世界征服しようとしたらヤンデレに呼び出された~我が大正義軍は生え抜き軍に負けるのか~   作:三重知貴

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革命くらい……できらぁ!

 王座、君主制なら正当な方法ではまず手に入らないもの。革命というのは正当な方法ではない(僕はやる)。この状況なら正攻法ではあるだろうけど。

 これがゲームなら一時間もかからずに革命どころか政治的な後処理まで行ってやれるところなんだが、この世界にコマンドもスキップ機能もない。

 一秒は一秒だし、メタ装備を持たせて指示を出せば大金星を挙げてきてくれる便利なNPCもいない。

 

 なので目の前で愛しの女の子がおねだりしてきても、おいそれとはプレゼントできるものではない。

 特に王の前で、そして貴族に囲まれたこの状況でやれるわけない。

 

「ねえハラディス?」

「おい、ハラディス?」

「ユミリア?なにかあったのか……?」

 

 見ろよ、目の前で国家転覆宣言おねだりするヤンデレと、僕と、後ろに状況を理解できない両名の父親。そして周りには国中の貴族たち。

 

「(クソゲーがよ。いやもう現実なんだけどな。)」

 

 現実逃避をしたくもなるが、とりあえずこの状況はどうにか納めなけれなばならない。

 周りの貴族達は王家の事なので簡単には出しゃばることはないが、このどよめきが今後どのように作用するかもわからない。だからやるべきことは、王と父にこの状況を納得させることだ。

 両名この状況を全く理解していない。自分たちの子供同士がなにかあったのだろうとはわかってはいるだろうか。

 

「(無理矢理だけど、これしかないか。)」

 

 残念ながらゲームならリセットなんだが、現実は完走する以外に選択肢はない。無理筋を通すしかないようだ。

 最悪この国を滅ぼして別ルートに行くしかないだろうか。

 

 父のもとに駆け寄り、作った笑顔でなんとか話しかける。

 

「えっと、お父様。先ほどユミリア……様とお話させていただいて、僕がパーティーにお誘いしたんですよ。」

「え?しかしユミリア様は……」

「すこしお散歩をしているところを出会いまして。それで話が盛り上がりまして。」

「なら護衛が」

「ユミリア様もおてんばなようで。」

 

 この父親、頼むから疑問を持たないでくれ。わかるけど。

 そもそもいくら人手を他に回してるからってお姫様をほったらかしにしてるわけない。ユミリアが僕と会うためにどうにかしていたのだろう。

 

「…………失礼はなかったのだろうな?」

「はい。僕が誘ったら快く来てくださいまして、とても嬉しいです。」

 

 全然誘ってない。なんなら関係があることもバレたくなかった。しばらくは密会しかしないよていだったし。

 

「わかった。」

「え?」

 

 父はそれだけ言うと、王のところへ向かい、何か耳打ちしている。

 王は少し悩んだような顔を見せると立ち上がってみんなの注目を集めると大きな声を出す。

 

「我が娘が騒がせた。まだこうした場には慣れぬ子だ。すぐに戻そう。気にせずパーティーを楽しみたまえ。」

 

 流石は一国の主といったところだろうか。堂々とした振る舞いである。

 

 その後、貴族たちのざわつきが落ち着く前に、ユミリアは兵士に連れられて行った。一瞬騒ぎはしたが、僕がまた会いに行くということを伝える大人しく戻って行ってくれた。

 良かった、なんとかなったな。さて僕もパーティーの料理でも食べようかな。

 

「ハラディス。王がお呼びだ。行くぞ。」

 

 せめてケーキ食っていいですか?

