もちろん抵抗するで、拳で   作:暇けんぴ

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終章4

 

 

 

 一度ボッカを撃退するも、覚醒したボッカに窮地に立たされたショウマたち。そこに拳二とグロッタが現れ、奇跡の共闘で無事ボッカを撃退した。だがその直後、ランゴが取った行動は...

 

 

「人間共、出荷の時間だ」

 

 

 ベイクマグナムを構え、そう呟くランゴ。その効果はすぐに現れ、街中で人々が一斉に歩き出す。そんなランゴに、拳二とグロッタがすぐ動く。二人はランゴの下に移動すると、挟み撃ちにしようとパンチを放つ。だがランゴは高速移動で避け、二人から距離を保つ。

 

「いいのか? 俺を相手している間にどれだけの人間がヒトプレスになるだろうな?」

 

「その前に全部潰す...!」

 

「裏切りは許さないわ、兄さん...!」

 

「お前が言うか、グロッタ...」

 

 ランゴを止めようと攻撃を繰り出すが、その全てを避けられる。そしてランゴは瞬間移動でその場から消える。ランゴを逃がしてしまった二人は拳を握りしめ、直ぐに街中の捜索に行く。ショウマたちもそれに続き、ひたすら街中を走り回る。夜中まで街中を捜索したが、人ひとり見つからない。もぬけの殻となった街に、拳二たちは一旦研究所に帰ることにする。

 

 研究所で怪我の治療をしたショウマたちは、この後どうするか話す。するとその時、ゴチゾウの一体が扉からランゴのエージェントが出てきたことを報告する。それを聞いたショウマたちはすぐに向かおうとするが、その瞬間雷が鳴り、雨が降り出す。

 この荒天の中では追跡は無理だと断念するショウマたち。だがショウマはその雨から何かヒントを得た様子。すぐに共有するショウマの考えに、拳二たちは賛同する。そうして、明日の行動について話し合い、夜が明ける。

 

 ゴチゾウたちが追跡しているエージェントを追ってきたショウマと絆斗とラキア。拳二たちはまだ扉の間への道が使えるため、別行動している。エージェントが入っていった扉の前で、闇菓子事件を終わらせまた会うことを誓う三人。絆斗とラキアはエージェントを追いに扉を潜る。そしてショウマは、単身はぴぱれへと向かう。

 はぴぱれに帰ってくると、そこにはテーブル一杯に並べられた様々なお菓子が目に入る。その光景に驚くショウマは、そのお菓子を作って疲れて寝たであろう幸果の下に行き、彼女を起こす。

 

 ショウマが無事帰ってきたことに安堵する幸果に礼を言うショウマ。だがショウマは、更に綿菓子も作ってほしいと頼む。どうしてか聞こうとした時、一緒に作っていた優が一体どういうことなのか聞いてくる。もしかしてショウマが仮面ライダーなのではないかと問う。それに対し、ショウマは自身や絆斗たちが仮面ライダーであることを明かす。幸果も知っていたことを明かし、優がグラニュートの存在を知った切っ掛けであるブログも絆斗が運営していることを告げる。

 大量の秘密を明かされた優はゆっくりと飲み込んでいき、ショウマを優しく受け入れる。そして幸果と一緒に綿菓子を作る準備に入るのだった。

 

 

 

 


 

 

 一方その頃。

 

 ストマック社の闇菓子製造工場にヴァレンとヴラムの姿があった。彼らは事前にグロッタから聞かされたいくつもある製造工場を回っていき、ヒトプレスを回収しつつ工場を破壊していった。そしてここが彼らの担当する最後の工場。今まで集めてきたヒトプレスの数は大きな箱3箱分。彼らと共に来たグロッタのエージェントが箱の運搬をしているため、二人は回収と破壊に専念できた。

 

