ダフネ・ラウロスが強くても(エリート戦士ぐらい)いいじゃない   作:れいが

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ウチはダフネ・ラウロス。

ラウルさんとアキさんが同行して新人の皆とダンジョンへ潜ったんだけど、あまりにもウチの力が桁外れだって事でフィン団長と相談する事に。

アキさんの見立てでは中層どころか下層までは普通に潜れるって...

ちょっと買い被ってる感じがしたけど、それだけウチの実力を評価してくれてるんだね。

話を聞いたフィン団長は少し考えてから、中層まで降りる許可を出してくれた。

流石に下層は誰かと一緒じゃないと危ないから、数日後に開始する遠征が終わってアイズかティオナ辺りと一緒に行くようにとの事。

フィン団長の配慮に感謝しつつ、アキさんを交えた相談は終わった。


ウチの仲間に手を出しておいて、ただじゃおかないよ

 それから数日が過ぎて・・・ウチはミィシャにダンジョンへ潜ると伝えにギルドへやって来ていた。

 

 「あ、ダフネさん。こんにちは」

 「おっす、ミィシャちゃん。今日もダンジョンに潜るね」

 「はーい。今頃、ファミリアの皆さんはどこくらいまで潜ってるんですかねー」

 「まぁ、下層辺りは余裕で潜ってると思うよ。じゃあ、行って来るね」

 

 手を振って見送ってくれてるミィシャちゃんにウチも手を振り返してギルドを後にする。

 バベルの方向へ歩き出そうとした時...誰かに見られてるのを感じ取った。

 この感じからして、どこかしらの神様がウチを観察してるみたいだけど・・・そういうのは嫌だからやめてほしいわね。

 

 そんな訳でウチはダンジョンの5階層辺りを徘徊してるモンスターの気を頼りに瞬間移動してバイナラする。

 

 5階層に着くと目の前にはコボルトが居て、ウチがいきなり目の前に現れたからビックリしてた。

 攻撃される前にウチは鼻先をデコピンするとコボルトは岩肌にめり込みながら消えていった。

 

 魔石とかドロップアイテムを入手しないといけないのにまたやらかいしちゃったわね・・・

 

 ウチは気を取り直して下の階層へ向かった。

 道中、襲い掛かってきたモンスターを今度は手加減して倒したら、スピリッツソードで胴体を斬り裂いて魔石を取り除く。

 

 ・・・それにしても、上層のモンスターって何でこんなにも弱いの・・・?

 気功弾とか気功波とかの気のコントロールを小指で動かさないといけないくらいだし。

 

 「えっと・・・多分、17階層かな?この広い所が嘆きの大壁だとするなら」

 

 ウチの目の前にはものすごく巨大な壁があって、巨大な穴が縦状に空いてた。

 多分、階層主のゴライアスが出現してそれをファミリアの皆か誰かさん達が倒したのかもね。

 

 その大穴を通って18階層へ入ると・・・そこに広がっていた光景に思わず感嘆の声を漏らした。

 

 「へぇ・・・ここが迷宮の楽園ね。確かにさっきまでの通路と雰囲気が違って、どこか神秘的だわ」

 

 光が差し込む天井を見て、ダンジョンなのに空があるってリヴェリア副団長が言ってたのはこういう事だったんだね。

 あの天井を埋め尽くしてる青い水晶が地上の水晶と繋がってるからかなって考察してみたけど・・・

 よくわからないからすぐに考えるのを止めて、とりあえずリヴィラの街って宿場街があるみたいだからそこへ・・・

 

 「っ・・・!?」

 

 下の階層からものすごい数の気を感じる・・・さっき倒してきたモンスターよりも強いみたい。

 しかも、その近くにリヴェリア副団長や知ってる気も感じる。まさか、皆の所で何かやばい事が起きたんじゃ・・・

 

 「助けに行った方がいいよね。どうやって来たか教えるは後回しにして・・・!」

 

