傑はひたすらちくちくしていた。
正気には戻ったけど、魔女仲間が囚われていたり、危ういところだったりで合わす顔がなかったのだ。
いい加減、出ないととは思うのだが。
そもそも、胸が大き過ぎてウエストが小さくなりすぎ、着られる服がなく、出ていけなかった。
もちろん、硝子に頼むなどすればいいのだが、自分に言い訳をして、服を縫って時間を稼いでいたのだ。
おかげで、やたらと可愛い服ができてしまった。
とりあえず、それを着てソローっと部屋を出てみる。
「夏油さん! 心配しました! その服素敵ですね!」
ホッとした顔の灰原に、夏油も肩の力を抜いた。
七海や硝子も合流し、食堂で食事をしながら引きこもっていた間の話をする。
悟は相当暴れたらしい。
魔女達も何人かは救い出されたとか。
魔女様は、呪詛師に攫われたことより、呪術師に救い出されたことを重要視すると声明を出したとか。
話を聞いていると、悟が帰ってきた。
「傑!!」
そして、私に手を触れようとして、止まる。壊れ物に触れるように、そっと触り、ぎゅうっと抱きしめる。
「とても心配をかけてしまったようだね」
「心配した。守れなくてごめん」
「怒るよ」
悟に私を守る義務はない。私達は対等なのだから。
「だって、俺が……俺が守りたかったんだ。傑。もう、男にもどるのは難しいって聞いて」
「まあ、魔女は女有利な所もあるし、良いきっかけができたと思うことにするよ」
「傑……」
ぽんぽんと悟の頭を撫でる。
「だから、悟が気に止む必要は全然ないんだよ。というより、気にされると私の立場がないから」
「傑! 責任は必ず取る。傑は俺が守る。俺と結婚してくれ!」
うん、話聞いてないね?
大体守るってなんだ、と思ったんだが、任務で結婚しろって指令が来るのはなんなのかな!?
見下されるし胸を見られるし、セクハラされるし、女の待遇悪すぎだよ、呪術界!!
「私、男に戻るから!!」
悟に胸を揉まれつつ、ぷりぷりして答える。
「戻れんの?」
「以前の体に正しく戻ることを考えないなら簡単だよ。男になる魔法を重ねがけすればいい。正規の方法で戻るにしろ、流れ星を使えば全て解決だよ」
「貴重なんじゃねーの」
「そりゃ貴重だけど。ちょうど星降りの夜が近いから、すごく頑張れば作れるよ」
その言葉に、悟から力が抜けた。
「良かった。でも、この乳とお別れは嫌だなー。まー男でも思いっきり喧嘩できるしいっか」
そうして私の胸をこねくり回す。全くもう。
それでも、悟が私が戻れると知ってホッとしてくれたのがわかるから。
私はぎゅっと悟の頭を抱きしめ、胸に埋もれさせた。
「悟。心配してくれてありがとう」
「……うん」
悟にいう必要はないだろう。
流れ星を作るのは命懸けだってことは。
生き残れば済む話だしね!!
マシュマロ
https://marshmallow-qa.com/lucaluca
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