 ここまでと同じようにヒトプレスを回収し終え、最後は破壊するだけ。だがその時、ランゴのエージェントが現れ、二人を止めようとする。二人はすぐに対処し、エージェントもろとも工場を爆破する。後は人間界に帰るだけと、拳二たちとの集合場所へと向かった。

 

 一方、拳二とグロッタも順調に工場を破壊していっていた。こちらも最後の工場に向かおうとしていたが、二人の前にランゴが現れる。

 

「これ以上俺の邪魔をするのはやめてもらおうか」

 

「それはできない相談だな」

 

「闇菓子なんて存在しちゃいけないのよ」

 

「爺さんが生み出した闇菓子がストマック家をここまで成長させた。あと一歩でグラニュート界を掌握できるところまで来たんだ。俺の邪魔をするな」

 

「そのジジイが外道だったとしてもか?」

 

「成功には犠牲が不可欠だ。それが人間だろうが他のグラニュートだろうが知ったことか」

 

「兄さん...」

 

「お前たちをこの先には行かせん...!」

 

 ランゴはそう言うと、怪人態に変身する。拳二は道を開けようと拳を握りしめるが、そんな彼の前にグロッタが立つ。

 

「おい...」

 

「先に行きなさい」

 

「...お前の帰る場所は向こうだからな」

 

「分かってるわよ」

 

 グロッタの覚悟を受け取った拳二は、クラウチングスタートの構えに入る。それを見たランゴが拳二に向けて斬撃を放つが、それをグロッタがパンチで粉砕する。

 

「兄妹喧嘩と行きましょう? 兄さん」

 

「...最初で最後だ」

 

 怪人態に変身したグロッタにランゴがそう返すと、二人は拳をぶつける。その余波で廊下にヒビが入るが、二人は構わず殴り合う。その脇を拳二が高速で通り過ぎ、彼女のエージェントもそれを追う。

 

 グロッタは鎌に炎を纏い、ランゴを切り裂こうとする。それをシールドで受け止め、鎌をシールドで囲んだランゴは、大剣にエネルギーを纏わせグロッタに斬撃を放つ。彼女はそれをキックで相殺すると同時に衝撃を解放。鎌を軸に回転するとランゴにかかと落としを浴びせる。脳天に直撃したランゴは軽い脳震盪を起こすが、直ぐに態勢を整える。背中から翼を出し、翼から特殊なエネルギー波を放つ。それによってグロッタの感覚を狂わせ、彼女の周りを高速で飛びながら攻撃する。

 

 最初は衝撃で相殺したり太刀筋をずらしたりして防いでいたが、感覚が狂っているせいで徐々に攻撃を受けていく。攻撃の一つ一つが重いため、衝撃をチャージしようとしてもダメージの一部はそのまま受けてしまう。

 

 鎌をシールドで固定され動かせない中、刃をシールドに思い切りぶつけて破壊する。その破片に残存しているエネルギーを使い、シールドを複数の箇所から一斉に攻撃することで破壊。自由になった武器の柄から刃を再生成し、飛行するランゴを一撃で撃ち落とす。

 

 お互いダメージが限界を迎えようとする中、二人は最後の一撃の構えに入る。最初で最後の兄弟喧嘩。次の一撃でそれが終わろうとする中、二人は家族として過ごした過去を思い出していた。

 

小さい頃から兄と慕い、自分の後ろをついて来ていた最愛の妹。幼少期からその大きな背中に憧れ、いつか隣に並び立とうと想い続けた自慢の兄。いつから二人の歯車がずれたのかはもう覚えていない。だが今まで過ごしてきた時間を思い返し、覚悟を決める二人。

各々が目指す未来を切り開くため、目の前の敵を倒す。その想いを胸に、二人は同時に地面を蹴り、武器を振り抜く。二人が交差し、しばらくその場で静止する。

 数秒経ち、グロッタが膝から崩れ落ち地面に横たわる。彼女のガヴには大きな一文字の傷がつけられており、そこから出血している。

 

