一章の頃のガチガチの解説という訳ではないので、息抜き程度に思ってください。
「ふぅ……ようやくこの時が来たわ」
「皆さんお待ちかねの、ゆかりんの解説コーナー!!」
「……」
「何よ、なんであなたがここに居るのよ……アリス」
「いえ……今回は、私が解説担当になりましたので……」
「……」
「いつになったら私がその担当になるのよ!!」
今回は第二章の内容が含まれますので、まだ読んでいない方は先にそちらを読むことを強くおすすめします。
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解説始まります。
「ということで、ここからは私アリスと──」
「ピースが解説を務めさせていただきます」
「それにしても、まさかピースと一緒にできるなんて思いませんでした」
「それはこちらもですが……まあ、今回は解説ということで、解説する側とされる側に立つ人物が欲しかったのでしょうね」
「……えっと、もしかして……私は、される側……?」
「……まあ、そうでしょう」
「──と、言うことで……まずは何が聞きたいですか?」
「ふ、普通に進めるんですね……」
「早く進めろと言われましたので」
「えっと……じゃあ、魔界について……とかはどうですか?」
「魔界の何が知りたいのですか?」
「えっと……結局、魔界ってどんな世界なんですか?」
「……分かりました」
「今、『マジか……』って目しませんでした⁉」
「気のせいでしょう──」
「そうですね……まず魔界というのは、私たちが元々居た世界の事です」
「えっと……つまり、私を作ったピース……が生きていた時に居た世界という事ですか?」
「あまり難しく考えなくていいですよ……でも、まあそんな感じです」
「私たちのいた魔界は、主に悪魔が住んでいましたね」
「魔界というだけはありますね……やっぱり、色んな悪魔が居たんですか?」
「ええ、結構多種多様な感じで……それに…今の状態と比べると、発展してましたよ」
「………」
「そしてこの魔界も、世界の融合に巻き込まれました」
「つまり、幻想郷と混ざったということですか?」
「いえ、この世界は別の『魔界』と混ざりました」
「別の……魔界?」
「この魔界は元来幻想郷に付随する世界、この世界は幻想郷の土地の一つのようなものです」
「う~ん……少し難しくなってきました……」
「だから、あまり難しく考えなくてもいいですって……」
「魔界が幻想郷の一部という事は……じゃあガラも、別の幻想郷の住民だったという事ですか?」
「いいえ、ガラは幻想郷の存在ではありません」
「──どういう事ですか⁉」
「ガラを含め、その他多くの悪魔や天使は幻想郷とは違う世界の存在。エリシアもその一人ですね」
「彼らの世界は、幻想郷ではなく『魔界』に引き寄せられたんです」
「魔界に……?」
「どちらかと言えば、世界の性質が魔界に近かったからでしょうね。四天だけを取っても、全員違う世界の存在なので、結構色んな世界が巻き込まれたのでしょうね」
「多国籍なんですね……」
「どちらかと言えば多世界籍ですね」
「──それにしても、色んな世界が混ざったにしては、それを感じるような事は少なかったような……」
「まあ、そうでしょうね」
「……?」
「実の所、混ざったと言うより殆どは混ざりかけたが正しいですからね」
「混ざり、かけた……?」
「主にガラのせいですね」
「彼が行った色んな世界での破壊行為、その影響で混ざりかけていた世界が壊れたんです」
「それがエリシアさんや、他の悪魔や天使の世界ですか……」
「ガラが何処から来た存在なのかは私にも分かりません。一体どういう目的があってそんなことをしていたのかも何も……」
「とにかく、ガラが色んな世界を滅茶苦茶にしてくれたお陰で、最終的に混ざった世界というのは意外と少ないのですよ。まあ、そんな私の世界もガラに滅茶苦茶にされましたけどね……」
「まとめると、魔界は私やピースのいた世界の名前。魔界も色んな世界と混ざったけど、ガラが滅茶苦茶にしたせいでその殆どが完全に混ざる前に消えちゃった──ということですね」
「ええ、そうです。良くできましたね、アリス」
◆◇◆◇
「他に聞きたい事はありますか?」
「私は魔界の事を知れて満足な感じはありますけど……」
「後もう一つ位なら、話せる時間はありますよ」
「……じゃあそれなら、私たちの戦いについて教えてくれませんか?」
「私たちの戦い……ガラとのですか?」
「はい、その中でも……あの日、何処で何が起こっていたのかを知りたくて……」
「ほら、フランさんやエリシアさんって、あの場所に来るまでで何をしていたのかなぁーって思って」
「成程、つまりあの日起こった出来事を教えて欲しいということですね?」
「はい!」
「──では、時系列的に説明しますか」
「まず、あの日起こった出来事は主に三つ」
「三つ……ガラとの戦いと、フランさん達の方で起こった事と……後一つは何ですか?」
「現世でのログとの戦いです」
「……ログ……どんな人でしたっけ?」
「はぁ……ログはエリシアと同じ四天の一人の悪魔です」
「……お会いした記憶が、ない……です……」
「そういえば、アリスは四天とは殆ど会っていませんね」
「そもそも四天って、どんな人達なんですか?」
「一言で言うなら、あの世界の中でも強い力を持った悪魔と天使の集まりですね」
「あの世界で……つまり相当強いんじゃ……」
「まあ、ガラが直接命令を下す位はありますね」
「四天のメンバーは、ログ、ツドラ、エリシア、カリエルの四名」
「私が直接会ったのは、エリシアさんだけですね」
「……まあ、運が良かったのでしょう」
「そしてあの日は主に、ガラ、ログ、そしてカリエルとの戦闘がありました」