 ウチは2本指を額に添えてリヴェリア副団長の気の位置を正確に捉えるとすぐさま瞬間移動する。

 綺麗な風景が一瞬にして変わって、リヴェリア副団長が目の前に立っていた。

 

 「・・・な!?ダ、ダフネ!?」

 「リヴェリア副団長、助けに来たよっとっとと!?」

 

 一瞬呆然としたけど、すぐにウチだと気付いて驚くリヴェリア副団長に話しかけながら近寄ろうとしたら・・・

 足元に転がってた石に躓いて前のめりになる。その時、咄嗟に伸ばした手がリヴェリア副団長のぱふぱふをむにゅっと・・・

 

 「・・・あ、着痩せするタイプなんですね」

 「・・・~~~!!」

 「ぶへっ!」

 

 流石は都市最強の魔導士。魔法だけじゃなくて腕っ節もそりゃあるよねってくらいの鋭いビンタ・・・

 ウチは引っ叩かれて赤くなってる頬っぺた擦って悶えてると、リヴェリア副団長が肩に手を添えて心配そうに顔を覗かせてきた。

 

 「す、すまない!つい、手が出てしまって・・・」

 「だ、大丈夫ですよ。それよりも・・・あれが襲い掛かってきてるモンスターですね?」

 「ああ、そうだ。いきなり湧いて出て来たと思えば、この状況だ・・・」

 

 盾とかまな板とか鍋の蓋で防いでる先輩達の前には尋常じゃないデカさの芋虫のモンスターが大群を押し寄せてきていた。

 確かにこんな数が一気に襲い掛かってきたんじゃ苦戦を強いられるよね。

 しかも・・・吐き出してくる体液で盾が溶かされてしまってる。それを浴びたせいで重傷を負ってる人も・・・

 

 「・・・ちょっと本気を出しちゃおうかな」

 「何?まさか・・・無謀だ!もうすぐフィン達が戻って来る!1人で立ち向かうのは危険過ぎる!」

 「ウチがやらなきゃ手遅れになるかもしれないんですよ。任せてください、絶対に皆を守ります!」

 「ダフネ!」

 

 リヴェリア副団長の制止を振り切ってウチは跳び上がると、まずは足元の芋虫を蹴飛ばして着地する。

 ウチが居る事に驚く先輩達を他所に脇を締めて両手を握り締めると体中に気を溜め込んで爆裂させた。

 

 背後の先輩達まで巻き込まないよう、なるべく前方へ一気に気を放出して芋虫の大群を吹っ飛ばした。

 

 「な、何をしたんだ・・・!?」 

 

 大体30Mぐらいのスペースを確保できたから、またこっちへ押し寄せて来るまでの時間は稼げたかな。

 それじゃ・・・まとめて消し炭にしてやるわよ。

 

 ウチは両手首を左手が上、右手が下になるよう組み合わせて手を開きつつ体の前に構える。

 

 「かぁぁぁぁぁああああああ!」

 

 両手を反転させながら腰の辺りに持って行き、体内の気を両手の掌の中に集中させる。

 

 「めぇぇぇぇぇええええええ!」

 

 両手の掌の中に集まってくる気は青白い光球となっていき、ウチの周囲に風を巻き起こした。

 

 「はぁぁぁぁぁああああああ!!」

 「めぇぇぇぇぇええええええ!!」

 

 両手を完全に後ろに持っていきつつ溜めに溜めて、更に気を満たしていきながら向かってくる芋虫の大群に狙いを定める。

 

 「波あぁあああああああああああああああああああああっ!!!」

 

 そして、両手を前方に突き出して・・・かめはめ波を放つ。

 一直線に向かって行ったかめはめ波は芋虫の大群を一瞬にして飲み込みながら、そのままダンジョンの通路を突き進んで行った。

 ウチは突き出している両手の向きを変えて、壁や天井を這っている残りの芋虫も消し炭にする。

 

 周囲に芋虫の気が消え去ったのを感じ取って、ウチは徐々に気を鎮めて放つのを止めると構えを解いた。

 呼吸を整えつつ後ろを振り向くと、何が起きたのかわかっていない呆然としたまま先輩達とリヴェリア副団長がウチを見ていて・・・

 