 二人の勝負の結果はランゴの勝利で幕を下ろした。

 

倒れる妹を見つめるランゴだが、彼もガヴを押さえながら膝を着く。よく見ると以前彼女に付けられた傷とは別に、斜めに大きな傷がついていた。

ランゴは二度も傷をつけられたことに複雑な想いを抱く中、静かにその場を離れる。一人残されたグロッタは、必死に倒れまいと壁を支えにしながら拳二のもとに向かおうとする。今ここで倒れると自身の眷属が消滅してしまい、作戦に支障が出る。そのため、倒れまいと必死に傷を押さえるが、出血が止まらない。

 

薄れゆく視界の中、遠くから爆発音が聞こえる。どうやら拳二が工場の破壊に成功したようだ。これで後少しだけ耐えれば、作戦が成功する。必死に意識を繋ぎとめようとするが、戦闘のダメージは想定以上で体に力が入らなくなっていく。

そうして少しずつ意識が朦朧とする中、遠くから足音が聞こえてくる。誰なのか確かめようとするが、目の焦点が合わなくなっていた。いよいよもうダメかもしれないと思い、力が抜け倒れそうになったその時、彼女を支える誰か。

 

「おいグロッタ! しっかりしろ! グロッタ...!!」

 

「拳、二...」

 

彼の声が聞こえたグロッタは、安心して意識を手放すのだった。

 

 

 


 

 

 

 幸果と優の協力の下、大量のお菓子を食べたショウマ。全て食べ終えると、はぴぱれの外に行き、ふわマロフォームに変身。見送りにきた優は初めて見る変身に驚きながらも、彼の姿に希望を見出す。

 

 二人に見送られながら、ガヴは具現化した文字を掴み空へと飛んでいく。しばらくして人々が大勢いる場所の上空へ行くと、ガヴにあるゴチゾウをセットする。それは綿菓子を食べたことで生成されたもふパチゴチゾウだった。

 

 ゴチゾウの力を解放すると、ガヴから辺り一帯の空を覆う雲を生成し、そこから青い雨が降り注ぐ。雨に当たった人々から毒素と催眠の影響が消える。これは、綿菓子を作る際に毒素の中和剤を混ぜたことで、ゴチゾウに中和剤の力が付与されたのだ。ガヴはこれを利用し、次々と人々の催眠を解いていく。この中和剤はニエルブが開発したゴチゾウにも作用し、ゴチゾウたちは機能停止していく。

 

 次々と催眠を解いていったガヴは、遊園地で着地すると変身を解除。グラニュート界で行動している絆斗たちに合流しようとするが、そんな彼の前にランゴが現れる。傷だらけのランゴに少し動揺するも、ショウマは最後の戦いだと悟り、構える。

 

 ランゴはどこまでも邪魔をするショウマに、終わらせると言ってミミックキーに手をかける。だがその時、ショウマはランゴにとっての幸せが何か聞く。ストマック家の繁栄。ただその為だけに動くランゴに、本当にそれが彼にとって幸せなのか問う。その問にランゴは怒りを覚え、ショウマに掴みかかる。そして、邪魔者を全て排除した先にしか自身の未来はないと告げる。例えそれが愛する家族だったとしても。そう顔を歪めながら言い放つランゴに、ショウマは、ランゴも父親と祖父によって歪められた自分と同じ被害者なのだと感じた。

 

 それをランゴは否定し、今度こそ純粋なグラニュートである自分と、人間の血が混ざった半端者であるショウマとの差を思い知らせると告げる。それにショウマも応じ、二人は同時に変身。最後の戦いの火ぶたが切って落とされた。

 

 一方その頃、ストマック社内で大量のエージェントに囲まれた絆斗とラキア。だがそこでラキアは一人残り、絆斗にヒトプレスと共に人間界に戻るように告げ、殿を務める。ラキアの意思を汲んだ絆斗は、扉の間にて人間界に続く扉を目指すが、その道中ジープに阻まれる。二人は取っ組み合いになりながら街中から離れた港に通じる扉から出てくる。

