スローター・ハイウェイ   作:バカの棺

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いつも感想有難うございます。10を初めて貰ってびっくりしてます、本当に感謝しています有難うございます!
現在この話が抱えている問題(時系列)を解決するために前の話を所々改変するかもしれませんのでご容赦下さい。感想での参考になる提案誠に感謝しています、次話の見通しは消えました。


七話

・【騎兵】イグニッション

 

「なぁ悪かったって」

 

「何がや、別にワイ怒ってへんがな」

 

 じゃあなんで俺の足をずっと踏んでるんですかね。割とHP減り始めてるからやめて欲しいんですけど?あと十字架の銃口向けないでくれますかね?

 

「足も踏んで銃口向けてるそれを怒ってる以外になんて言えばいいんだよ」

 

 一面に広がる砂漠は先程の戦闘もとい蹂躙で荒れに荒れまくっていた。あんなことがあったからだろうかモンスターが寄ってくることは無く一種のセーフティゾーンのような物になっていた。

 とはいえ当の本人がご機嫌斜めなのはいただけない、原因は自分なのだが。

 

「【UBM】倒すんは早い者勝ちやからな、おどれは何も悪くあらへんよ?別に当時レベル13の下級職に追い越されたとしても怒る事やあらへんわ。ミイラになりかけてる時に助けてくれた奴がまさかその下級職で〈エンブリオ〉も第一形態のヤツに先越されただけやし時の運ってやつかもな」

 

 滅茶苦茶根に持ってんじゃん…どうすんのこれ?

 おいデュラ、こういう時はおめーの出番だろうがよ、乙女心とか分かるんじゃねぇのか?

 

『マスターの記憶から適切な行動を探してみます……』

 

『…適切な行動、分かりません。もっと女性経験積んでください』

 

 うるせぇこちとら工業校出身だぞこのやろう。

 

『では普通に謝るべきでは?先に倒してしまってすみません、と言えば解決でしょう』

 

 だがあそこで倒してなかったら被害がもっと広がっていたかもしれないだろ、俺は別に報酬目的で倒したわけじゃ無いし何よりアレは誇れる事でも無い。もし彼らを侮辱するような事を言うのなら最悪コイツとドンパチやってやるよ。

 

『勝算ありますか?』

 

 わからんが勝てる勝てないの話ではない。コレは彼らの尊厳にかかわる話…だと俺は思ってる。

 だが仕方が無い、()()倒してしまった事だけは謝ろう。倒したことについてはノーコメント。

 

「ヴォルフ!」

 

「ひゃあ!?」

 

 思いっ切り肩を掴んで目を合わせると存外可愛い声が出た。

 なんだよ、乙女じゃねぇか。

 

「確かに先に倒したことは悪かったって謝るべきかもしれないからスマン。だが倒したことに関しては俺は一歩も譲らんからな」

 

「お前も言った通り早い者勝ちだからなって事と、既にアイツの被害が出ていたんだ。何人もの人がアイツに殺された、俺はソレを黙って見てるなんてできなかったんだよ」

 

 俺の言葉にヴォルフは一瞬目を見開いた。まるで『何を言ってるんだコイツ?』とでも言いたげな顔であった。

 言いたい事はなんとなくわかる、『〈Infinit Dendrogram〉はゲームでティアンはただのNPCだろうに何故そんな本気で言うのだろうか』といった感じの事を言いたいのだろうが俺はそう見ることが出来なかったわけだ。

 

「その為に私が生まれたようなモノですからね」

 

 気付けばデュラが隣に立ち言葉を繋げていた。

 

「こちらも自己紹介をさせていただきます。イグニッションの〈エンブリオ〉、TYPEメイデンwithチャリオッツの【首無御者 デュラハン】と申します。以後お見知りおきを」

 

 恭しく礼を一つして姿勢を直す。間違いなく今する事では無いだろう。

 

「というかマスターこの人『ひゃあ!?』なんて言ってましたね。もしかしてあれですかロールプレイとかいう奴ですか?可愛らしいですね」

 

 お前頼むから黙ってくれよあっちプルプル震えてんじゃねぇかどんだけキレてんだよこえーよ。

 あ、引き金に指かかったぞ。死のカウントダウンでもはじまったか?

