クソみたいな人生からの逆転を賭けたウマ娘人生 作:筋肉ムキムキのマッチョマン
ガチャ
「失礼するわよ」
「ああ…マルゼンか…何の用だ?」
「何の用って…ルドルフ、ボケちゃったの?今日はレース試験の合否を決める日でしょ…」
マルゼンスキーが呆れたようにルドルフに教える。
ルドルフはそれにハッとしたような顔をした後、咳払いをして早速レースの映像を観ることにした。
「…このウマ娘は?」
ルドルフはあるウマ娘が走っている映像に目を惹かれた。
そのウマ娘は…
「ええっと…確かグーテスレーベン?だったかしら」
「このウマ娘は合格だ」
「え?ルドルフ気に入ったの?…正直あまりルドルフの好みに合う娘とは思えないけど」
「ああ…最高に最悪だ。」
マルゼンスキーはよくわかってない様子だが、適当に頷いて言葉を返した。
「これについては、ルドルフの管轄だから私に異論はないわ。それじゃ!頑張ってね〜!」
マルゼンスキーが生徒会室を去った後、ルドルフは一人静かに笑っていた。
「…グーテスレーベン、あまり私をがっかりさせるなよ?」
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結局両親のお話し合いの結果親父はなんとかファン1号の地位を維持することに成功していた。
ウマ娘相手にも引かない姿勢を見せた親父に俺は敬意を表する。
代償にゲッソリしていたが、必要経費というやつだろう。
俺が気にすることではない。
その後中央トレセン学園に持って行く荷物を選別していたが、母さんが過保護なせいですごくパンパンになってしまった。
ありがたいことなんだが、トレセンの部屋に入る気がしなかったので大半は家に置いてきた。
そうして、俺は自分の必要な荷物を全てまとめたバックを持って、中央トレセン学園の校門前まで来ていた。
…でかすぎないか?いや、でかい学校ということは知っていたがこの大きさは予想外だ。
これで一度もレースに勝てなかったら…。
考えるだけでも恐ろしいので俺は一旦考えるのをやめて荷物を部屋に置きに行った。
まだ同室の相手の荷物はなく、入学式までまだ時間があるとは言え時間にルーズなウマ娘なのだろう。
そう思いながら俺も事前に説明された入学式の会場に向かうことにした。
入学式は問題なく終わった。
前世と変わらない普通の入学式だった。
生徒会長と校長みたいに偉い人がこれから頑張れよ、って言うだけだった。
でも生徒会長の言ったEclipse first, the rest nowhere. 確か意味は
「 唯一抜きん出て並ぶ者なし 」
これには前世で卒業したはずの厨二心がくすぐられた。
男という生物はいつだって最強に憧れているのだ。
…この体になってから更に最強という存在への憧れが強くなった気がする。
これは神様のせいなのかそれともウマ娘としての欲望なのだろうか。
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入学式が終わったあと教室に戻り、クラスメイトの自己紹介が始まった。
この自己紹介を失敗すれば、小学校に上がったばかりの時みたいに人が寄ってこなくなるかもしれない。
これは慎重に前のウマ娘の自己紹介を真似して、変に目立つことなく乗り切ろう。
「私の名前はメテオセレナスで〜す!好きなことはブレイクダンス!好みのタイプは------------!」
は?
「じゃあ次のグーテスレーベンさんお願いします」
え?これはどうすれば良いんだ?
好みを言えば良いのか?
くそっ判断材料が少なすぎる
許さんぞギャルっぽいウマ娘!
俺の恋愛対象は女だ。
やはり男よりも可愛い女の子と関わりたい!
だがその好みを言ってしまえば俺は同性愛者として孤立してしまうだろう…ならば!!
親父の特徴を言って切り抜ける!
ありがとう親父…これで俺は孤立せずに済む…
我ながら天才的だぜ
「俺の名前はグーテスレーベン。好きなことは走ることで、好みのタイプは己の信念を最後まで突き通す人です」
俺は昨日の親父の姿を脳裏に浮かべながら答えた。
完璧だな。
これで俺がこの学校で孤立することはない!
