異世界ファンタジー世界でカードゲームしてる   作:nyasu

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俺、なんかやっちゃったらしい

謹慎を言いつけられ、部屋から出れない生活を過ごしていた。

本来なら辛いのだろうが、そこは現代っ子、インドア生活なんぞ余裕である。

まぁ、現代と言っても異世界だけどね。

 

人間扱いされないけど、人の出入りは普通にある。

例えば家人に囲まれてお茶会を母親としたとしよう。

バリバリメイドさんとか執事とかが控えてるのに、二人きりのお茶会ということになるのだ。

公式が言ってるんだから大本営発表である。

 

つまり、一人で謹慎と言いながら会話の出来る相手が呼べば来る環境で過ごすのだ、余裕である。

 

「王手!」

「むむむ、なんと手強い」

 

そして俺は謹慎中、木を削ってもらってなんちゃって将棋を作った。

俺は将棋と言ってるのに、みんなからは将の器を示す遊具、将器ですな!とか言われている。違います。

き、じゃねぇよ!ぎ、だよ!

 

「また勝ってしまった……麻雀しようぜ」

「坊っちゃん!象牙が手に入りましたぞ、職人に依頼しておきました」

「おぉ、よくやった!お前名前は……まぁいい、今度来たときに褒美を遣わすぞ!」

 

メイドを呼べと、メイド2人と執事と一緒に麻雀をやる。

負けた奴は一枚ずつ脱げよな、罰ゲームないと楽しくないからな。

 

「ぬーげ!ぬーげ!ぬーげ!」

「いやーん」

「フォォォォ!」

 

俺と執事が小躍りする、メイドさんも拍手して、もう一人のメイドさんは勿体ぶりながら手袋をヒラリと脱ぐ。

ふぅ~セクシー!俺にはまだエロは来てないけど、雰囲気で楽しんでるぜ。

 

「お兄さ……」

「…………」

「…………」

 

そんな遊び呆けていた俺達の部屋に、我が妹マリアが突撃してきた。

ふぅ、やれやれ、まだ子供だからノックのマナーが出来てないなぁ。

俺はファサと髪を掻き上げて余裕そうに椅子に座った。

 

「どうした、マリア」

「えっ、今……」

「おいおい、今は俺とお前しかいないだろ」

「そんなわけ……えぇ……」

「政治的なアレで今は二人きりでーす!」

 

だから、パンツ一丁の執事も手袋とか靴下履いてないメイドさんも見ないの。

いないものとして扱ってるんだからね。

ほら、散れ!撤収、撤収!さぁ、執事しかいないよ。

 

「お兄様、人払いをよろしくて?」

「お前……マセてるなぁ」

「いいから!二人きりに、して!」

「えぇ……ままええやろ。おい、悪いな。二人になりたいらしい」

 

まぁ、相手はガキだし、おかのした。

そんな感じで執事もいなくかった。

ほーん、で、なんか用かいマリアちゃんや。

 

マリアは大人びたい年頃なのか両手を組んで仁王立ちしていた。

感想、いいガイナ立ちですね。

何やら表情は小生意気だ。

いい、メスガキですね。

 

「ふん」

 

指をマリアが鳴らすと、マリアを中心に魔力の波が発生。

床や天井を伝うように広がり、何かしたようだった。

おー、親父の血を引くから魔法使えるもんな。

平民との子とはいえ貴種の血を引くだけはある。

 

「おい、お前何者だ。お前、マルセルか?」

「何言ってんだお前」

「知らばくれなくっていい。お前も戻ったのか?」

「はぁん?なるほど……厨二病か?」

 

マリアの口から歳に似合わない言葉が吐かれる。

はぁ、妹よ……その先は地獄だぞ。

 

「本当に違うのか?ならお前は……」

「どういう設定?」

「設定だと……」

 

何やら頭を抱えだしたマリア。

悪いな、兄ちゃんも遊びには付き合ってやりたいけど設定は聞かないと上手くできないよ。

どこから戻ってきたんだよ、行かなきゃって急に言う主人公並に唐突だよ。

俺、ああ言うのに見ながら何処にってツッコミ入れるタイプなんよ。

 

「おい」

「うーん、マリア。お兄ちゃん的にそういう言葉使いはどうかなって」

「ええい!喧しいわ、話が進まない!」

「うんうん、よく言われるよ。前もウチの母親がさぁ」

「いいから聞け!聞け!」

 

はいはい、もう我が儘だな。

いくつだっけ?3歳くらいでしょ、よく喋るなぁ。

特注で用意させたちっちゃい安楽椅子に座って揺れながら話を聞いてやる。

さぁ、話せ。

 

「私は未来からやってきたんだ」

「へぇー、処刑でもされたの?」

「……本当に戻ってないのか?」

「いや、質問に質問で返されても。よくあることだし」

「えっ、よくあるんだ……」

 

あるよ。

だって悪役令嬢とか、そういうの定番だしな。

ははーん、さては悪役令嬢物とか読んだことないな?