 

 

 

 

 さて王との謁見についてだが、思ったよりも褒められたというか特にこれと言って問い詰められることもなかった。

 むしろ、娘がパーティーに来てくれたのは嬉しかったとのことだ。

 

 少し勘違いをしていたのだが、ユミリアは引きこもりだけど僕の知っているのとは違った。僕の知っているのは部屋から一度も出たことのない心を閉ざした少女だが、今の彼女は僕のために色々と準備をしてくれていた。

 つまり、時々は部屋から出ていたようで、護衛に一度もバレないようにはといかなかったようで、王は部屋から出ること自体は知っていたようだ。

 流石にパーティー会場に入ってきたのは驚いたようだが。

 

 そして、僕のように親しく接してくれる人は珍しいと。まぁ、子供の純真さに感謝しているような感じだった。

 結局僕の適当に言った嘘を信じてくれた。まぁ、疑ってないわけないのだろうが僕とユミリアは少々特殊な子供ではあるので、子供の純真さと、子供ながらの言い訳を飲み込んでくれた大人の対応と言ったところだろうか。いつも滅ぼしてたと思うと申し訳なくなる。

 

 「ねぇ?ハラディス?いいでしょ?ちょっと革命するだけよ。ちょっとでいいからさ?」

 

 しかしながら、王様とのお話が終わり今回は隠れもせず堂々とはなれにいるユミリアとの会話は相も変わらず物騒なものである。てか、なんだよちょっと革命って。

 

「やっぱあれは結局私たちを引き裂くんだ。私はハラディスと18回は結婚してるのよ。許嫁は私なのに……やっぱり滅ぼすしかないのかしら?」

 

 おや、本編のルートってこんな突入のしかたがあるのか、参考になるな。もう周回することもないだろうから意味もないけど。

 

「ねえハラディス?今から革命できないの?焼野原にして滅ぼすくらいなら私でもできるかもしれないけど、ハラディスは嫌なんでしょ?だから革命、だめ?」

 

 だめ?じゃないのよ。かわいいから叶えてあげたいけどさ。

 

「(実際、世界征服以外の選択肢はあるべきだよな。)」

 

 自分の目的としても、彼女の願いとしてもとりあえず目指すものはそれだ。

 さっきは勢いで決めたのもあるが、どのみちこの国はユミリアにとっては生きずらいものだし、彼女は世界を恨んでる所がある。革命というのは彼女を守るのは確定路線だ。

 

 それに先ほどは考えなかったが、このまま何もしないでいるとストーリー後の裏ボスやらイベントなど、本編だとすでにこの国がない後のイベントにも巻き込まれたりなど、力やら権力は持っておいたほうがいい。なんなら世界崩壊イベントなんてものもあった。どこまでこの世界でも起きるかはわからないところではあるが、全て起きると思ったほうがいい。

 

「とりあえず革命はするけど。流石にまだ僕たち年齢がね?」

「でも、待ってたらハラディスが結婚しちゃう……」

 

 それはまぁそうだ。8年後に革命とは言ったが、成人年齢の関係でこの世界なら11歳くらいには結婚できる。見た目的にも現実なら高校生くらいには大人だし、わりと人が死ぬこの世界なら当たり前ではあるだろう。

 なので彼女が待てないというのもわかりはする。なんなら結婚したくない。した相手が多分殺されるし。それは気分が悪い。

 

「子供の王様か……」

 

 できないわけではない。というか試したこともある。

 しかし、そうなると民衆の信頼や部下の忠誠などに影響が起きてくる。交渉も舐められて上手くいかないし、プレイスタイル的に仲間に引き込む交渉や忠誠などはできるだけ維持はしたい。

 だから大人まで待つという選択肢を取ってきた。だがこのまま放置していると、信頼や忠誠の前にユミリアが国を焼き払う危険性もある。

 ユミリアという人間は、今は落ち着いているが不安定だ。今僕との再会ということで多少のことなら動じることはないがここから数年不安を抱え続けるとどうなるかわかったものじゃない

 。

 

「革命できるか少し考えてみるよ。」

「えっと……ありがとう……わがまま言ってごめんね?」

「いいよ。君がわがまま言えるくらい元気になってくれてうれしいよ。」

 