俺がそう思っていると横からツッコミが飛んできた。
「何好み言うノリに乗っとんねん!自分のところでそんなノリ止めんかい!」
おぉ関西弁だ。生で初めて観た。
「なに珍獣を見た時みたいな目しとんねん!」
「タマモクロスさん。まだ自己紹介の最中なので大きい声は控えてください」
「あっすんません」
タマモクロス。
芦毛のウマ娘で赤と青が混ざっているメンコが特徴的だ。
…正直チビなことも相まってウサギみたいだと思っていたが、喧嘩っ早いところを見ると野良猫みたいだ。
…え?待って、俺の自己紹介ってダメだったのか?くそっ!恨むぞ神様!
「ワシ関係ないじゃろ!」
俺の頭の中で神様が抗議してきた気がするが関係ない。
俺は無視して他のウマ娘の自己紹介を聞くことにした。
その後自己紹介は特に問題なく終わった。
俺の心にダメージを残してな!
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俺が自席で意気消沈しているとタマモクロスが俺に話しかけてきた。
「さっきはすまんかったな…思わずツッコんでしもた。改めて!ウチの名前はタマモクロスや!好きに呼んでくれてええで」
「わかったクロ」
「なんでクロやねん!?もっとあるやろタマモとかタマとか!それにウチは芦毛や!芦毛のウマ娘にクロって舐めとんのか!」
「…冗談だ」
「ほんまやろな!なんか少し怪しい隙間があったぞ!」
しょうがないだろ。
友達にあだ名をつけることなんてなかったんだから。
好きに呼んでと言われてもパッと良い名前なんて出るわけがないのだ。
…友達?
「タマモ」
「おお!直してくれたか!」
「俺とお前は友達か?」
「なんや急に…まぁ友達になってやらんでもないで」
やったぜ!これでボッチは回避だ!ありがとう神様!ありがとうギャル!
「これからよろしくタマモ」
「なんや…笑えば結構ええ顔になるやん。もうちょい無愛想な奴だと思っとったわ。」
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新天地で新しい友達ができたところで、俺は同室の相手を確認するために自室に戻っていた。
入学式の前に俺が入った時には荷物がまだなかったので、もしかしたら一人部屋なんて可能性もある。
まぁそんな部屋なんて室長を抜いたら一つあるかないかぐらいだろう。
俺は部屋のドアを捻り自室に入った。そこには
「誰も…いない?」
俺の荷物以外何一つない空間が広がっていた。
嘘だろ?フラグ回収までが速すぎるよ…
皆んなが同室の相手と和気藹々と荷物を解いている中、俺は一人寂しく荷物を解いていた。
別に馴れ合うためにトレセンに来た訳じゃないし、同室の相手と仲良くする妄想なんてしてなかったし、一人でも平気だし、同室がいなくても変わんないし。
一人で黙々と作業していたおかげかはわからないがまだウマ娘が少ない時間帯に風呂に入ることができた。
別に一人部屋なことを気にしているわけではない。
…………恨むぞ神様
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私は、最も速いウマ娘を見つけるために故郷から離れて世界中を回っている。
今は皇帝と呼ばれているウマ娘の事を聞いて日本のトレセン学園とやらに訪れてレースを観ているが、どうやらもう引退しているようだった。
ぶっちゃけ用はもうないが暇だったので滞在している。
しかし、予想通りというべきか今のところ私のお眼鏡に適うやつはいない。
日本はまだレース後進国というのが私の認識だ。
最近になって国際レースでも勝てるようになっているが、遠征で成功しているウマ娘はいない。
ここにも私の目的はいなかったか、そう思いため息を吐きながら私がそろそろ帰ろうと腰を上げたとき、レースが始まった。
まだ本格化の始まっていないウマ娘たちのレース。
当然、このウマ娘たちより速いウマ娘をたくさん見てきた。
だが、そのレースに目が惹かれる。
自分自身でも何故目が惹かれるかわからない。
ただ、このレースを観ないと絶対に後悔すると、無意識のうちにそう思っていた。
