クソみたいな人生からの逆転を賭けたウマ娘人生 作:筋肉ムキムキのマッチョマン
俺は自分が生きている理由がわからなかった。
生物としては子孫を残すことが生きる理由。
俺はそれが自分の生きる理由だとは思わなかった。
ある人は言った。
人は一生を掛けて自分の生きる理由を導き出すのだと。
それこそが生きる理由だと。
俺はそれも自分の生きる理由だとは思わなかった。
結局、自分の生きる理由がわからないまま人生を送っていった。
幼い頃は、プロのスポーツ選手になることが生きる理由だった。
クラブに通って、まぁまぁ上位の結果を残せてたと思う。
そのまま部活に入り、もっと強くなって一位になると思っていた。
だが現実は違かった。
中学校の部活は、退屈だった。
やれ仲間を大切にしろ。
自分一人で勝とうとするな。
チームで勝つから意味があるんだ。
部活は勝つためにやるものじゃない。
そんな顧問の言葉に俺は殺されていった。
自分の今までの生きる理由を奪われて俺は自分の意思を表面に出さなくなった。
それからは、親に言われた進学先に進学して、親に敷かれたレールを歩んでいくだけ。
友人関係も友達の意見を尊重し、自身の意志を全て押し殺し、友人全員にいい顔をした。
そのおかげで友人は増えたが親友と呼べるような存在はできなかった。
正直言ってクソみたいな人生だった。
自分の生きる理由もわからず、ただただ人にいいように生きただけ。
そんな人生だったからか、最後はトラックに轢かれて死んだ。
トラックに轢かれた直後でも俺の頭の中にあったのは自分の生きる理由と自分が死んだ先にどこに辿り着くかだ。
俺は長いような短いような時間の間、意識がなくなっていた。
そして目を開けるとそこには白い光を放つ球体が浮いていた。
よくわからず手で伸ばしたり縮めたりしていると一つの声が聞こえた。
「いい加減我を手でいじくるのをやめんか!」
「…誰だ?どこからしゃべっているんだ?」
俺が思わず球体を離して周りを見渡した。
だが周りには芝しか生えておらず、この空間にあるのは俺と球体だけ。
意味がわからず困惑していると声がバカにしてきた。
「なんじゃお前、これでもわからんのか!ガハハ!鈍いの〜?」
「……」
俺は腹が立ち、怒りのままに球体を蹴り飛ばした。
すると声の主は焦ったように俺を止めてきた。
「やめんか!この罰当たりめ!神様を蹴るとは!これだから最近の若いもんは…教育がなっとらん!」
「アンタ…もしかしてこの球体か?」
「おお!やっと気づいたか!そう!我こそは偉大なる天照大神じゃ!」
その名前を聞くと球体が確かに太陽に似ているような気もするようになった。
俺はそんな神が俺に何の用があるのか気になり質問した。
「なぁ神様…普通はこういうのって地獄か天国じゃないのか?ここは天国にも地獄にも見えない」
「そんなん人間が勝手に妄想したもんじゃろ…死んだら何も残らん。普通はな?」
「普通は?」
「お前さんはこの我が特別に転生か消滅かを選ばせてやろうと言うのだ!地上に降りれなくなって何千年…地上の人間の生活を観察していたが、お前さんの人生が虚しすぎての…見てられんかったんじゃ…あんなに小さい頃は才能に満ち溢れていたと言うのに…見事な転落ぶりだったぞ…」
俺は悩んだ。
神様の煽りを無視して悩んだ。
また転生してもクソみたいな人生の繰り返しになるのではないか?
転生した先でも日常を送ることができるのか?
俺は悩みに悩んだ。
そして俺は自分の選択を決めた。
「転生します」
「おっ!以外じゃな…お前さんだったら断りそうだと思ってたのに…」
「まだ自分の生きる理由も見つけてないし…それに、少しでも希望があるならそっちを選びたい」
記憶も残らずに消えるだけか、幸せかどうかわからない、苦しい思いをするかもしれない、死んだ方が良かったと思うことがあるかもしれないハイリスクな転生先。
それでも俺は少しでも光のある方に歩む。
「…物好きじゃの…それじゃ、転生させるぞ」
そう言うと神様は宙に浮き、高速で俺の方向に飛んできた。
「は?」
俺と神様はぶつかり、俺の意識は途切れた。
もっとまともな転生のさせ方はなかったのか…
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暗闇の中に一筋の光が見えた。俺は無意識にその方向に惹かれて進んでいった。
「おぎゃぁー!おぎゃぁー!」
「う、うちの子は無事に産まれましたか?」
「もう大丈夫ですよ。元気なウマ娘です」
「よく頑張ったな!」
光の先には俺の母親と思わしき女性と、その夫と思わしき男性がいた。
うん、もう少し転生する時期の融通を利かせて欲しかったよ神様。
成人した男性が赤ちゃんプレイを無理矢理させられるのはキツイ…
「あなたの名前はグーテスレーベン…これからよろしくね」
「いい名前ですね…きっとお子さんも喜ぶますよ」
「ああ、グーテスレーベン…いい響きだ!俺はレーベンを一生君と一緒に愛すと誓うよ!」
「きっとすごいウマ娘になるわ…私と貴方の子供だもの…」
ドイツ語でいい人生…中々なネーミングセンスしてるじゃないか。
少なくともいい人生を送るため転生した俺にはお似合いな名前だ。
待て、なんで日本語を喋っているのにドイツ語の名前なんだ?
