「長官、五分いただきたい」
その言葉にどれだけの威力があっただろう。アルゴスホロウの上空、ヘリの中で行われている話し合いの中でこの言葉を発した本人はそれに気づいているのだろうか。
エーテルコアの複製という特性を持つレルナ。その影響でこのホロウの活性化の速度は異常なものとなっている。このアルゴスが大型ホロウになることだけはなんとしても阻止しなければいけない。それは道理であり、この新エリー都を守るTOPS、防衛軍が果たさなければならないこと。
「
しかし星見 雅は違った。この少女が今果たそうとしていることはただ一つ。
「208名に与えられるべき…
この世界ではよくある話。ホロウ内で命を断たれることは、何も珍しいことではない。だからこそ、雅はそれをよしとしない道を選んだ。あの日、母親をこの手にかけたあの時から。
あの悲劇を繰り返さないため。多くの誰かを救うべきための、
五分だ」
この五分のため、雅はここまで来たのだ。
「はぁ…お嬢さんが強のは知ってるわ。けど世の中蛮勇じゃどうにもならないの」
TOPSの顧問がそんな雅に言い聞かせる。しかし
「ホロウの中で戦ったことは?」
「言ったはずよ!強襲は悪手だって!」
それでも止まる理由にはならない。止まれない理由がある。そしてそれは、ここに居る誰もが知っていること。
「言ったはずだ。私こそ、
単独ヘリからホロウへ急降下。雅がホロウに突入した次の瞬間…
アルゴスは悲鳴をあげた。
~数日後~
「貴方は確か」
ドアが開くと先についてただろう女性、そして今来た男性の二人はアルゴスの真上のヘリの中にいた者同士。
「え?確か防衛軍の…」
「貴方も異動を?」
「うーん…」
「着いてたか」
少し考えていると、男性の横にはここにいるはずではない人物がいた。
「え?待った、星見執行官!?虚狩りの叙勲の方は!?」
「欠席した。勲章は後で送らせる」
「ゆ、輸送で!?」
最強の証である虚狩りの叙勲式を欠席した挙句、自分では取りに行かず送らせるという。この発言に男性は驚きを隠せていない。
そしてそんなことを気にも止めていない女性は雅に問いかける。
「我々にどんな御用ですか?」
「刀は刃のみになてならず。刃のみでは新エリー都を救えない。私は信じる。お前たちなら根源を暴ける。そして私は刀となり、
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悲鳴をあげたアルゴスを
「面白くなりそうだ」