私は目が惹かれる原因を探すために走っているウマ娘を一人一人丁寧に見ていくが、わからなかった。
全員が普通のウマ娘よりは優秀だが私が目が惹かれるほどではない。
そのままレースは進み、スパートが始まった。
刹那、プレッシャーが私を襲った。
昔よく感じた自分の勝利しか考えていないエゴイスト特有のプレッシャーだ。
今はまだ自分の内に隠しているのか微弱なものだが、レースを経験して自分のエゴを成長させれば…
「見つけたぞ…」
世界一の
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4コーナーに入り、周りのウマ娘が最後の直線に向けてスパートをかけ始めた。
流石に中央のウマ娘たち、スパートをかけても外にあまり膨らまない。
好都合だ。
外に膨らまないことを意識しているせいか外がガラ空きだ。
しかも外の方が芝の状態が良く、スピードが乗りやすい。
それに…外が一番勝利の匂いがする。
クラブでレースをしているとき、無意識のうちに行っていた自分のゴールまでの最適な道の選別。
最近になってそれをようやく意識してできるようになった。
俺はバ群から外に出て一気にスパートをかけた。
前のウマ娘は外から俺が来たことに驚いて少し足が緩んだ。
予想だにしていないことが起きると誰だって驚き、一瞬でも力が緩む。
俺はこれを狙っていた。
力が緩んだ瞬間に2段目のスパートをかける。
前のウマ娘は簡単に俺に前をあけ渡した。
そのまま先頭でゴール。
ゴールを踏んだあと、スピードを少しずつ落としいってスカウトが集まる場所に行こうとした。
すると急に帽子を被った女のトレーナーが俺の元に走ってきた。
やはり溢れるイケてる男のオーラが隠せてなかったのだろう。
すごく目を輝かせて…なんか、まるで空腹のライオンの目の前に肉をおいたときみたいな目の輝かせ方なんだが?
「よぉ…お前、名前なんて言うんだ?」
「グーテスレーベン…デス」
「お前まだトレーナーって決めてねぇよな?」
「まだ決まってないデス」
「じゃあ決定だ。お前、私の担当になれ」
「は?何言ってんだアンタ」
こいつ頭でも沸いてるのか?初対面の人(ウマ娘)になんの誘い文句もなく急に担当になれって…。
ここはやはり成人男性だった頃の経験を活かしてさっさと退散してもらおう。
「私はお前の内に秘めてるエゴに惚れた。だから私のモノになれ」
…ヤベェ。
成人した人の厨二病ほど痛いものはないぞ。
なんだよエゴって。
ここは強引にでもこの場を去ろう。
「いやだ、俺はお前の担当にならない」
「ハァ?何でだ?」
「普通に唐突に勧誘されてもはいそうですかでいく訳ないだろ」
「そうか…お前がその気なら無理矢理にでも私のモノにしてやるよ」
あ、失敗した…。こいつはキレたのか、俺に詰め寄ってきた。
俺は距離を取るために後退りするが、俺が下がった分こいつが近づいてくる。
そして、ついに背中が壁に当たってしまった。
もう逃げ場所はない。
お互いの息が顔にかかるぐらいの距離になった。
するとそいつは俺の首を掴み、何か言ってきた。
「お前が逃げ出すことは許さない。もし、他のトレーナーの担当になろうとしたら私の下で直接首輪でもつけて飼ってやる。逃げるな。逃げるなら、私のすべてをもって、お前の人生をめちゃくちゃにしてやる。お前の気持ちや考えなんてどうでも良い、私はお前が欲しい。お前には、私を夢中にさせた責任がある」
怖ッ!
何でこんな詰められてんの?!俺はこいつと初対面だし心当たりが特にないんだけど!
ちょうど人の目が当たらないところに追い詰められたせいで助けは期待できない…。
あぁ…くそ、首を掴まれてるせいで思考がまとまらない…。
「もう一度聞く、私の物になれ…グーテスレーベン」
息がくるしい…はやく…さんそ…さんそ…
「わ…かった」
俺がそう言うとこいつは手を首から離して俺を解放した。
俺は無くなった酸素を求めて必死に息を吸う。
そして、そいつは嬉しそうに顔を歪めていた。……やっぱ変態だろ
何で俺がこんな目に遭うんだ。恨むぞ神様!
???‥eclipseとライバルをしていたが不慮の事故で一生走ることができなくなってしまった