 

「ですがあなたの行為は半ば八つ当たりに近いものですよ。代替案としてはアレですが他の【UBM】捜索に協力しましょう、勿論特典はあなたが貰えるように戦ってください。あれだけ強いのならこっちが全力で協力しても特典はあなたの物になると思いますからね」

 

「マスターもそれなら異論は無いですよね?」

 

「勿論だ」

 

 他の探す協力は惜しまないとも。それに見る限りの移動手段は徒歩だけだろうし、俺と協力すれば格段に速い移動手段が手に入る筈だ。

 向こうにとっても悪い話では無いだろう。

 

「……フン、しゃあないわその話飲んだる。せやけど勘違いすんなよ?ワイはお前をいつでもギタギタに出来るんやからな、おどれが逃げようとしたら背中から撃ち抜いたるから覚悟しとき」

 

 お、これは良い感じに話がまとまりそうだ。向こうの印象は大分悪そうだけど。

 なんか若干嬉しそうにしてるのは何故だろうか。

 

「ほれ、パーティ加入申請せぇよ」

 

「え?俺がリーダーだろ?」

 

「あ?」

 

「は?」

 

 言い争いはもう少し続いた。

 

────

「…ッ……なんでワイが初心者のピヨピヨヒヨコちゃんの下につかなアカンねん…!」

 

「しょーがねーだろ負けたんだからよ」

 

 現在俺の後ろにヴォルフが抱きつく形で走行している。デュラが気を利かせてチャリオッツ体でタンデム走行ができるように形を弄ってくれたおかげでこのツーリングが実現した。

 パーティリーダー云々の話はじゃんけんで俺が勝ったのでパーティリーダーになった。やはりじゃんけん、じゃんけんは全てを解決する…!

 

「ていうかさっきの話通りアルターまで案内してくれるんだろうな?」

 

「おう、どっかの誰かさんがワイの目的ぶっ潰してくれたおかげカルディナに用無くなってもうたからな」

 

 引き摺ってんなぁ…。

 

「今からお前の事振り落としたっていいんだぜ?」

 

「んぎっ!?…ちょっと言い過ぎたわ…スマン」

 

「ところでそないに低いレベルでどう勝ったんや?普通13で勝てる様な相手ちゃうで?」

 

 やはりどう勝ったかは気になるか。それもそうか掲示板で見たのはパーティでもイカツイ数字だったり単独でもかなり高めだったわけだし。ジョブに関してはどうしてもあの【虐殺者】が出て来るが他は真っ当にカッコイイ名前が多かった。

 

「デュラのスキルだよ。効果はかなり強いんだけどデメリットが確定でデスペナみたいなもんだから【ユーロビュート】を倒したあの一回だけしか使ってない」

 

「私がいなきゃ勝てなかったんですからね、えっへん」

 

「ほえー…第一で【UBM】倒せるほどって相当やな、ワイの第一なんて弾丸そのものやからな?使えるスキルなんてソイツ単体で打ち出すぐらいしか出来へんしもっかいやる為には金払わんといかんしであんま便利なものちゃうかったわ」

 

 『最初のころは苦労したなー』と最後にヴォルフは付け足した。弾丸そのものとは確かに苦労しそうだ、だが今は先程の戦闘で使っていたようにれっきとした銃器になっている様だ。

 

「ま、お互い苦労しとるようやな、当然といや当然か。あそうやそろそろ山見えてくるはずやで、〈クルエラ山岳地帯〉っちゅーてな?アルターの東側にある所やさかい領土内には入れるで」

 

 その発言通り数分か経った後に目に入って来たのは豊かな緑だった。一面に色がる緑はカルディナでは見られなかった光景で少しばかり感動を覚える、風に吹かれてざぁざぁと揺れるその緑たちは見ていて実家を思い出した。実家は山に近い場所にあるので窓からよくこういった光景を見ることが出来たのだ、小さいときは何とも思わなかったが今はなんだか感慨深い。

 

「ちなみにやけどあそこにいるモンスターは大して強くあらへんがひときわ強い山賊がおるから気ぃつけよ、こっちが手ぇ出さへんかったらまず大丈夫やけど念のため鉢合わせんようにしとくことや」

 

 後に”不屈”によって壊滅させられる山賊団を要警戒対象にしておく。

 コイツが言うには二人だと勝ち目が無いらしい、どんだけ強いのか少し気になったが今はやめておこう。

 