 

 絆斗もジープとの最後の戦いに臨もうとするが、そこにリゼルも乱入。父が仮面ライダーとランゴによって倒されたことをランゴから告げられたリゼルは、復讐のため絆斗を倒すと決意する。だがそんなリゼルをジープが制止。冷静ではない彼女では倒されてしまうかもしれない。二度と自分の前から大切な存在を失わせないジープは、自分が一人で戦うと前に出る。

 

 そんな二人の様子に、絆斗は二人にグラニュート界に戻るように告げる。この復讐の連鎖を続けてはいけない。自身も復讐に身を焦がした経験を持つが故、二人にも。その先の世代にもこの連鎖を繋げてはならないと思った。

 

 絆斗は二人を説得しようとするが、二人の決意は固い。それぞれビターガヴと怪人態に変身する二人を前に、絆斗は決意を固め変身する。そして三人の戦いが始まる。

 

 場面は戻り、ガヴとランゴは高速戦闘で遊園地内を駆け巡る。だがガヴの攻撃は完全に見切られ、マスターモードの高速も、オーバーモードの超パワーもランゴに通用しない。それどころか、ランゴは翼を展開するとそこからエネルギー波を放つ。それによってゴチポッド内のゴチゾウを倒され、変身が解除してしまう。

 

 生身の状態のショウマを蹴り飛ばすランゴ。ショウマはその勢いを利用してブリザードソルベに変身し、ランゴの攻撃を受け止めるとカウンターで斬撃を入れる。更にゴチゾウたちを召喚し、彼らと共にランゴに攻撃を入れていきながらケーキングへと変身。

 

 ホイップ兵を生成すると、兵たちにゴチゾウたちの能力を付与して共に戦う。それに対し、ランゴは自身の能力をフルに使う。ホイップ兵の攻撃をシールドで防ぎ、ガヴの攻撃は大剣で防ぐ。ホイップ兵たちがそれぞれの力で攻撃を飛ばしてくるが、ランゴが翼からエネルギー波を斬撃の様に飛ばして攻撃を消し、そのままホイップ兵を消滅させる。

 

 消滅したホイップ兵の後ろからガヴが不意打ちで二撃入れ、更に追撃しようとするが防がれ、カウンターを浴びせられる。その直前にグルキャンに変身したことでダメージを無効化する。ランゴはグルキャンの頑丈さを知っているため、連続攻撃で防御を割る。すると中からチョコダンに変身したガヴが銃撃を浴びせる。だがその銃撃はランゴには効かず、斬撃を浴びせられる。

 

 吹っ飛ばされたガヴは柱に叩きつけられそうになるも、ゴチゾウがガヴの下に来てふわマロに変身。柔らかい装甲で衝撃を吸収し、ノーダメージに抑える。だがそこにランゴが急接近してガヴを掴む。そのまま空中に飛び、ガヴを観覧車に叩きつける。

 

 その衝撃も吸収してザクザクチップスに変身。双剣からポテチ状の斬撃を大量に放つが、エネルギー波によって消される。そして足場が限定されるガヴをランゴがあらゆる角度から強襲するが、巧く攻撃を捌いて距離を離す。距離を離されたランゴは大剣にエネルギーを込めて投げるが、ガヴが必殺で勢いを相殺させそのまま武器を破壊。だがその衝撃で足場にしていたゴンドラが破壊され、落下してしまう。慌てて骨組みを掴み、何とか落下を阻止したガヴの下にゴチゾウたちが来る。すぐにポッピングミに変身して、バイクで窮地を脱する。

 

 二人は遊園地中を駆け回りながら攻防を繰り返すのだった。

 

 

 

 


 

 

 一方その頃、ヴラムは扉の間で次々と扉を破壊していた。

 