 「・・・ダフネ・・・」

 「・・・すっっっっっっっっごぉおお~~~いっ!!今のもダフネの技なんだよね!?」

 「ちっ・・・急いで来てみりゃ骨折り損かよ」

 「今のが・・・魔法じゃないなんて・・・」

 「やれやれ、とんだ問題児が入団してきたもんじゃい」

 「ははは・・・まったく、どれだけ心を惹かせる気なんだい?」

 「ダ、ダフネぇ~~~・・・アンタには絶対団長を渡さないんだからねっ!?」

 

 ・・・もうここで瞬間移動して逃げてもいいかなぁ。でも帰ってきてから余計にあれこれ言われそうだし・・・

 

 「・・・ダフネ、皆を助けてくれた事は感謝する。・・・が、私の忠告を無視したのはいただけないな?」

 

 今の時点で逃げたら間違いなくやばい。

 何か今度は違う異常事態が起きない限りは・・・って、下から向かって来てる・・・!?

 しかも、さっきのよりも遥かに大きい!皆を退避させないと!

 

 「皆!急いで退避するよ!さっきのよりデカイのが来る!」

 「何だと・・・!?」

 

 さっきまで怒りに満ちた笑みを浮かべていたリヴェリア副団長は目を見開いてまた驚いた。

 他の皆もウチが言った事に戸惑っている中、駆け寄ってきたフィン団長が問いかけてくる。

 

 「それは、確かなのかい?」

 「はい。ウチは相手が持つ気を読む事ができるから、リヴェリア副団長の気を頼りにここまで来たんです」

 「なるほど。総員、速やかに撤退!最小限の荷物を持って離脱する!」

 

 フィン団長の指示で皆一斉に行動を開始する。

 ウチもなるべく床に散乱した物資を箱に詰め込んで背負い上げた。

 下から向かってくる気は段々と、もう数階層ぐらいまで迫って来ていて撤退が間に合うかギリギリだと察した。

 

 「フィン団長、すぐそこまで近付いてきますよ。方向からして・・・あそこ辺りです」

 「アキ!負傷者の運搬が済むまで後どれくらいだ!?」 

 「まだ5人が残っています!自力で歩けても慎重に動かさないと!」

  

 フィン団長は口元に手を添えて、現状の撤退状況からモンスターとの戦闘は免れないと判断を下す。

 すると、フィン団長はアイズを見てから・・・ウチの方も見てきた。まぁ、何を言われるか大体予想はついてるけど。

 だから、言われる前にウチが頷くとフィン団長は何も言わずに微笑んで、アイズに指示を出した。

 

 「アイズ、ダフネと一緒にモンスターを討つんだ」

 「!・・・わかった」

 

 その指示を聞いてたティオナと狼人のベートさんが不満そうにしてたけど、最小限の被害を抑えるためにはフィン団長の指示通りにするしかないと渋々納得してた。

 ふと、アイズと何かを話してたエルフの女の子、レフィーヤが話しかけてくる。

 イチゴのタルトを頬張ってるのが可愛かったからすぐに顔も名前も覚えたのよね。

 

 「ダ、ダフネさん。その・・・どうかお気をつけて。私が言うのも烏滸がましいですけど・・・アイズさんのお背中を守ってあげてください」

 「任せといて。ウチが必ず守ってあげるから」

 「は、はい。お願いします・・・!」

 

 地響きが聞こえてきて、いよいよ現れるとわかったからレフィーヤは会釈してフィン団長と一緒にリヴェリア副団長の後を追う。

 予想通りの方向から地面を突き破って、見上げるぐらい巨大なモンスターが姿を見せた。

 ブヨブヨしてるあの体の中に色んな物を溶かす体液が溜まってるって事だから中々に苦労しそうね。

 

 「ダフネ・・・行くよ」 

 「よーっしっ。いっちょやりますかっ」

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