「目印とか覚えとるから見つけたら教えたるわ、その通り進んでくれたら王都アルターやでー」

 

 たしかチュートリアルでアルター側の初期セーブポイントになっている所だったな。結構綺麗な街並みだった気がするから楽しみである。

 

「おっ、アレや!あの周りよりもちょっと大きい樹が目印やで!」

 

 ピシッと指を指している方向には周りよりも若干高いだけの樹があった。

 …なにか嫌な予感がしてきた。

 

「もしかして目印って全部そんな感じでつけてきたのか?」

 

「おん?そうやで!デカいやつは目立つからな!」

 

 ……おぉん…。

 

『これ迷うやつですよね?』

 

 うーん多分恐らくメイビー。

 なんだか結果が見えてきて目を瞑りたくなったがまだ希望は残っている筈なので諦めずに行こう。走り続ければ段々と森が近づいて来て遂に突入する。

 砂漠だと快適だったが森の中に入るとチャリオッツ体のデュラは取り回しが悪くなる、度々木にぶつけそうになるので冷や汗ものだ。次の形態はもっと取り回しのいいものになったら嬉しいなーだなんて考えながら走り続ける。

 

「次あそこな、ほんで次はあっち」

 

 すいすいと言うものだから覚えているのだろう、記憶力がいいこった。

 

「…?あっち、やっぱあっちや」

 

 前言撤回コイツ適当こいてるわボケ。

 ここで迷ったらマジでシャレにならねぇぞオイ、ここに犬のおまわりさんはいねぇんだからな?

 

「オイ適当な事言ってるだろお前。正直に分かりませんって言えばここで置いてってやるよ」

 

「はぁ!?んなわけないやろドアホ!!ちゃんと覚えてるっちゅーのホラ次アッチや早よ行け!」

 

 こんな調子で俺達はアルターに向かって行った。幸い食べ物とかはアイテムボックスに入れて置いたので当分餓死の危険性は無かったが、何時になったら付くのかという考えが頭を占め始めるとどうしようもなく気が遠くなってくる。

 太陽が上にある時に出発して今は完全に沈み切っている、もう夜になっていた。幸いライトはあるらしくリアルの感覚でボタンをポチポチしたら問題なく点灯した。

 しょうがないので夜を過ごすことにした、夜番は交代という事で決まりキャンプセットとかは事前に買っておいたからその点の心配は不要だ。流石金さえあれば何でも揃えられる国カルディナと言った所だろうか。

 ずっと走り続けていた影響か食事も特に会話は無く各々時間が回ってくるまで泥の様に寝ていた。

 

 そんな感じの旅?を二日ぐらい続いたある日、変化が訪れた。

 その日は夜が明けてから行動を再開した。

 暫く進んでいると光景に変化が現れた。先程までの濃い緑とは打って変わって柔らかな緑が増えてきており、周囲にはキノコがまばらに生えていた。そして目を凝らして見てみればそれは日が昇っているにも関わらず淡く光っているのだ。

 なんとファンタジーで幻想的な光景だろうか。少しテンションが上がって来た、新しいマップに入るのは何時の時代もワクワクする。きっと万人共通だろう。

 アルターとは随分ファンシーな国の様だ。着くのが楽しみになって来た。

 

「アルターってこんな感じなんだな、〈クルエラ山岳地帯〉は外側にあるからあんな感じだったのか?」

 

「…スマン」

 

 俺にはその言葉の意味がよく分からなかったが、猛烈に嫌な予感がした。

 

「ワイこんな植物知らんわ、そもそもアルターで光るキノコなんて見た事無いし……あるとしたら〈レジェンダリア〉とかやで…?」

 

 ……は?

 

「今ここにあるの光るキノコなんだが???」

 

「……ホンマスマン…ワイの責任にしたってや」

 

「え?え?え?マジで言ってんの??」

 

「「………」」

 

 しばしの沈黙、破ったのはヴォルフだった。

 

「…多分ワイら〈レジェンダリア〉入ったわ」

 

 この旅の面倒事はまだまだ続いていた。




実を言うと早い所戦闘シーンに移りたいです。
最近オチが雑になっている気がしますが許していただけると助かります。
5/31追記
色々弄りました。多分これで大丈夫だと思いたいですホントに。新しい話を出したいので頑張ります。
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