「その、カリエルって人とは誰が戦ったんですか?」
「それがあなたの気になっていたフランとエリシアの二人ですよ」
「成程、だから二人は少し負傷していたんですね……」
「ちなみに、ログの方は十六夜咲夜と、古明地さとりの二名が相手をしましたよ」
「あっ、あの優しいメイドさんと……少し怖いさとり妖怪の方……」
「あの日はまず、私たちが魔界へと突入し、そこで全員でガラに奇襲を仕掛けたことから始まりました」
「不意を突いたと思ったのに……想像以上にガラは強かったですね……」
「そして私たちは、ガラによって一人一人分断されてしまいましたね」
「あの時は急に一人にされて怖かったです……」
「まあ、私の助けもあって博麗魔理沙と早々に合流できたのでよかったじゃないですか」
「……えっ、助け?」
「はい。色々したじゃないですか、ナビとか」
「ナビ……?あの時私は勘で……」
「その『勘』ですよ」
「──えっ?」
「私たちが分断され、各々合流を図るのと同刻──ログとの戦闘が開始しました」
「私たちが迷っている最中に……」
「かなり広い空間でしたからね……合流するのだけでも一苦労でしたね……」
「おまけに至る所から敵が出てきて……一時も気を抜けませんでした……」
「それはそれとして、ログとの戦闘が中盤に差し掛かった頃──カリエルとの戦闘が始まりました」
「私たちがガラと出会うよりも前に、既に色んな所で戦闘が始まっていたのですね……」
「そうですね。アリスたちがガラと再び出会ったのは、カリエルとの戦闘が続いている最中の事ですから」
「ちなみに、ログの方は私たちがガラの気配を感じ取った辺りで終わりましたね」
「そしてカリエルとの戦いが終盤を迎えたのが、私たちがガラと戦い、そしてこの私が表に出てアリスの代わりに戦い始めた頃──」
「その後はアリスの知っての通りですかね」
「私の……というよりピースが状況把握の為に渡してきた大体の大雑把な情報しかありませんけど」
「別にそれだけでも十分だったでしょう?」
「私が戦って、白月彩乃が合流して、その間にカリエルとの戦いが終わったエリシア達がやってきた。ただそれだけです」
「それ、だけ……?」
「……まあ、それにしても、たった一日で色んな事があったんですね」
「……そうですね」
「……アリス、お疲れ様です」
「……ピースも、お疲れ様です」
「それでは、今回の解説はこれにておしまいですね」
「何だか、長いようで短かったですね」
「──そうですね……」
「ここまで読んでくださった皆様、ありがとうございます」
「幻想滅失録第三章でも、引き続きよろしくお願いします」
「「皆様、さようなら」」
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「──そうですか……アリスについて、ですか……」
「結局、あなたが聞きたいのはそれなんですね……まあ、いいでしょう」
「……私の最終的な目的は世界の再構築──」
「完全に滅びる前に抽出して置いた世界に刻まれた情報を魔力で作り出したアリスに組み込み、いずれ滅んだこの世界に情報を再入力する事で世界を元の形へと戻す」
「それが私の計画というものです」
「その為にも、アリスには自身の中にある情報を死ぬ気で護り、そして再び魔界へと持ってきてもらう必要がありました」
「アリスの役目は世界に情報を戻す事であり、そのためにアリスは世界の核となる必要がありました。そのために必要なのは肉体ではなく、アリス自身の核──」
「確かにアリスは肉体の隅々まで情報が詰まっていますが、それらの情報も含めてアリスの中にある情報は全て核にあります」
「これでもうお分かりですね。アリスの全てを使うよりも、その核だけで済ます方が簡単だったんですよ」
「アリスの核……それは人間で言うところの魂──」
「つまり世界の核となるというのは、魂を取り出し、それを世界の核に当てはめるという事とほぼ同じです」
「人間であれば、魂を取り出すと肉体の脱け殻が残りますが、アリスの場合核が無くなってしまうと肉体を維持する事ができなくなり、そのまま崩壊してしまうのです」
「アリスもとい、こういったものはその核が一番大事な器官ですので、肉体の消滅は仕方のない事と言えますね……」
「だけどそんなことを考えていても、目的を成し遂げる前に死んでしまっては意味がない。だから私も、できる限りの事をしました。それが例え非情な決断だとしても、時にアリスの意思をねじ曲げてでも、その役目を果たしてもらわなければなりませんから……」
「アリスには、悪いことをしましたね……」
「せめてもの償いのようなもので、人間のように暮らせる少しばかりの自由を与えたりしましたが……やはり分かる人には分かるのですね……」
「そのせいで、アリスはあのような形で自身の正体を知ることになってしまった……」
「自身の役目も何もかもを初めから全て知っている。それがアリスにとっての幸せだったのでしょうか?」
「それが正しい選択だったのでしょうか?」
「……?アリスですか?」
「……アリスはもう眠ってしまいましたよ。かなり疲れていたのでしょうね……ぐっすりです」
「もう、目を覚ますことがないとは思えない程には……」
「きっとお会いする事はもうないでしょう」
「私にも、アリスにも……」
「私のするべきことは果たしました。後の事は残った彼女たちが、彼女たち自身の手で解決しなければならない」
「一体、どんな未来が彼女達を待っているのか、それを知る術は私にもありません。私もできれば、ここから見届けたかったのですが……これも仕方のないことですか……」
「彼女達が行き着く先は、一体何処なのか……?私も、知りたかったです……」