魔女っ子傑はクラッシャーである。   作:かりん2022

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魔女っ子は常識クラッシャー

 

今日は悟と硝子とクルミさんと採取の日である。私は張り切って二人のところに行った。

 

「やあ! 今日は採取日和だね!」

「傑、何その格好?」

「魔女としての正装だよー。格好いいだろ。このローブ!」

 

 私がくるりと回ると裾がふわりと広がった。

 

「そんな格好で採取すんのか? なんか力はこもってるらしいけど、動きにくくねーか?」

「ローブを綺麗に保つ魔法だよー。魔女はお洒落さんだからね。ローブを汚しちゃいけないんだ。それに案外動きやすいんだよ、これ」

 

 そんな事を話しながら、鍵をメンバーに配って駅の壁に入っていく。

 鍵の持ち主だけが通れる道である。

 

「領域……!? なんて広さだ!」

 

 そこを通ったら、パラソルの下、白いローブの男と隈の凄い黒いローブの男が本を読んでいた。

 悟達が驚いている。

 ちょっと進めば深い森が広がっている。日差しも良く照って、天気がいい。

 

「よー。ゴースト」「やあ、ゴースト」

「ご機嫌よう、師匠、ドクター。前の人達、まだ帰ってきてないんですか? 今日予約してたのに」

「そーなんだよ、時間厳守だってーの」

 

 二人が私のあだ名をいい、気さくに話しかけてくれる。

 どうやら、前の組がまだらしい。

 そうこうしているうちに酷い怪我人が箒になんとか捕まって集団でやってきた。

 

「ドクター、頼む!」

「うげぇ。また面倒な」

 

 そう言いながらも、欠損などを魔法と道具と薬品を駆使して治していく。

 いつもながら、ドクターの技は圧巻だ。

 

「これ、魔女の医薬品? すごいじゃん」

「腕とか生やすのは、専門知識が必要で見た目より大変なんだよ。ドクターは天才かな」

「私、ここで治療見てたい。ついでにあんたらも怪我してこい」

「ひっで」

「あはは。じゃあ、行こうか悟。クルミさん。師匠もいいですか?」

「ああ、今日は魔女を体験してもらって、その後色々講義をしようか」

 

 ということで、マジックバックを用意していざ出発!

 

「傑、ここなんなの?」

「んー? 魔女の孕んだ世界だよ。魔女の最大奥義であり、究極の目的の一つ。最奥に魔女がいて、彼女を倒すと世界が崩壊する。倒しちゃダメだよ」

「傑も作るの?」

「私は、男だからね……。ちょっと難しいかな。やっぱりこういうのって女の人の得意分野だよね。それに、領域作ると動けなくなっちゃうし」

「それ、得意分野ってレベル?」

 

 話していると、ホーンラビットを発見。

 私はツノを折ってツノだけ袋に入れ、うさぎ本体は返してあげた。うさぎのお肉は帰り際、他にお肉が手に入らなかったら取ればいい。

 

「刺されないように気をつけてね?」

「なー、ここってドラゴンとかいるの? 何が一番強い?」

「ワイバーンまでしか私が加工できないかな。師匠いるし、ワイバーン狩りにいく?」

「行く!」

「い、行きたいです!」

「じゃあ、行こうか」

 

 ということで、4人でそれぞれ箒に乗ってワイバーン狩りをした。

 師匠とドクターの解体は圧巻だった。

 

 クルミさんは師匠への弟子入りを決め、私は妹弟子を得た。

 ワイバーンの魔石は師匠の手により上質なお守りへと変わって分配された。

 

 その後、無事国と上層部に呼び出され、根掘り葉掘りきかれた。

 監視が付いちゃったけど、しょうがないよね。

 

 そんなこんなで、私と硝子と悟はどんどん仲良くなっていった。

 

 呪術師としての任務をこなしたり、一緒に採取に行ったり、私達は楽しくも忙しい日々を送っていた。

 

 

 

 

 そんなある日の事だった。私はレポートに追われていた。

 

「悟! 黒魔女中級試験のレポート作成、手伝ってくれないかな?」

「いいぜ。どういうの?」

「私も混ぜろよ、屑ども」

「魔女たるもの、愛を知れ! ってことで、惚れ薬を自分に使うんだ」

「まじで?」

 

 俄然おもしろそうな顔をした二人に、テスト用紙を見せる。

 

「もちろん、短時間だよ。間違いがないように、色々配慮するし。私ってほら、強いし男だろう? 好きって気持ちが強すぎて、突発的に押し倒す危険もあるし、呪霊躁術もあるから、惚れる相手は私より強い人じゃないとダメだよって」

「ウケる。それなら俺の役目だな!」

「そんな事あるの? ほれ薬ってより媚薬じゃない?」

「薬は自分で調合するんだよ。だから、失敗して恋に狂っちゃう事も稀にある。配布された解毒剤は渡しておくから、もしもの時は頼んだよ」

「マジかよ、調合ミスんなよ」

「こればっかりは安全そうなのをレシピ通りに作ったよ。なにせ、心を操る術だからねー」

 

 そうして、私は紙とペンを用意して、声を張り上げる。

 

「えーと、では、悟に質問します! 間違いを防ぐための形式的な事だから。嘘発見器付きで質問していくから、答え難かったら答えなくていいよ」

「おう」

「まず、悟は恋愛的な意味で私の事を好きですか?」

「ねーよwww」

【嘘でーす!】

「「「……」」」

「……悟は男ですか?」

「……当たり前だろ」

【本当でーす!】

「ちょ……駄目、マジで?」

「ちが……違うって!!」

 

 硝子が爆笑し、悟が慌てて否定する。

 

「わ、わんちゃん師匠の悪戯かもしれないし。でも縛りもつけて対応しよっか」

 

 私は優しく対応する。魔女としては、それがどんなものであろうと恋心は蔑ろにしてはいけない。

 何より、呪術師には便利なシステムがある。

 

「縛りは簡単だよ。実験中、私がどんなに誘惑しても、エッチしないこと」

「まあ、当然だよね。惚れ薬使ってるわけだから。我慢しろよ、悟www」

「我慢の必要ねーから!! 傑! さっさと結ぶぞ!!」

「試験中何するか聞かないの?」

「何かするのか?」

「試験だから。抱きついたり、デートしたり、適当に危険な目にあったりして、大好きや守りたいを理解するんだよ」

「まじで手を出すなよ、悟ww」

「出さねーよ!!」

 

 悟は慌てる。

 

「まあ、友情も恋愛も同じ情だから、勘違いはあるみたいだよ」

 

 っていうことで、試験スタート!!




マシュマロ
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