 絆斗を逃がすため殿を務めた彼は、無事エージェントたちを倒し切り待合の場として決めていた扉の間に来た。だがショウマたちの姿は無く、そのため扉の間を破壊することを決める。

 

 次々と破壊する中、ある扉を破壊するとこの空間を維持する力が乱れたのか、一気に空間の崩壊が進む。その崩壊に巻き込まれ、ヴラムの足元が崩れてしまう。その衝撃で変身が解けたラキアは、崩壊していく空間を見てもう助からないと直感する。

 

 落下する中、人間界での思い出が蘇るラキア。楽しかった日々がもう送れないことに少し寂しさを感じながら、彼らの無事が確保されたことで安堵する自分がいることを自覚する。そのことに笑みを浮かべ、いつもの口癖を呟く。

 

 

「だる...」

 

 

「諦めてんじゃねえぞ、ラキア!」

 

 

「っ!?」

 

 

 死を受け入れ瞳を閉じた中、規格外のあの男の声が聞こえる。その声に目を開けると、そこには手を伸ばす拳二の姿が。

 拳二はラキアの腕を掴むと、そのまま思い切りまだ残っている扉へと投げ飛ばす。そして自分も落ちていく扉を上手く足場にして扉を潜り抜ける。それと同時に背後が爆発し、扉の間に通じる扉が閉まる。

 

 無事人間界に戻れたラキアは、その嬉しさに浸っていると拳二に拳骨を食らう。

 

「なんでお前らグラニュートは無茶ばっかしやがるんだ!」

 

「ッテ...俺しかできなかったからな」

 

「だからって一人でストマック社に残ったり、扉の間を破壊したりって一人でやるレベルじゃないだろ」

 

「それは...俺しかできなかったからな」

 

「同じことを言うな!」

 

 そう言ってもう一度拳骨を食らわせる拳二。流石にラキアも無茶をしすぎたと自覚しているからか、反論しない。そうして二人は、はぴぱれへと向かった。

 

 場所は変わり、港ではヴァレンとビターガヴたちの戦いが佳境に入っていた。

 

 二人の連携に苦戦するヴァレンだが、持ち前のフィジカルで持ち堪えながらカウンターを入れていく。それに対し、二人も互いの武器を交換しながら攻撃を入れていく。

 

ジリ貧の戦いが続く中、ヴァレンに向かって同時攻撃を繰り出す二人、とそこに、一筋の斬撃が二人に炸裂する。見覚えのある斬撃に思わず振り返るヴァレン。その視線の先には、血塗れになりながらも鎌を振りかぶったグロッタの姿があった。

 

「おい!大丈夫なのかその傷!?」

 

「ええ、拳二のおかげでなんとかね。でも傷が残ったわ。ランゴ兄さんったら、遠慮ないのだから。」

 

「なんでそんな傷受けて軽く流せるんだよ...」

 

いつもの調子なグロッタに呆れつつも、強力な助っ人にヴァレンは闘志を高める一方、ビターガヴとリゼルはグロッタの存在に警戒を示す。

 

「姉さん...ランゴ兄さんに勝ったのね。」

 

「でもそんな体で私たちに勝てるかしら?」

 

「別に勝ってないわよ。兄さんはいつまでも強いままよ。でも、アンタたちに拳骨食らわすぐらいはできるわよ?」

 

グロッタはそう言うと怪人態になり、両腕からフルチャージ状態のエネルギーを解き放つ。その衝撃に二人は吹っ飛ばされ、近くの倉庫の壁に叩きつけられる。さらにそこにヴァレンがグロッタの鎌を足場にし、高速で射出される。その勢いのまま二人にラリアットを食らわせる。

 

即席コンビの連携に圧倒されるビターガヴとリゼル。だがそれで終わる二人ではなく、ビターガヴの能力で地面からポテトスティック型のエネルギー体を生成し、それを足場にして二人でヴァレンたちに攻撃する。一撃一撃は小さいダメージでも、疲弊しきった二人には有効打になる。

