クソみたいな人生からの逆転を賭けたウマ娘人生 作:筋肉ムキムキのマッチョマン
レース内容を修正しました。
結局、あの変態トレーナーの担当になることになってしまった。
最初は嫌々トレーナーのトレーニングに付き合っていたが、時が経つにつれてその感情も薄れた。
あのトレーナー確かに変態だが、優秀だ。
俺に合った練習をきちんと教えてくれる。
それはそれとして
「おら、次は坂10本だ。さっさと起き上がれ」
「もう…足が限界なんです…かれこれ三時間ずっと走ってるんです…勘弁してください…」
「そんなん知らねェよ。根性で立ち上がれ、日本にはヤマトダマシイ?ってやつがあるんだろ?」
「それは昔の話で…今の日本人にはそんなものないです…」
「うるせぇ、つべこべ言わずに走れ。私が5秒数え終えるまでに走ってなきゃプラス10だ」
めちゃくちゃ鬼畜なのだ。
もちろん俺が根性なしな訳でもないし、体力がない訳でもない。
ただ、こいつが鬼畜なのだ。
あっヤバい。本当にカウントダウン始めやがった!
唸れ俺の足!坂を20本にされたら確実に俺は死ぬ!
ここで自分の足に無理を言わせないで、いつ言わせるって言うんだ!
お願いだ神様!俺に力をくれ!うおおおおおぉぉぉぉ!
「はいゼロ〜。プラス10な。さっさと走れ」
神はいなかった。
「次のメイクデビュー。こいつがまだ腑抜けたことを言ったら…そのときは」
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トレーナーの鬼畜なトレーニングが終わって風呂に入った後、俺は倒れるように布団に入り、そのまま睡眠を貪った。
あの鬼畜のせいで足は筋肉痛で、歩くたびに痛みが足全体に流れる。
筋肉痛が筋肉の成長を感じられて好きだとい変態の知り合いがいたが、俺は嫌いだ。
そうして、筋肉痛の痛みに苦しみながらも何とか登校した。
そんな俺を迎えてくれたのは...
「お?お?ここがええんやろ?」ツンツン
突かれるたびに足全体に痛みが走り、俺はその痛みに耐えるだけで精一杯で、されるがままになっている。
「やめろぉ…やめてくれぇ…」
「へへへ、どないしよかな〜?やめてほしいならそれ相応の態度ってもんがあるよな〜?」
「昼飯奢るからぁ…やめてくれぇ…」
「もう一声欲しいなぁ?」
クソォ…こいつ俺が下手に出てるからって調子に乗りやがって…
あまり大人を舐めてると潰すぞ
「ふぐぅ!?」
なんで急に押す力が強まって…あ、やばい。
大人の矜持とか言ってる場合じゃない!
人として何か大事なものを失ってしまう!
「今週全部の昼飯奢りますから勘弁してくださいぃ…」
「へへ!まいどぉ!」
タマモは嬉しそうに足を突く腕を止めて顔を綻ばせる。
理由がカツアゲじゃなかったら俺も素直に喜べるんだけどな…。
でも助かったぜ…あと少しで恥を全て捨てて泣き叫ぶところだった。
「まぁ昼飯の話は置いといて、そないきつかったんか?」
ふぅん…こいつあの変態トレーナーのトレーニングを舐めているな?
「そんなに気になるなら一回一緒にやるか?」
「遠慮させてもらうわ。アンタでそないになるんやったらウチやったらもっとえらいことになるからな」
チィ…道連れにできなかったか…
「人の心とかないんか?」
なに!?心の声が読まれただと!?
