そんな今回、どっちかと言うと魔理沙回になっちゃった☆
また、朝が来た。
布団から出て、少し体を伸ばす。
痛みは昨日よりはない。
筋肉痛は収まってきているようだ。
布団を片付け、部屋から出る。
微かに箒を掃く音が聞こえてくる。
まだ重い目蓋を擦りながらそちらの方へと行く。
「ん?起きたか」
そこには朝っぱらから掃除をしている魔理沙がいた。
「昨日よりは寝相がよかったな。ちゃんと掛け布団はお前の部屋の中にあったか?」
「はぁ……」
もうそのことに対して何か返す気は起きず、ため息が漏れでた。
「そろそろ朝飯にするか」
そう言って魔理沙は掃除を終える。
◆◇◆◇
机に料理が並べられていく。
置かれているのは昨日と同じ和食。
「「いただきます」」
「…なあ、彩乃」
「?」
ふと、魔理沙がそう言う。
「お前って、どこから来たんだ?」
「いや、言いたくないなら別にいいが……」
「……言ってなかったか?まあ、別にたいした話じゃないし知らなくていいと思うぞ」
「お前はそこに戻りたいのか?」
「……いや、別に。戻ったところで、って感じでもあるしな」
「そうか……」
「……別に、聞きたいなら話してもいいが」
「いや、いいさ。お前がホームシックにでもなってないか気になっただけだしな」
「……でも、その感じなら大丈夫そうだな」
「ごちそうさま」
魔理沙は一足先に食べおわった。
◆◇◆◇
朝飯を食べ終わり、何をしようかと考えていると魔理沙が何か準備しているのが目に入った。
「何してるんだ?」
「ああ、ちょうどいいな」
魔理沙は振り返ってそう言った。
「少し留守番を頼めるか?」
「留守番?どこか行くのか?」
「人里、ちょっと用があってな」
「昨日行っただろ?」
「それは買い出しだ。今回は別だ」
「で、留守番できるか?」
「まあ、別にいいが」
今でもすることが無いのに、さらに暇になるなと思いながら留守番を引き受けた。
「昼飯はなにか適当に食ってくれ」
「じゃ、なるべく早く帰ってくるからな。頼んだぜ」
そう言って魔理沙は飛んでいった。
◆◇◆◇
(さて、あいつはどこにいるかな?)
人里についた私は辺りを見渡す。
その後、人里で目的の人物がいそうな所を探すもののなかなか見つからない。
「はあぁ……どこにいんだ?」
もしかしてもう帰ってしまったのかとも思ったが、さすがにそう簡単に諦めるつもりはないため、もうしばらく探すことにした。
すぐに見つかると思っていたが、いったいどこにいるんだ?
行きそうな店は一通りまわったし、時間としてもちょうど来ている頃だと思うのだが……
「……ん?」
その時、ある光景が目に入った。
それは何かを見ようとしているような人の集まりだった。
人と人との隙間から見ようとする者、背伸びして見ようとする者、身を乗り出してより鮮明に見ようとする者。
その姿はさながら野次馬のよう。
そしてそれは、彼らが見る先で何かがあったということを示していると言っていい。
(何かあったのか?)