 さて、今、革命に必要なもの。やはりネックになるのは年齢だ。これさえあれば半年もかからず革命は可能である。

 人員については多少目をつけてはいるし、引き込んでいる奴らもいる。十分ではないがいないよりはマシだ。

 作戦については、これまでの経験もあるので自信はある。しかし、これは今までの周回とこの世界が同一ならだ。どこまで同じかわからない。

 とりあえず本編に出たものは今のところ全て同じではある。勇者の存在はその代表例だ。

 

「ン?勇者か。――そういえば、勇者達の写真ってある?」

「勇者?たしか新聞は残していたはずだよ。取ってくるね。」

 

 すぐにユミリアが部屋から出ていく。

 勇者の仲間は固定で魔法使いと僧侶、戦士がいる。途中で追加メンバーイベントも発生するが、どの世界線でも確実にこの三人はパーティーに必ずいる。

 勇者の仲間は専用装備や技など成長イベントがあり、その中でも魔法使いの成長イベントは面白いものがある。

 

 魔法使いの名前はデフォルトではウィズというのだが、種族はエルフだ。お約束通りエルフは見た目と年齢が一致しないのだが、彼女の場合は100歳越えのロリだ。

 そして旅の道中、その周りより幼い見た目に対して悩む彼女が大人になるイベントがあった。本来は専用装備の杖入手イベントなのだが、大人化を解除しないという選択肢も取れた。

 自分自身、本編は一周しかしていないので見たことないがたしか話題になっていた。ロリコン達が戻せないのかと阿鼻叫喚していたのを見た覚えがある。

 

「ハラディスあったわよ。ほら写真もついてる!」

 

 ばっと、破るのかという勢いで新聞を開くユミリア。

 それを見ると新聞の一面にこれでもかと大きく勇者たちの写真が載ってある。しかも、カラーだ。

 そういえば、あまりゲームだからと思っていたが、この世界観に対してカラー新聞って違和感がある。ここらはゲームの影響なのだろうか。

 

「(まぁ、それはいい。とりあえず勇者たちだ。)」

 

 勇者たちの写真をよく見る。そこには中心にあの勇者、そして周りには6人の強者たちがいる。

 

「合計7人か。フルメンバーだな。よく考えたらこの世界ならパーティー制限なんてものはないからもっといたかもしれないし、最大値だけど予想の範囲内ではあるか。」

 

 最新のゲームではあるがシステム的には昔ながらのRPGだ。原点にして頂点の制度だがこの世界にはシステムはない。まぁ魔王討伐に4人だけで出発してる時点で影響はあるのだろうが、そんなものだろう。

 魔法使いに注目してみると、ロリ体形であった。この世界の勇者はお姉さんエルフには興味なかったようである。本人が子供なのでロリコンということではないだろう。

 

 「大人だったらよかったんだけどな……」

 「え?ハラディスは大人のほうがいいの?えっと、大きいほうが?――わたしも、あと5年もすればすごくなるよ?」

 

 すごくなるってなんだ。いや実際すごくなるんだけど。そういや記憶があるんだったなこの子。

 僕の性癖はおいておこう。このままいけばどのみちユミリア以外は愛することもないだろうから外見的性癖はもうあってないようなものだ。

 

 「とりあえず装備は専用のやつか。あのイベント事態は存在しているんだろう。」

 

 杖の入手イベントはあったということは大人になることは恐らく可能だ。となると、これにかけるしかないだろうか。

 あのイベントは色々と面倒なものなのだ。もう覚悟を決めるしかない。

 

「ユミリア。」

「どうしたの?」

 

 彼女に目を合わせ、覚悟を決めつげる。

 

「大人になろう。」

「えっと…………はい///。」

 

 ん?なぜベッドを見た?

 いや待て。そういう意味じゃない。そもそも僕の体はまだ非対応――

 

「ちょ、腕引っ張るな!力強い強いいいいいいいいい。」




次回大人になる(健全)

さっさと革命したいわね。

楽しみにしてくれてる方には書くの遅くて申し訳ない。来週も2話は必ず上げたい。

感想とかくれるとすごくうれしいので、気軽にください。やる気が100倍なので。お気に入りもすごく嬉しいです。
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