異世界ファンタジー世界でカードゲームしてる   作:nyasu

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ご先祖〜お慈悲お慈悲

聞くところによると、母方の家、ガイウス家では殆どが個数制限することで召喚獣を従えているらしい。

把握できない事もそうだが、忠誠心が低いと言うことを聞かない……まぁ、強すぎてトレーナーの言うこと聞かないポケモンみたいになるって事らしい。

あと、召喚中には魔力を消費するから維持が出来ないそうだ。

基本的に召喚獣はぶっ殺して契約して魔力で肉体を作ってるから幽霊みたいなもんだって。

 

なお、俺の爺ちゃんのガイウス家当主は一人兵団の異名を持っていて、数え切れないくらいの召喚獣を出して来るらしい。

二つ名持ちカッケー、いつか会いたいものである。

とはいえ、そんなバグは置いといて。

 

普通の召喚魔法と呼ばれるそれを扱うサマナーみたいな奴らは扱える数を制限する事で運用しやすくするそうだ。

副次的にゲッシュとして働き、バフが掛かって魔法の効果が強くなって従えやすくなったりするらしい。

で、自分よりちょっと弱いのを倒したら一番弱いのと交換するように契約したり、使い潰して契約枠を増やしたりするんだと。

ちなみに契約解除の際は、その魂を取り込んで魔力を自分の物にされて捨てられるらしい。

 

良かったな、コボルトお前。

俺のとこに来なかったら最弱だからいつか自害か突撃で戦死させられた挙げ句に用済みと魂食いされて死んだ後なのに無に還ってたぞ。

 

「まぁ、個数制限なら40だよな」

 

魔法は直感が大事、俺の中で制限といえば40だった。

40といえばカードとかで馴染みが深い数字だから。

そして、俺が構想している魔法はカードゲームをベースにしているからだ。

 

精霊、聖霊、神、悪魔、モンスター、色んな名称はあるけど魔力のある存在だ。

コイツらを契約して従えさせることで攻撃力と魔力は手に入れられる。

魔力があれば戦闘中に受肉させ続けられるので継戦能力が手に入る。

後は防御力だが、これに関しては目処が立たない。

なので、今度は親父の方に行ってみることにした。

親父だって我が子だし、多少は優しいやろ。

 

 

 

レオンハルト・ベルグ・ドン・ホロス・マティーナ。

マティーナ領の星魔法を使う当主で伯爵のレオンハルトっていう意味、俺の親父だ。

空から星とか落とすのに下から3だか4番目らしい伯爵って爵位に、王様とかどんだけ強いんだよとか思ったりする。

まぁ、興味ないからいいんだけどね。

 

「入りなさい」

「失礼します」

 

母親監修の礼儀作法に、これには父の後ろの家人もにっこり。

ちゃんとノックして母親と違って書類を見ながら返事をした親父を見る。

うーん、働いてて忙しそう。

 

「マルセル、お前が来るとは珍しいな」

「忙しそうですね」

「貴族とはそういう物だ」

 

やめて、貴族って遊んで暮らせると思ってるイメージを崩さないで!

やっぱり当主ってなるもんじゃないね、なりたくねぇよ。

 

「それで要件は何だ?」

「魔法で行き詰ってて」

「ほぉ……」

 

カタッ、とペンを置く音が聞こえた。

羽根ペンが机の上に置かれて、親父が何やらこちらを見ている。

なんで毎回、魔法が絡むとシリアスになるんですかね?

 

「何が聞きたい」

「モンスターと戦おうと思うと身を守る術が貧弱でして」

「生まれて4年では仕方あるまい」

「成長しても剣や魔法、モンスターよりも強い相手には負けてしまいます」

「お前は人との戦いを想定しているのか」

「まぁ、兄は家を継ぐので自分は戦争とかになったら真っ先に出陣ですからね」

 

俺の発言が何かまずかったのか、気まずい沈黙が部屋に発生した。

えっ、なんか喋ってくれる?なんで黙ってんの?