私も少し気になり、野次馬が見る先を見る。
「あれは…」
見えたのはある家に出入りしている人達の姿。
それはその家の人間でなければ、引っ越し作業をする人の姿でもない。
家を出入りする者たちは皆、深刻な面持ちをしていた。
家を出入りしているのは所謂自警団と言えるこの里における治安維持組織だ。
そんな人が出入りしているのだ。何かあったに違いない。
「何が──」
「殺されていたそうよ」
言いきる前にその声に遮られる。
その声には聞き覚えが──
いや、まさしく今さっきまで探していた人物の声だった。
「──咲夜」
「久しぶりね、魔理沙」
「お前、どこにいたんだよ探したんだぞ」
「あら、そうなの。気分転換に違うルートで買い物していたから気づかなかったわ」
「ごめんなさいね」と軽く謝罪を付け足すがそれに誠意というものは感じられなかった。
「はぁ……まあいい。で、殺されたってどういうことだ?」
「そのまんまの意味よ。というよりあなたなら直接見れるんじゃないかしら?」
「……あ、そっか」そういえばそうかと思い、私は家を出入りしている人たちの内の一人に話しかけた。
「なあ、ちょっといいか?」
「いえ、こちらも忙しいので後にして……巫女様⁉」
話しかけた男はこちらの顔を見ると目を見開いて驚いた。
「え、な、なんで博麗の巫女様がこちらに?」
「たまたま通りかかってな。中、見てもいいか?」
「は、はい!!ぜひ、見てってください!!」
「んな、店みたいな……」
とにかく、中を見れるのならばよかった。
「私も一緒にいいかしら?」
「?まあ、巫女様の付き添いの方でしたら」
さらっと、咲夜も交渉をしていた。
「こちらです」
「……」
案内された先にあったのは地獄絵図とも言える光景だった。
家の中には二人の死体があった。
「これは……」
咲夜も驚愕の顔をしていた。
話によると殺されたのはこの家に住む夫婦。
部屋の奥で倒れている妻には背中に包丁が深く刺さっているのが見えた。
そして何より目を引いたのが、玄関の近くで倒れている夫の死体。
足の刺し傷、床を這ったような跡、抉られた背中──
無理矢理引きちぎったような背骨。
その光景から、その時の凄惨さが見てとれる。
咲夜は信じられないものを見るような目をしていた。
それもそうだろう、こんな背中から切り開かれたような死体なんて見る機会なんてそうないだろうし、それに加え背骨を引きちぎられ、床に放り投げられている光景など見ることはないだろう。
「……目撃者はいたのかしら?」
咲夜は近くにいた男に聞いた。
「いえ、目撃者も、不審な人物を見たという話もありません」
「…そう」
「妖怪の仕業かしら?」
咲夜は次に魔理沙に聞いた。
「いや、妖怪の残穢らしいものは感じない」
「つまり─」
「人間か、相当気配を隠すのが上手い妖怪だな」
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「……」
あの現場を見てから咲夜は何かを考えているようだった。
「どうした?」
「いえ、あの夫婦、どこかで見たことがあるような気がして……」
「どこでだ?」
「それが思い出せないのよ」
咲夜はうーん、と悩む仕草をする。
「あの!うちの子を知りませんか?」
「ん?」
遠くから何かを叫んでいる声が聞こえてくる。
「どうしたの?」
「いや、あれ」
魔理沙は叫んでいる女の人を指差す。
「あれは……」
その時、咲夜のなかで何かが引っ掛かり、パズルのピースがはまっていった。
「……あっ、そう……そうよ!!」
咲夜はずっと悩んでた謎が解けた時のように言った。
「ど、どうした?」
「行方不明よ」
「行方不明?」
「ええ、ついこの前のことなのだけどあの夫婦があんな感じで子供を探していると言っていたわ」
「子供?」
「ええ、数日前に遊びに行ったきり帰ってこないから何か知らないか、と聞いていたわ」
「……その夫婦も災難だな。子供が行方不明になったと思ったら、まさか殺されるなんてな」
「…ええ、本当に」
「誰か知りませんか?」
「あっちで見たよ」
「本当ですか⁉」
再度今叫んでいる女の人を見ると、どうやら何か知っている人がいたらしい。
「…あっちは大丈夫そうだな」
「…ええ」
「ところで魔理沙」
「何だ?」
「私を探しているって言っていたけど、何か用があるのかしら?」
「……あ、ああ、そうだったそうだった」
魔理沙は一度考えた後にそのことを思い出した。
「しっかりしなさいよ…」
魔理沙は改まって咲夜と話し出す。
「明日、お前のとこに行ってもいいか?」
「明日?まあ、別に構わないけれど……」
「おう、じゃあ明日行くからな」
「……それを聞くためだけに私を探していたの?」
「うん」
「別に聞かなくてもいいのよ?」
「そうもいかねぇよ、今回はもう一人新しい奴を連れていくからな」
「……なるほど、つまりその人の分のもてなす用意をしておけと」
「おう、よろしくな」
「はいはい、わかったわよ…」
どうせお菓子を多く用意しとけってことなのだろうなと思う咲夜だった。
その時、ぐ~、とお腹が鳴った。
「どっかで昼飯食おうぜ」
「ええ、いいわよ」
おまけ
「暇」
魔理沙が人里に行ってから数時間たつもやることは見つからなかった。
「そろそろ昼か…」
何かないかと台所へと向かった。
その頃魔理沙は咲夜とお店で食べていた。
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