 

そんなビターガヴたちの狙いを悟ったヴァレンは、ゴチゾウを回す。そして地面を踏み抜くと、辺り一面を氷結させていく。それはビターガヴたちにまで届き、二人の足をエネルギー体と一緒に凍らせる。動きを封じたヴァレンは、グロッタと共に凍結した地面を滑り、二人同時にドロップキックを浴びせる。これを食らったビターガヴたちは今までのダメージもあり、立ち上がれないでいた。

 

それを見たヴァレンは、エネルギーをチャージする。グロッタもそれに合わせ、右腕にエネルギーを集結させる。ヴァレンがジャンプし、ドロップキックの体勢に入るとそれを押し出すように衝撃波を放つグロッタ。二つのエネルギーが合わさったキックがビターガヴたちに向かうが、土壇場でビターガヴがリゼルを庇い、一人でキックを受ける。

 

大爆発が起き、その中から変身が解けたジープがリゼルにもたれかかる。リゼルが必死に呼びかける中、瀕死のジープの前に死んだはずのシータの姿が浮かび上がる。

 

「なにやってんだよ、ジープ。せっかく守ってやったのに」

 

「シータ...私、シータの気持ちやっとわかった...」

 

 

「「これでまた、一緒だ...」」

 

 

 幻影と手を合わせたジープは、大切なものを守れたことに満足し、光となって消滅する。消滅したジープに、リゼルはまた自分のもとから大切な人が居なくなったことを受け入れようとせず、泣き叫ぶ。そんな彼女の様子を人間態に戻ったグロッタは、複雑な面持ちで見つめる。そんな彼女の肩を変身解除した絆斗が叩き、二人揃ってヒトプレスが入った箱と共にこの場を去るのだった。

 

 一方、戦いの場所を倉庫街に移したガヴとランゴ。

 互いの力を削ぎながら相手が倒れるまで続くこの戦いは、夜を迎えていた。

 

 翼を捥がれたランゴとほとんどのゴチゾウを使い果たしたガヴ。互いに限界を迎える中、先に力を使い果たしたのはガヴだった。

 変身が解けたショウマに、これがグラニュートと人間の違いだと言って蹴るランゴ。だがショウマは立ち上がり、違うのは変わらないランゴと変われた自分だと言う。ずっとストマック家に囚われているランゴと違い、人間界に来てから色んな出来事を経て、成長したショウマ。それはランゴが持ちえないものだった。

 

「ランゴ兄さん...最後にもう一度だけ聞く。どうする...二度と人間に関わらないか、この場で俺に倒されるか!」

 

「お前が俺に倒されるんだ!」

 

 ランゴはそう言うと、ショウマに殴り掛かるがそれを避け、ガヴにゴチゾウをセットするショウマ。そのままレバーを回し、全身から力を右足に集めていく。そしてガヴの姿に変身すると、ランゴは拳を。ショウマはキックを放つ。ランゴの拳はガヴに当たらず、ショウマのキックが炸裂する。

 

 最後の一撃を受けたランゴは爆発し、羽根となって消滅した。周囲に羽根が舞い落ちる中、ショウマはその場に持っていたグミをそっと置き、この場を離れる。

 

 こうして最後の戦いが幕を閉じた...

 

 

 

 


 

 

 数か月後。

 

 はぴぱれでカップケーキを作ったショウマは、味見をする。思ったような味ができたことに喜んでいると、ガヴから新たなゴチゾウが生まれる。幸果にも味見をしてもらい好評だったことで、ショウマはカップケーキをタッパーに入れ、どこかに持っていく準備をする。

 

 その時、はぴぱれに絆斗がやって来て場所を借りたいと幸果に頼む。何回も来ている絆斗に、流石に今度から料金を取ると伝える幸果。それに慌てる絆斗は、日雇いで賄ってもらおうと頼む。

