虹色の始まり   作:MLBU

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5話 Dream(ドリーム) with(ウィズ) you(ユー)

 

 

 

 

菜々「彼女はもう─────此処には来ませんよ?」

 

歩夢・侑「え?」

 

英二・一也「は?」

 

 

衝撃の事実に四人は声を漏らした。

 

 

菜々「スクールアイドルを─────辞めたそうです」

 

侑「─────え?」

 

 

侑は数秒遅れて、声を漏らす。

彼女の顔は意味が分からない、と言わんばかりの顔になっていた。

 

 

菜々「彼女だけではありません。このスクールアイドル同好会は─────只今(ただいま)をもって、廃部になりました」

 

 

菜々はそう言いながら、《スクールアイドル同好会》という扉に貼られた小さな看板を、片手で取った。

 

 

歩夢・侑「え?!!」

 

英二・一也「はぁ?!!」

 

菜々「─────失礼します」

 

 

菜々はそう言って、その場を去る。

侑は彼女の背中を見ながら、「そんな…」と小さく呟いていた。

そんな彼女に歩夢は何かを考え、心の中で()()()()()に決意をした。

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

─────逢魔ヶ時(おうまがどき)

四人は下校の帰りにベンチを座り、歩夢と侑はコッペパンを食べ、英二と一也は最近流行りの少年漫画を読んでいた。

 

 

英二「おい!ここ、凄くいいぞ!」

 

一也「熱くなってきたな、この斬り合い(チャンバラ)!」

 

侑「美味しいね!」

 

歩夢「うん!………残念だったね」

 

 

歩夢は悲しい表情をしていた。

侑は「え?」と声を漏らした。

 

 

歩夢「せつ菜さん…」

 

 

歩夢のその名前に英二と一也は揃って、「ああ…」と返事をした。

しかし、歩夢は微笑んで言った。

 

 

歩夢「でも…学校にはいる筈だし、会おうと思えば─────!」

 

侑「─────それはいいよ。辞める理由には有っただろうし」

 

英二「まっ…そうだよな」

 

 

英二と一也はうんうんと首を縦に振って、頷いていた。

侑は顔を空に見上げながら、言い始めていた。

 

 

侑「やっぱり難しいのかな…《夢》、追いかけるのって…」

 

歩夢「…え?」

 

 

侑の言葉に歩夢は声を漏らした。

すると侑は座り直して言う。

 

 

侑「─────アイドルやるって、そういうことでしょ?」

 

一也「侑…」

 

侑「自分の夢は、まだ無いけどさ…夢を追いかけてる人を応援できたら、私も…何かが始まる…そんな気がしたけどな…」

 

 

侑の声は段々と大きくなっていたが、最後にまた小さくなっていた。

だが、彼女の宝石のような青緑色の瞳は輝いていた。

そんな侑に歩夢は見つめていた。

 

 

英二「まぁ…確かにそうだな。俺も今のところはないかな…?」

 

一也「お、やっぱり気が合うな英二。俺も無いんだよ」

 

英二「だってさ、夢とかそんなの考えたことないし…」

 

 

英二と一也は立ち上がり、歩夢と侑と共にその場を後にした。

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

それから、四人は帰路をつく。

すると、ただ一人がその場で止まった。

 

 

侑「歩夢?」

 

 

侑は歩夢が突如、足を止めたことに気付いた。

歩夢は顔を上げて、決意したかのように言う。

 

 

歩夢「四人で─────()()で始めようよ!侑ちゃん!」 

 

侑「え?」

 

一也「ん?四人?まさか…」

 

英二「俺達にも─────含まれてる?」

 

歩夢「そうだよ!」

 

 

歩夢は声を張った。

英二と一也が歩夢の顔を見て、彼女の顔つきは真面目なようだ。

二人はそれを、黙ってしまう。

 

 

歩夢「私も見てたの、動画─────スクールアイドルの」

 

 

どうやら歩夢も侑と同じで、動画を見ていたようだ。

彼女は続ける。

 

 

歩夢「せつ菜さんだけじゃなくて─────沢山。本当に、凄いと思ったよ!自分の気持ちをあんなに真っ直ぐと伝えられるなんて・・・スクールアイドルって、本当に凄い!私もあんな風にできたら、なんて素敵なんだろうって!」

 

 

歩夢が此処まで喋ると思わず、英二と一也は目を見開いた。

そこに立っているのは、自分達の知っている歩夢ではなかった。

控えめで、自分を謙虚をする幼馴染と同一人物に見えなかった。

 

 

侑「歩夢……」

 

歩夢「ごめんね、最初に言えなくて。本当は私も、せつ菜さんに会ってみたかった。けど、会っちゃったら─────自分の気持ちが止まらなくなりそうで、怖かったの」

 

 

歩夢は拳を握りながら言う。

 

 

歩夢「それでも─────動き始めたのなら、止めちゃいけない。我慢しちゃいけない」

 

 

歩夢は握っていた手を胸に手を当てながら言った。

 

 

歩夢「私─────好きなの!」

 

 

それを聞いた侑は目を見開く。

侑だけではなく、英二と一也もそうだった。

今初めて、歩夢は自身の好きなものがあると、告白をした。

歩夢は更に続けていた。

 

 

歩夢「ピンクとか、可愛い服だって─────今でも大好きだし、着てみたいと思う!」

 

 

歩夢は侑の前まで歩き、そして彼女の左手を手に取る。

 

 

歩夢「自分に素直になりたい・・・だから、見てて欲しい」

 

 

すると歩夢は持っていた鞄を地面に捨て、近くにあった階段を駆け上る。

三人は駆け上る彼女を、見上げる。

 

 

歩夢「私は─────スクールアイドル、やってみたい!」

 

侑「!!!」

 

 

三人は見る。

歩夢は深呼吸をする。

今から想いを告げようとした─────

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

階段の上で幼馴染が歌っていた。

その時の歩夢は、幼い感じのピンク色のワンピースを着ているかのように見えた。

彼女は階段の上で楽しそうに、歌って踊っていた。

私は幼馴染として、歩夢の歌とダンスを見届けていた。

ただただ、彼女の歌とダンスを見届けて─────

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

侑「─────」

 

英二・一也「…………」

 

歩夢「─────」

 

 

暫く沈黙が続いていた。

歩夢はそのまま階段を降り、捨てていた鞄を持つ。

そして、鞄から何かを取り出した。

 

 

歩夢「今はまだ─────勇気も自信も、全然だから」

 

 

沈黙の中、歩夢はようやく口火を切った。

先程歌とダンスをしていたが、彼女の顔はまだ、自分に信じられないようだった。

 

 

歩夢「これが、精一杯。私の夢を─────一緒に見てくれる?」

 

 

歩夢はそう三人に、小さな声で尋ねた。

彼女の頬は赤らめ、瞳は潤んでいた。

─────侑は彼女が持ってる物をそっと両手で掴み、手に取り、笑顔で答えた。

 

 

侑「─────勿論!何時(いつ)だって私は、歩夢の隣にいるよ!」

 

英二「それだったら…俺達もだな」

 

一也「ああ、男としてやったるぜ!」

 

 

歩夢は三人の答えに涙を浮かばせる。

その涙は─────嬉し涙であった。

そして─────涙を浮かばせながら微笑む。

 

 

歩夢「うん!」

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

そして─────

 

 

 

 

《彼ら》の物語()─────

 

 

 

 

ここからが始まったのであった─────

 

 

 

 





次回からはアニガサキ2話です!
個人的には早くアニガサキ6話まで行きたいです。
理由は後程で。
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