あぁ!この世界、漫画とかないもんな。

 

「話は終わり?」

「えっ、もっとこう、なんかあるだろ」

「まぁ、そういうこともあるかなって」

「お前頭おかしいぞ」

「ははは、未来人抜かす妹がなんか言っててウケる」

 

さぁ、帰って!私はこれからトランプでポーカーするの!

執事呼んで来なきゃ、花札でもいいなぁ。

 

「いやいや、待て待て待て、もっとこうあるだろ」

「僕はね、分かりきった未来に興味ないのさ。未来は切り拓くもの!」

「お前適当なこと抜かしてるだろ、話を聞け!あと、お前マルセルじゃないだろ、あり方がおかしすぎる」

「はぁ、マルセルですが」

 

身体はマルセルだけど、お前の知ってるマルセルと違うのはそうだろうけどね。

多分、元のマルセル……正史とでも言うようなマルセルがいたんだろうな。

てか最初に回帰を疑ったということは転生者とかじゃないんかもな。

俺ならお前も転生したんか、とかが最初に疑いとして浮かんでくるしな。

 

「まぁいい。このままでは家が取り潰される、協力しろ」

「とりつぶされる?どういう意味」

「馬鹿なのか?領地も財産も没取されて種馬と孕み袋にされるんだぞ」

「えぇ……お前の知ってる未来だとそうなの」

「いや、私は首を切られて死んだけど……斧で」

 

どうやらウチの妹は斧で死んだらしい。

ギロチン、まだないんだな。

作ったら売れるかな、あんな単純な構造なのに思い付かないもんなんだな。

 

「話が!進まない!一回聞いてから話して!よろしくって!」

「了解ですわ〜、オホホホ」

「はぁ……疲れる」

 

そこからマリアちゃんの独演会、前世の話である。

大人になったマリアちゃんは伯爵令嬢として学校にデビュー。

美少女として有名で、ウチの兄貴や公爵家の跡取りとか世界有数の商会経営者とか国内最強の騎士とか、まぁキャラが濃い奴らにモテた。

そして婚約者の女達から政治的な謀略により死刑に追い込まれるそうだ。

あー、うんうん、悪役令嬢物の定番?一昔前の流れやね、前は誰かと結ばれて追放したヒロインが勝ってたけど、最近は悪役令嬢の方が勝ったりするパターン多いよね。

 

「で、何回やってもアンタを起点にトラブルが起きるのよ」

「マジかよ、やべぇじゃん」

「本当よ。脱税や横領で我が家の財政ダメにしたり、ダンスで転んだ時にキスして公爵令嬢と外交問題とか、詐欺を企てて捕まったり、口約束で謀反に加わってた事になったり」

「マジで、やべぇじゃん」

 

嘘、私の未来クソ過ぎ。

ねずみ講とか……やりそうだな、この世界の人間ちょろそうだし。

あー、何かやりそう。

政治的な言い回しとか分からんし謀反とかやりそう。

戦場での活躍すげぇなとか言うと、野蛮人とか言いたい訳?って捻くれた受け取り方するのが貴族だからね、未来の俺は会話下手そう。

お茶漬け食べるは帰れって意味、そんなの知らない奴が悪いって風潮だしな。

 

「でも、今回は意味分かんないくらい破綻してんのよ!どうすんの!私は死刑されたくないのに!」

「なるようになるしかないんじゃない?」

「いい!私の言うことを聞いて協力して欲しいの」

「分かった」

「うぅ、一番破綻してるのに一番協力的なの、なんなの……」

 

そんな事言われましても、これが俺なんかやっちゃいましたって聞いてくる奴の気持ちか。

フッ、どうやら無自覚転生者ムーブをカマしてしまったようだぜ。

 

「はぁ……まぁいいわ。まずはこれから出来る婚約者と仲良くなりなさい」

「おぉ、彼女出来るのか。ちなみに、なんで?」

「アンタと別れた後にウチの家が目の敵にされるからよ!具体的には次に付き合った男が侯爵で溺愛の余り殺しに来るのよ」

「すぐ殺そうとするじゃん、何なんだよ……」

 

なんか、物騒な世界ですね。

そして、俺に婚約者が出来る事が確定した。

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