 

「それほどまでか。時間を作ろう、来なさい」

「あっ、はい」

 

なんか呼ばれて一緒に部屋から移動する。

おっ、兄貴の修行場所に使われてる庭の一角じゃないですか。

あれ、なんか見せてくれんのかな。

 

修練場と俺が勝手に呼んでる場所で、父親であるレオンハルトと模擬用の刃引きした剣を持つ。

いや、普通に鈍器だから危なかったりする。

 

「私に突いてみなさい」

「えっ?えい!」

「……もう少し躊躇とかはないのか」

 

いや、突けって言うから。

困惑しながらも突いた俺の剣は親父の身体に刺さっていた。

いや、正確には刺さってるように見えただけだった。

突き刺さった剣を振るっても手応えなく身体が揺らぐだけ、まるで映像を斬ってるような、まさしく映像なのだろう。

 

「これは月の光に由来する現実を曲解する魔法だ。実際起きた現実を一定時間歪める、ただ多大なる魔力を要する」

「月の光?」

 

そこからは楽しそうに親父の解説が始まる。

どうした、急に早口になるじゃねぇか。

まぁ、ふんふん言いながら聞いたことを纏めると、月光って月が太陽の光を反射して出してるので太陽光と別物だよね。

じゃあ現実も月に反射したら偽物になるよね。

仮想の月に自分を写して生み出した幻影がダメージを負っても本体に反映されないよね。

なので、現実を幻影に置き換えますね。

ということらしい……つまり、イザナギか。

 

「いつかお前にも分かると思うが、まだ難しいだろう。だが、研鑽を積むことでいずれお前にも分かる時が来ることだろう」

「さすがー、しらなかったー、すごーい、そーなんだー、せんすあるー」

「う、うむ?」

 

色々とクリアする条件がありそうだが、この世界は屁理屈さえ通せば何でもできる。

レスバで世界に勝てば出来る世界だから行ける気がする。

そう簡単に出来ないのは此方に対してメリットばかりだからだ。

つまり、リスキーにすれば俺でも使えそう。

親父はそこまで至らないから正解を見せて学ばせようとでもしたのかもな。

普通に命を掛ければ出来そうならやるけど、いつ死んでも可笑しくない世界だし、寿命を削るとかじゃなきゃ、死ななきゃ安いでしょ。

 

 

 

部屋に籠もって魔法の構想を練る。

モチーフにするカードゲーム、魔法を成立させる誓約、戦闘時の維持魔力、敵のゲーム参加方法、ターン経過の考え方、遅延行為に対する罰則、ダメージ計算方法、召喚獣のステータス、ライフの概念。

 

「おかしい、出来るはずなのに」

 

魔法としてのイメージは出来上がった。

発動する為に必要な儀式の方法も考えた。

だが、魔法は発動しない。

何かが違うか、足りてないからだと思われる。

子供の妄想とおままごとに成り果てた、ただの道楽でしかない。

 

「最終手段やな」

 

ならばもう上位存在の力を借りるしかない。

と言うことで、自分の家にある神殿にやってきた。

家に神殿があるってどういう事だと思うだろうが、あれ、神棚とかそういうの。

貴族は始祖とは別に家の初代を祀るのだ。

所謂、祖霊信仰って奴だ、ご先祖様が守ってくれる的なの。

魔法がある世界だから逆説的に、アイツ強いから先祖も強いって感じで有名な家ほど信仰を集めて先祖が強い加護をくれる。

王家が最たるものだな。

で、みんなゲッシュとか相談とかは祖霊に頼むのだ。

 

魔法使い的にはよくあることなので、食事を持って神殿に籠もる。

食事がなくなるまで、ずっと引き篭もるとか割とある。

そもそも、余程の事じゃないと祖霊なんか出て来ないし、交信出来ないらしい。

まぁ、シャーマンキングみたいに見れたりしないわな。

 

「ご先祖様、寿命を好きなだけ捧げるから知恵を貸して〜」

「いやいやいや、待て待て待て!何だって!命を捨てるな」

「はぁ、命?命っていうか、寿命だよ!寿命!はぁ~、もう、チッ!魔法が出来なぁぁぁい!」

 

余程の事なのか、眼の前に半透明の幼女が現れた。

 

「お前のような呼び出し方した奴は初めてだし、なんで儂は女児になってんだ!?」

「後世で美少女にされるのはよくあることだろ」

「怖い、実現してるから本心だってのが、儂の子孫怖い」

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