流れ星の儀式は強行された。
若干難易度を変えて。
魔女っ子全員で、子供1人入れる大きな瓶に魔法を掛ける。
そして、五条が『蒼』で、夏油が魔法で流れ星を引き寄せるのだ。
破茶滅茶な儀式はなんとか済み、流れ星は完成し、大切に保管され、使用には許可が必要となった。(男に戻りますという傑の願いは却下された)
そんなこんなで慌ただしく日々が過ぎ、卒業も間近になったある日、硝子は言った。思いつきだった。五条と夏油が政略結婚する事になり羨ましかったのもある。
「夏油。たまには魔女らしく、占いしてよ。そうだな、恋占いがいいかも」
「任せて!」
傑は自信たっぷりに言った。
そして、魔力を注いで大魔法を執り行う。
「いいかい、硝子。5分だけ。5分だけ未来の硝子に会わせるから、未来の自分の恋について聞くんだ! 聞き終わったら帰ってくるんだよ」
そして、時計を受け取って硝子の意識は落ちていく。
そんな大魔法は望んでいなかったのだが、まあ良いか。
硝子は起きあがると、未来の自分を見つめた。
すっごい疲れてんなー。目の隈すご。
「……?」
「やっほー」
「!??? 誰だお前!?」
「10年前の私」
「は?」
「私が結婚出来るか聞きに来た」
「は?」
「だからー。未来の私と恋バナしに来たんだって。で、どんな感じ?」
「そんな相手はいない」
「マジで?」
「むしろ出来ると思ってんのか」
心無い言葉に硝子は傷ついた。
「そっか……。でも1番可能性ありそうな同級生2人が私を差し置いてくっつく位だしな……。でも1人は寂しいし、ワンチャン重婚どうかなって聞いてみようかな」
そうして、さて戻るかと時計を動かそうとすると、硝子はそれを止めた。
「待った。面白そうだから話聞かせろ」
「過去の話なんて聞いても面白くないんじゃねーの?」
「私の世界では五条と夏油はくっついてないんだ。だから話聞かせろ」
硝子は考えた。
「ちょっとこっちの五条と夏油について話聞いてみてもいいか?」
「いいぞ」
そうして、硝子は絶句した。
未来の分岐点はわかる。夏油が魔女っ子になった事だ。
それがないとこんな大変な事になるのか。
「で? お前の世界について話せよ」
「あー。信じてもらえないと思うし」
「ふざけんな、ほら話せよ。私の記憶にない私が今ここにいることは確かなんだし」
「……夏油はこっちの夏油とは違って、しょっちゅう五条に怒られてるような奴だよ。いつもバカやってる」
「そっちの夏油、ガキっぽいの? で、五条が大人っぽい?」
「まあそうかな」
「でも男同士じゃん、奴ら」
「呪具を使われて夏油今、女なんだよ。五条が責任感じちゃってさぁ」
「五条のせいなの?」
「クソボケ老人のせい」
「夏油は嫌じゃないの?」
「消費型の高価な呪具を使って男に戻ろうとしたら、申請が却下されてやんの。勿体無いからって。外堀が凄い勢いで埋められて、仕方ないのか……?って感じ。あいつ、ぼーっとしてるし。一人で生きてけなそうだから、まあ夏油にとっても良いんじゃないの?」
「ウケる。特級術師のお願いでもダメなのかよ」
「そもそもあいつ、特級じゃないし。腰掛けで、学校辞めたらお店始める気満々だし
」
「なんのお店?」
「呪具専門店。理想のお店像が携帯に入ってるはず」
「見たい! うわ。凄いファンシーじゃん。でも若干夏油の趣味っぽいのわかる」
そこで、時計がピカピカと光った。
「げっ 時間だ。もういかなきゃ」
硝子が今度こそと時計に触れると、五条が飛び込んできた。
「硝子! !? 硝子が2人?」
「わっわわっ」
時計はボフッと音を立てて消えてしまった。
こうして、硝子は戻れなくなったのだった。
「だぁかぁらぁ。私は無害だし、すぐ帰るって言ってるだろ?」
「パラレルワールドなんてあるわけないでしょ」
「じゃあそのスマホ返して」
スマホには五条と夏油(女)が仲良くしているのが写っている。
というか夏油の胸を五条がめっちゃ揉んでいる。
「おっぱいマンじゃん。ウケる」
「……ほんっとーに学生時代の硝子な訳?」
「どっちでもいいよ。すぐ帰るんだから」
「どうやって」
「なんとかする」
「だからどうやって」
「夏油のベルー!」
ジャジャーン! と私は小さなベルを取り出して、チリンと鳴らした。
なんともなんないな。
「リザちゃんのベルー!」
ジャジャーン! と私は小さなベルを取り出して、チリンと鳴らした。
ベルが石化し、携帯が通販サイトに繋がった。
オーダーチケットを買うと、魔法陣が浮き上がる。
「はぁ!?」
「おー」
そこで私は、魔法陣にお金をのせた。
弾かれた。
「こっちの世界のお金貸して?」
「いいぞ。っていうか私も買う」
「待って何それ。僕も買う」
そんなわけで、色々選んで魔法陣にお金を乗せるとボフンっと商品に変わった。
「そっちの夏油も呪具店開くんだっけ」
「そー」
「傑、こんな高度な不思議道具作れたんだ? これ、呪具じゃないよね?」
「あいつ、5歳で弟子入りしたって言ってた。それがこっちではなかったんじゃない?」
「こんな店があったなんて……」
「それで、パラレルワールドがなんだって?」
「ぐっ 疑ってごめん」
「わかったならいい」
私はオーダーチケットを破り、出た水晶玉から事態を説明した。
そして、快く過去に戻る道具を作ってもらった。
「待った。帰るのはいつでも出来るでしょ? もうちょっと滞在してってよ。色々教えて?」
「そうだな。お前らの写真と恋バナと交換だ」
「恋バナかー。参ったね。写真はすぐ撮るけど」
そうこうしている間に、けたたましく警報が鳴った。
夏油である。
「ちょうど良いや、傑」
ぱしゃぱしゃぱしゃっと写真を撮る。
「これでいい?」
「よかろう」
ふんっと腕組みするのは若い頃の硝子だ。
「硝子の親戚かい?」
「いんや。パラレルワールドの私本人」
「パラ?」
「なー夏油。ついでにお前、好きな奴いる?」
「大義の前に恋愛など無用と思っているけど?」
「そうか。お前は私の知ってる夏油じゃないんだな……」
しばし悩んだ後、硝子は決心した。
「やっぱりあの間に挟まるの気が引けるし、お前でいいわ」
「何が?」
「夏油、ここにお菓子がある。食べろ」
「は? いやいや、そんな怪しいの食べるわけないでしょ」
「良いからごっくんしろ」
硝子を見知っていたから、対処が遅れた。
お菓子は過たず夏油の口に放り込まれ、夏油の胸からポンと出たハートを硝子は食べた。
「……硝子♡」
「なんだ、ダーリン♡」
「好き♡」
「私もだぞ、ダーリン♡」
「「「「「「はああああああああああああ!?」」」」」」
「百鬼夜行は取りやめな」
「はい♡」
「ということだ、かいさーん」
「夏油様が洗脳された!?」
「バカな、呪力は感じなかった!」
「傑ちゃん!」
「二人で朝日を見ようか」
「硝子♡」
驚愕する一同をよそに、夏油の肩を抱いて硝子(魔)は学校へと戻った。
当然、呪術界は紛糾した。
マシュマロ
https://marshmallow-qa.com/lucaluca
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