⸝⸝>▿<⸝⸝)
─────時は遡り、四月。
その日は何時も通り、授業が終わり放課後を迎えて、帰りの支度をしていた天王寺璃奈。
ふと、教室の片隅から聞こえるクラスメイトの話が気になり、話をしている方へ聞き耳を立てた。
少女「ねぇねぇ!帰り、どっか寄って行かない?」
少女「あ!じゃあ私、ゲーセン行きたい!」
少女「え?ゲーセン?」
少女「欲しいぬいぐるみがあるんだよー!」
少女「良いよ、行こ?」
少女「わーい!やったー!」
と仲良さげな会話をしていて、璃奈の心は何処かで羨ましいと感じていた。
璃奈「ゲーセン………」
璃奈は虹ヶ咲中等部の頃も、誰かと親しく話せるような友達はいなかった。
それは、高校生になった今でも変わらなかった。
璃奈は─────孤独が特別好きというわけではない。
寧ろ彼女もあのクラスの人みたいに楽しく話したい。
誰かと繋がりたいと思っている。
だが─────その楽しいと言う表情ですら、顔に出ないだからいつも気味悪がられてしまう。
友達を作りたいと思っていても結局諦めるの繰り返しだった。
それでも変わりたい─────
璃奈は意を決して鞄を持ち、立ち上がりクラスメイトに話しかけた。
璃奈「あ……あの!」
少女「ん?」
璃奈(喋らなきゃ………!)
『喋らないと』と思って、懐にある割引券を取り出そうとした。
だが─────結局、変われなかった。
璃奈「─────何でもない………」
そう言い、璃奈は逃げるように教室を出る。
校舎の外に出た璃奈は、隣の窓ガラスに写る自分の姿を眺めた。
何度見ても璃奈の表情は、無表情のままだった。
想いを伝えることは難しい。
彼女の場合は特にそう。
璃奈は口が写っている所を笑っているように指で描く。
そこだけ見ると、笑っているように見える。
だが、そんなことをしても意味はない。
友達になりたい─────そんな一言を言うのにも、ハードルがある。
璃奈はさっき出そうとした割引券を見つめる。
結局、自身にとって必要のないただの紙だった。
璃奈(これからも私はずっと一人なんだろう………)
そう思っていたその時、ある声が聞こえた。
愛「ど~したの?」
突然声をかけられて璃奈は、驚愕をした。
声をかけられた方へ目線を上げると、そこには派手な感じの少女がいた。
すると、璃奈は彼女の胸元に付けているリボンの色が赤色だと気づく。
璃奈(……上級生だ………怖い……)
第一印象はそうだった。
如何にもギャルという格好の少女。
しかも年上である。
無表情ながらも内心で怯えていると─────
愛「怖くないよ!」
その少女は何故か、璃奈の心の中を読めた。
それを彼女は驚愕し、思わず固まってしまった。
愛「何か君、元気無さそうだったからさ!」
璃奈「……え?」
愛「あっ!それジョイポリの割引券じゃん!ここって楽しいよね!」
するとその瞬間、璃奈は両手で割引券を愛に差し出した。
璃奈「……お友達と行ってください……」
喝上げされると思ったのか、璃奈は内心怯えながら渡した。
だがしかし、彼女に良い意味で予想を裏切られた。
愛「じゃあ、一緒に行こっか!」
璃奈「え?」
─────初めて。
人と繋がることができた。
これが、璃奈と愛の出会いだった。
そして─────その出会いが、彼女の人生が大激変した。
それも─────良い意味でだった。
今回からアニガサキ6話…そして新章・天王寺璃奈の想い編がスタートします!
ここで作者からの予告をします。
このアニガサキ6話が終わった後、作風が路線変更します。
前回のシリアスな回だったのと早くアニガサキ6話までいきたかったのは、その理由となります。