 そんなやり取りを聞いていたショウマは、絆斗と働けることに喜ぶが、あくまで日雇いであると強調する絆斗。それでも嬉しそうにするショウマは、二人に声をかけてどこかに出掛ける。そんなショウマに疑問に思う絆斗に、幸果が答える。

 

 数か月前の戦いで扉の間が破壊されたことにより、人間界に来ていたグラニュートが帰れなくなった。そんなグラニュートたちのためにと、闇菓子に変わるお菓子『光菓子』を作ろうと奮闘しているショウマ。それを聞いた絆斗は、あるグラニュートを思い浮かべる。今もあの場所から動かない人物に渡してみてもいいかと思う絆斗は、自分のやるべきことに集中する。

 

 一方、ショウマはひだまりに来て、優から試作の感想を聞いていた。

 

「うーん、僕は前の方が好きかな」

 

「えー、みんなが好きなお菓子って難しいな...うーん、みちるさんはどんなお菓子が好きかな?」

 

「どうだろうね...ショウマ君が作った物なら、なんでも美味しいって言うんじゃないかな」

 

「え...?」

 

「君がとても一生懸命だから」

 

 どこか含みのあること言う優に、ショウマは何か思いながらも自分の夢に向かってまた一歩進もうとする。ついでにその場にいたある二人にも味の感想を求めるショウマ。

 

「うーん...もうちょっと甘さ控えめでもいいんじゃないか?」

 

「もっとガツンと来るのがいいわね」

 

「甘さ控えめでガツン...難しいよ、拳二さん。グロッタ姉さん」

 

 ショウマが感想を求めたのは拳二とグロッタだった。

 

 あの戦いの時、拳二の応急処置と彼の力によって無事助かったグロッタはその後、拳二やショウマたちと一緒にはぴぱれのバイトとして働いている。

 

 二人の感想に更に悩むことになるショウマだったが、最悪二人用にお菓子を作ればいいかと納得してその場を去る。そんなショウマを見送った拳二たちは、優に礼を言って一緒に店を出る。

 

 二人でしばらく歩いていると公園の入り口から子供たちの相手をするラキアが目に入る。よく公園で昼寝をしているところを子供たちに見られ、いつの間にか遊び相手のお兄さんになっていた。ラキア自身まんざらでもない様子で、弟や妹ができたみたいに接している。子供たちと楽しく遊んでいる彼の様子に、拳二たちは笑顔になり、また歩き出す。

 

 そうして向かったのは、今も二人で暮らす山の住処。以前と違い家具が増えているが、デンテが当時使っていた実験道具などは今も当時の状態で置かれている。それはデンテを亡くした寂しさを紛らわせるためか、彼も一緒に暮らしていると思っているからなのかは誰も知らない。

 

 住処に帰ってきた二人は動きやすい服装に着替えると、山の中腹に行く。そしてある程度距離を離すと、同時に相手に向かって駆け出し、拳をぶつけ合う。

 

「今日負けた奴は週末のクレープ奢りな!」

 

「いいわよ! 私が勝ったらチュロスも奢らせてあげるわ!」

 

「じゃあ俺が勝ったらたい焼きな!」

 

 二人はそう言って距離を取る。そして右腕を振りかぶるとまた同時に駆け出す。

 

 

「「歯ァ食いしばれ!!!」」

 

 

 そう言ってお互いの顔面に拳を放つ二人。初めて会った時から変わらない二人のやり取り。それを楽しむ二人を眺める光が少し離れたところから笑っているように見えるのだった...

 

 

 

 

 

 

 FIN……

 

 

 




本編最終回を迎えれて嬉しゅうございます。

後日談的なのとGRADUATIONSネタを書いたら一旦完結となります。またVシネやFSの配信がされる頃にひょこっと投稿するかもです。


やっぱ最後はみんな揃ってほしいよネ☆


<追記>
一部編集し直しました。若干こじつけ感あるけど許して☆
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