それにウマ娘とはなんぞや?
普通男か女じゃないのか?
名前から想像して…馬面の人間!?
嫌だ!
名前がドイツ語なのはこの際どうでも良い!
でも馬面だけはダメだ!
こんなところで早速人生を終わらせたくない!
ブサイクかイケメンかで人生は幸せになれるか決まるんだ!
クソ!恨むぞ神様!
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俺はもう小学生になっていた。
ここまで人生を送って知ったことをまとめよう。
まず、この世界は俺の前いた世界とは別物だ。
何だよウマ娘って!
しらねぇよ!
しかも馬面じゃなくてめっちゃかわいい女の子だったよ!
意味わかんねぇよ!
あと何で息子がいなくなってるんだ!
いや!確かにウマ娘だから息子があるとおかしいけど!
一度も使ってなかったんだぞ!新品なんだぞ!
あの神様には男の心がないのか!?
……取り乱してしまったがこれはしょうがないだろう。誰だって自分の常識が覆ればこうなる。
あと知ったことは、この世界の競馬は競馬という名前ではなく、トゥインクルシリーズという名前に変わっていた。
ウマ娘がそこで走り、競い合うらしい。
…人間並みの体であんな速度が出せるのはファンタジーとしか言いようがない。
それ以外はほとんど元の世界と一緒だった。
歴史も途中ウマ娘が登場しているが大体は一緒だ。
日本という国もあるし、自衛隊もある。スマホもテレビもゲームもある。
これは人生勝ったな。
飯食ってくる。
「レーベン〜?ご飯よ〜」
「は〜い!すぐ行く〜!」
ウマ娘はウマ娘からしか産まれないらしいのでもちろんお母さんもウマ娘だ。
生まれたときは困惑していたせいで、視野が狭くなっていてお母さんにウマ耳がついているのに気づかなかったが、お母さんにも立派なウマ耳がついている。
そして、ウマ娘は全員容姿端麗なのか、俺もお母さんもすっごい美人だ。
元の世界だったらアイドルになれるだろう。
それくらい美人だ。
…男だったのに自分で自分を美人というと中々くるものがある…ツライ…
「それじゃあ!いただきます」
「「いただきま〜す」」
お母さんの号令で親父と一緒にいただきますを言う。
親父はいつも俺たちが飯を食うタイミングで帰ってきており、給料も子供が三人ぐらいいても問題ないくらいあるので勝ち組と言うやつだ。
親父こそ俺の夢の到達点だった…?
「レーベン、学校はどうだった?友達はできたか?」
「大丈夫だよ。友達は…うん、いつかできるよ」
元成人した男性が小学校ごときの授業で躓いていたらそれは切腹ものだろう。
友達に関してはジェネレーションギャップというものだ。
流行りについていけない。
小学生特有のノリにも流石に成人した男性としてのプライドがあるのでついていけない。
あれを成人した男性がやっているとしたならば俺だとしたら蹴ってでも止める。
それぐらいやばい
それに元男の意識が邪魔をして女と関われないのが要因だろう。
幼女ときゃっきゃうふふする度胸はまだ俺にはないよ…
男と関われば良いかもしれないが、俺は今、自分でいうのもなんだが美人だ。
それはもう、前世の自分が出会っていたなら一瞬で性壁が変わるくらいには。
そんな美人を小学生の好きな子にはちょっかいかける以外愛情表現のないクソガキがちょっかいかけてこないわけがない。
わざわざ、自分にちょっかいかけてくる奴と仲良くしたいと思うか?思わないだろう…そういうことだ。
「レーベンは頭も良いし足が速いからモテると思うぞ!なっ!母さん」
「ええ、私も小学校の頃は足が速いからってもてはやされてたわね」
小学生は足が速ければモテる。
厳密には違う。
イケメンは顔に自信があり、外に出るから身体能力が高くなる。
ブスは顔に自信がないので外に出なくなり、身体能力が衰える。
ブスは足が遅く、イケメンは足が速い。
これが少し捻じ曲がり、足の速いやつがモテるという説が産まれた。
結局は顔のいいやつがモテるのだ。
これは俺が前世で経験した実体験だ。
だが今世は違う!今の俺はウマ娘!=かわいい!アッチョットダメージガ
…待て…これでモテるというのは男子にでは?………いや、俺の恋愛対象は女だ。
それは転生前でも後でも変わらない不変の事実だ。
クソ!意味がない!結局足が速くても何の意味もないじゃないか!
あぁ…このままボッチで学校生活か…クソ!あの神許せねぇ!