魔女っ子傑はクラッシャーである。   作:かりん2022

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常連は常識クラッシュされ済み

流れ星の儀式は強行された。

若干難易度を変えて。

魔女っ子全員で、子供1人入れる大きな瓶に魔法を掛ける。

そして、五条が『蒼』で、夏油が魔法で流れ星を引き寄せるのだ。

 

破茶滅茶な儀式はなんとか済み、流れ星は完成し、大切に保管され、使用には許可が必要となった。(男に戻りますという傑の願いは却下された)

 

そんなこんなで慌ただしく日々が過ぎ、卒業も間近になったある日、硝子は言った。思いつきだった。五条と夏油が政略結婚する事になり羨ましかったのもある。

 

「夏油。たまには魔女らしく、占いしてよ。そうだな、恋占いがいいかも」

「任せて!」

 

 傑は自信たっぷりに言った。

 そして、魔力を注いで大魔法を執り行う。

 

「いいかい、硝子。5分だけ。5分だけ未来の硝子に会わせるから、未来の自分の恋について聞くんだ! 聞き終わったら帰ってくるんだよ」

 

 そして、時計を受け取って硝子の意識は落ちていく。

 そんな大魔法は望んでいなかったのだが、まあ良いか。

 

 硝子は起きあがると、未来の自分を見つめた。

 すっごい疲れてんなー。目の隈すご。

 

「……?」

「やっほー」

「!??? 誰だお前!?」

「10年前の私」

「は?」

「私が結婚出来るか聞きに来た」

「は?」

「だからー。未来の私と恋バナしに来たんだって。で、どんな感じ?」

「そんな相手はいない」

「マジで?」

「むしろ出来ると思ってんのか」

 

 心無い言葉に硝子は傷ついた。

 

「そっか……。でも1番可能性ありそうな同級生2人が私を差し置いてくっつく位だしな……。でも1人は寂しいし、ワンチャン重婚どうかなって聞いてみようかな」

 

 そうして、さて戻るかと時計を動かそうとすると、硝子はそれを止めた。

 

「待った。面白そうだから話聞かせろ」

「過去の話なんて聞いても面白くないんじゃねーの?」

「私の世界では五条と夏油はくっついてないんだ。だから話聞かせろ」

 

 硝子は考えた。

 

「ちょっとこっちの五条と夏油について話聞いてみてもいいか?」

「いいぞ」

 

 そうして、硝子は絶句した。

 未来の分岐点はわかる。夏油が魔女っ子になった事だ。

 それがないとこんな大変な事になるのか。

 

「で? お前の世界について話せよ」

「あー。信じてもらえないと思うし」

「ふざけんな、ほら話せよ。私の記憶にない私が今ここにいることは確かなんだし」

「……夏油はこっちの夏油とは違って、しょっちゅう五条に怒られてるような奴だよ。いつもバカやってる」

「そっちの夏油、ガキっぽいの? で、五条が大人っぽい?」

「まあそうかな」

「でも男同士じゃん、奴ら」

「呪具を使われて夏油今、女なんだよ。五条が責任感じちゃってさぁ」

「五条のせいなの?」

「クソボケ老人のせい」

「夏油は嫌じゃないの?」

「消費型の高価な呪具を使って男に戻ろうとしたら、申請が却下されてやんの。勿体無いからって。外堀が凄い勢いで埋められて、仕方ないのか……?って感じ。あいつ、ぼーっとしてるし。一人で生きてけなそうだから、まあ夏油にとっても良いんじゃないの?」

「ウケる。特級術師のお願いでもダメなのかよ」

「そもそもあいつ、特級じゃないし。腰掛けで、学校辞めたらお店始める気満々だし

「なんのお店?」

「呪具専門店。理想のお店像が携帯に入ってるはず」

「見たい! うわ。凄いファンシーじゃん。でも若干夏油の趣味っぽいのわかる」

 

 そこで、時計がピカピカと光った。

 

「げっ 時間だ。もういかなきゃ」

 

