魔女っ子傑はクラッシャーである。   作:かりん2022

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呪術師は伝統クラッシャー

さて。

五条が面識がある魔女っ子は、何も夏油だけではない。

五条家として魔女とお付き合いを始めたのだ。傑からの紹介もあり、助けたのもあり、当然傑以外の魔女の知り合いもいる。

 

『五条くん。私、明後日、星振りの夜に星を捕まえに行くんだ』

「それって、魔法の道具を作るんだろ。流れ星っていう最高の魔具」

『うん。あれが作れない内は一人前と認められないからね。私も挑戦しなきゃなんだ。だからね。死んじゃうかもしれないから、その前に五条くんに好きって伝えたかった。最強の五条くんに応援してもらえたら、私でもいけるかなって勇気出せるから』

「は? 死んじゃうってマジ? 魔具が貴重とは聞いてたけど」

『そうだよ。何せ、力のある星を魔法で引き寄せて小瓶で受け止めるんだから、魔法が失敗したら消し飛んじゃうんだよ』

「意味がわからないんだけど?」

 

 そう言うと、7年前の記録を見せてくれた。

 星振りの儀は7年に一度らしい。

 

『メテオー!』

 

 呪文を唱えて、次の呪文に移行。

 

あっという間に星が落ちてきて、小瓶を持った女の子が吹き飛ばされる……。

 

「お前らばっっっかじゃねぇ!? 教えてくれてサンキュ! でも俺は挑戦しないでお前に生きててもらったほうが嬉しいかな。応援できなくてごめん!」

 

 そして通話を切り、傑の元へ。

 

「傑、結婚しよ! つーか男に戻んのやめよーぜ!」

「なんなんだよ、いきなり! 精神集中の邪魔になるだろ!」

「流れ星作る作業について聞いた。あれバカだろ」

「バカとはなんだよ、失礼だな!」

「だってバカじゃん! 流れ星を小瓶でキャッチなんてできるわけがねーし!」

「新人の魔法使いでも大体半分は成功してますー! これができないと半人前のままなんだよ」

「半分死ぬとか壊滅判定なんだわ。半分の死戦を乗り切ってようやく一人前とか、人材育成なめてんのか」

「呪術師に言われたくないね!」

「それはそう!」

 

 そうして、五条は夏油を抱きしめた。

 

「俺はお前に消えてほしくない。それくらいならお前が一生女でいる方がいい。っていうか、傑、魔女なんだから魔女でいいじゃん」

「悟……そんな死ぬって決まったみたいな」

「ガチで半分ってでけーから。一か八かじゃねーから。実際の戦場で50パーの確率はそれはもう負けてんだよ。2回やったら一回は死ぬじゃん」

「それでも、それは運じゃないよ。大丈夫。それに私、今回三つ流れ星作るつもりだし」

「は?」

「私と硝子と悟の友情の証というか、卒業記念にいいかなって。まだ2年生だからちょっと早いけど、サプライズというか」

 

 テレテレとする夏油に、五条は逆に安心した。

 いつもの抜けてる夏油である。

 

「よーしじゃあ硝子に言いに行こうか。卒業記念品を命懸けで作りに行きます、応援してねって!」

「ああ、それもいいかもね」

「体育祭の応援じゃねーんだわ」

 

 

 

 

 

 

 

 そして、夏油は硝子にスーパーウルトラカムチャッカファイアーされた。

 夜蛾先生からは驚きの3時間説教。

 そして腐った蜜柑からは流れ星の要求。

 当然の帰結である。当然の帰結だった。

 

 呪術界はざわついた。

 ある者は取引先の魔女の挑戦を止め、ある者は逆に流れ星を発注した。

 割と大きな懸賞金が流れ星に掛けられて、魔女界はちょっとした混乱に陥れられたのである。

 

 何せ、魔女ならば「恋が成就してほしい」などのちょっとした奇跡に使われるだろうし、そうもくされてそれに値する値段で流通していた流れ星。

 

 ここに、何を願うかガチでわからない呪術師が参入してきたのだ。

 呪術師にこのまま流れ星を流通させてしまっていいのか。流れ星に高額の懸賞金が掛けられることで「卒業試験の一つ」「思い出づくり」「友情記念品作成」などの趣旨が崩れないか否か。

 

 魔女っ子界が荒れるのも、当然のことだった。




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