「思っきし声に出てたわ阿呆。それに…見てもらえてるうちが花やで」
「?それってどうゆう」
「そろそろ授業始まるからさっさと座ったほうがええで?」
タマモは誤魔化すように俺の席から離れた。
俺はさっきの発言が気になり聞こうとするが、授業をしに先生が来たせいでそれは阻まれてしまった。
その後もタマモに近寄ろうとするも悉く阻まれてしまった。
結局、タマモの発言の真意を知ることができなかった。
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心にしこりを残したまま俺はメイクデビューを迎えることになった。
トレーナー曰く、早いうちにデビューさせてレースの勘を身につけておいた方が良いとのことだ。
俺としてもクラブに通っていたときに立てた、まだ他との頭脳の差があるうちにめっちゃ稼いで、さっさと引退しよう大作戦があるので、これは好都合だ。
このレースでの俺個人の目的は、現在の俺と周りの差を理解して、どのレースなら勝てるか、どれくらいまで勝てるか、その大体を求める。
レース結果としては欲を言うなら、このレースで余裕を持って勝っておきたいところだ。
俺のメイクデビュー。
新しい人生のスタートが始まる。
『さぁ!始まります小倉レース場芝1000m。新たな物語のスタート地点であるメイクデビュー。このレースで世代を代表するウマ娘は現れるのか、一番人気は10番サツマプリティー二番人気は2番ウイニングコウイチ。期待を胸に今ゲートインが開始されました。』
『各ウマ娘スムーズにゲートに入り終わりました。そしてゲートが開いてスタートしました。先頭争いはどうなるでしょうか』
ゲートが開く、俺の本能が今すぐ出たい。
そう叫ぶ。
だが今出てしまえば俺のレースプランが全て狂ってしまうので、なんとか理性で本能を抑えつけて他のウマ娘よりも後ろの方につくことに成功する。
前の方では三人のウマ娘が激しい先頭争いをすると予想していたが、どうやらサツマプリティーに先頭を譲ったようだ。
特にレースの展開が速くなることもなく先頭争いが終結した。
俺の方も同様に特に位置争いが起こることなく、後ろから二番目の位置にいることに成功した。
それもそうだろう、1200mという短い距離でわざわざ最後方につくにはよほどの理由がない限りしない。
周りも特に異変がなく緩やかにレースが進んでいる。
……そろそろ始めるか。
「…ッ!」
前のウマ娘との距離を詰めて、背後にピッタリと付く。
さらにわざと足音を大きくするトッピングもつけておく。
すると前のウマ娘はさっきまで保てていたぺースが面白いほど崩れる。
一人のウマ娘のペースが崩れるとその波は周りにも伝播する。
まるで、静かな水面に石を投げたときのように。
そう。
俺がわざわざ後ろについた理由とは周りのペースを乱すことだ。
視界外からいきなり自分と違う足音が自分の足音よりも大きく聞こえたら誰だって焦る。
よく、レース初心者のときに先輩にやられた戦法だ。
さっきの緩やかなレース展開と打って変わって、ペースが速くなり、全員が自分のレースプランを乱されたであろう。
ここからは俺以外の全員がアドリブを求められる。
これがシニア級などのベテランだったら一瞬で対応されるだろう。
まずペースを乱すことさえ許されないだろう。
しかしここはジュニア級で自分含め本番のレースを走ったことのない所謂新米たちのレースだ。
なら、つけ入る隙はあちこちに転がっているだろう。
最初の直線が終わり、コーナーを向かえる。
俺は混乱状態の続いている入り乱れている内ではなく、スペースの広い外を選択する。
外だとスピードを落とさずにコーナーを回ることができるが単縦な走る距離が伸びる。
内だと最短ルートだが、外に膨らまないようにスピードを調節しないといけない。
一長一短だが、今回の内と外では内に行くのはリスキーすぎるだろう。
それに、元々1200mという短い距離であることとトレーナーがたくさんシゴいてくれたおかげで体力に余裕ができた。
少し走る距離が伸びてもスパートに影響はないだろう。
コーナーを曲がり終えて最後の直線に入った。
現在の順位は9位ら辺になるだろう。
先頭までは約4バ身。
このまま外からぶっちぎれる。
いや、周りの妨害をしつつスパートをかけた方が確実だ。
俺は外から内側に寄って後ろのウマ娘の進路を違反を取られない程度に妨害する。
これで後ろから強襲される可能性はもう無くなったと考えていいだろう。
次に前のウマ娘。
スパートを開始しようと足を強く踏み込んでいる。
いいカモだ。
外から軽く肩を当てて重心を崩す。
これだけでスパートは炸裂しない。
そいつはそのまま後ろのバ群に飲み込まれて前に出るのが不可能になった。
同じようなことを何度か繰り返して、もう前は一人ウインニングコウイチだけだ。
一対一のタイマン。
ここからは単純な足の速さ比べだ。
重心を前に倒しながら、足を思いっきり踏み込んでスパートを開始する。
ウインニングコウイチも必死に走っているが余裕で追いつける。
トップ層には負けるが純粋な身体能力なら俺だって結構あるのだ。
着々と距離を詰めて、そのまま並ばずに抜き去る。
ちょうど俺が先頭になったときにゴールを切った。
『グーテスレーベンがハナ差でメイクデビューの勝利を飾った!ウイニングコウイチも惜しかったですね。』
目の前で二着になったウマ娘が膝から崩れ落ちる。
よほど悔しいのか、涙と鼻水が混ざって顔がぐしゃぐしゃになっている。
このレースに人生を賭けたのだろう。
少しだけ罪悪感を覚える。
俺は本来ここにいないはずの存在だったのだ。
俺がいなければこの子はレースに勝てていたのだ。
もう転生したことは割り切ったと思ってた。
そう思うようにしてた。
本当に俺はこの道に進んでよかったのか…?
遅れてすんません。普通に用事とか忙しいとかじゃなくてサボりです。