 硝子が今度こそと時計に触れると、五条が飛び込んできた。

 

「硝子! !? 硝子が2人?」

「わっわわっ」

 

 時計はボフッと音を立てて消えてしまった。

 

こうして、硝子は戻れなくなったのだった。

 

 

 

 

 

「だぁかぁらぁ。私は無害だし、すぐ帰るって言ってるだろ?」

「パラレルワールドなんてあるわけないでしょ」

「じゃあそのスマホ返して」

 

 スマホには五条と夏油(女)が仲良くしているのが写っている。

 というか夏油の胸を五条がめっちゃ揉んでいる。

 

「おっぱいマンじゃん。ウケる」

「……ほんっとーに学生時代の硝子な訳?」

「どっちでもいいよ。すぐ帰るんだから」

「どうやって」

「なんとかする」

「だからどうやって」

 

「夏油のベルー!」

 

 ジャジャーン! と私は小さなベルを取り出して、チリンと鳴らした。

 なんともなんないな。

 

「リザちゃんのベルー!」

 

 ジャジャーン! と私は小さなベルを取り出して、チリンと鳴らした。

 ベルが石化し、携帯が通販サイトに繋がった。

 オーダーチケットを買うと、魔法陣が浮き上がる。

 

「はぁ!?」

「おー」

 

 そこで私は、魔法陣にお金をのせた。

 弾かれた。

 

「こっちの世界のお金貸して?」

「いいぞ。っていうか私も買う」

「待って何それ。僕も買う」

 

 そんなわけで、色々選んで魔法陣にお金を乗せるとボフンっと商品に変わった。

 

「そっちの夏油も呪具店開くんだっけ」

「そー」

「傑、こんな高度な不思議道具作れたんだ? これ、呪具じゃないよね?」

「あいつ、5歳で弟子入りしたって言ってた。それがこっちではなかったんじゃない?」

「こんな店があったなんて……」

「それで、パラレルワールドがなんだって?」

「ぐっ 疑ってごめん」

「わかったならいい」

 

 私はオーダーチケットを破り、出た水晶玉から事態を説明した。

 そして、快く過去に戻る道具を作ってもらった。

 

「待った。帰るのはいつでも出来るでしょ? もうちょっと滞在してってよ。色々教えて?」

「そうだな。お前らの写真と恋バナと交換だ」

「恋バナかー。参ったね。写真はすぐ撮るけど」

 

 そうこうしている間に、けたたましく警報が鳴った。

 夏油である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょうど良いや、傑」

 

 ぱしゃぱしゃぱしゃっと写真を撮る。

 

「これでいい?」

「よかろう」

 

 ふんっと腕組みするのは若い頃の硝子だ。

 

「硝子の親戚かい?」

「いんや。パラレルワールドの私本人」

「パラ?」

「なー夏油。ついでにお前、好きな奴いる?」

「大義の前に恋愛など無用と思っているけど?」

「そうか。お前は私の知ってる夏油じゃないんだな……」

 

 しばし悩んだ後、硝子は決心した。

 

「やっぱりあの間に挟まるの気が引けるし、お前でいいわ」

「何が?」

「夏油、ここにお菓子がある。食べろ」

「は? いやいや、そんな怪しいの食べるわけないでしょ」

「良いからごっくんしろ」

 

 硝子を見知っていたから、対処が遅れた。

 お菓子は過たず夏油の口に放り込まれ、夏油の胸からポンと出たハートを硝子は食べた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……硝子♡」

「なんだ、ダーリン♡」

「好き♡」

「私もだぞ、ダーリン♡」

「「「「「「はああああああああああああ!?」」」」」」

「百鬼夜行は取りやめな」

「はい♡」

「ということだ、かいさーん」

「夏油様が洗脳された!?」

「バカな、呪力は感じなかった!」

「傑ちゃん!」

「二人で朝日を見ようか」

「硝子♡」

 

 驚愕する一同をよそに、夏油の肩を抱いて硝子(魔)は学校へと戻った。

 当然、呪術界は紛糾した。

 




マシュマロ
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