朝チュン、しちゃった   作:℃゛

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バーニスと朝チュン

「……うぐ、痛え……」

 

頭に響くような鈍い頭痛で目を覚ました。

眩しい朝日に目が慣れた頃、ゆっくりと辺りを見回すとそこは自分が毎日寝泊まりしている部屋ではないと気がつく。

では、今寝ているこのベッドは誰のものか?疑問に思ったその時

 

「……んぅ、むにゃ……あったかぁ〜い」

 

聞き覚えのある声が聞き覚えのあるフレーズを呟いたかと思うと、真横から伸びた二本の腕が俺の首に回された。

咄嗟に解こうとしたものの、思ったよりも力が強く簡単には外れない。

先ほどのセリフでもうほとんどわかったようなものだが、確認のため横を向くと、そこにはやはり未だに目を覚ましてすらいないバーニスが幸せそうな顔で眠りながら俺の首に腕を巻き付けている。

服ははだけてはいるものの下着は脱げてはおらず、最悪の事態は回避したのではないかと希望的な観測をしながらバーニスを揺さぶる。

 

「……もっと………笑ってよ……」

 

まずい、バーニスの腕が急激に締まり始めた。

このままでは俺は絞め落とされるで済むなら良い方で、最悪の場合寝ているバーニスを揺すって死亡などという不名誉な死因を墓石に刻むハメになる。

俺はさらに力を込めてバーニスを揺する。

 

「れっつ、スーパー………火遊び〜」

「うぐっ!?バーニス!起きろ起きてくれ!」

「……ハッピ〜〜……」

「うぐぐぐぐ……っ!?」

 

周囲を見回した俺は、ベッドサイドに蓋の空いたニトロフューエルの缶を見つけた。

一か八か、それを倒してみると未だに残っていた中身が缶の中から溢れる。

ニトロフューエルの匂いが鼻に届いたらしいバーニスはその場でパチリと目を開ける。

 

「……あれ?なんで私のベッドに君がいるの?」

「ば、バーニス……腕───」

「…?…!わっ、ごめんね。……もう少しで君を永遠に寝かしつけちゃうところだったね!」

「あ、あはは……」

「それで、なんで君はここにいるの?」

 

そう言われて、昨日の記憶を探る。

昨日の夜、俺とバーニスは仕事がひと段落してまとまった休暇を取れることを祝して乾杯した。

飲んでいるうちに、休日は何をするかという話題になり、二人とも新エリー都に用事があることが判明した俺たちは、二人で何処に行くかを相談した。

ここまでは覚えている。

それから、それから俺たちは何をしたのだろう?

覚えている時点までの記憶をバーニスに話すと、次はバーニスが記憶を探ろうと頭を悩ませ、そして「あっ」という顔をした直後に押し黙った。

 

「……あの、バーニスさん?」

「……ン?ナニ?」

「何か隠してるよな?」

「ベツニカクシテナイヨ、ゼンゼン」

 

怪しい、あまりに怪しい。

俺は先ほどと同じような感じでバーニスを問い詰めた。

すると彼女は目を横に逸らしながら

 

「……私が、君を連れ込んだなぁって」

「……マジ?」

「うん」

 

彼女の話によると、流れはこうだ。

俺の記憶の最後にある会話の後、バーニスと俺は行き先を検討して、ある程度の目星を建てた。

そうして話がひと段落してから酔っ払い気味の二人の話題となったのは、どこまでが友人でどこからが恋人なのか、という俺たち二人にしてはおかしな話題だった。

そんな酔っ払いの与太話をしているうちに先に酔い潰れた俺を部屋までバーニスが連れ帰り今に至る、らしい。

 

「えっと……燃えるね?」

「なんでだ、ライターをしまえ」

「せーい?ってやつ、こうすれば伝わるんじゃないの?」

「間違ってる、根本から間違ってる。落ち着け」

 

突然どこからともなくライターを取り出したバーニスを止めようとしていると、突然部屋のドアがノックされる。

 

「バーニス?起きてるか?もう昼だぞ」

「起きてるよ!ちょっと取り込み中だから待ってて〜!」

「おう、焦んなくていいからな!」

 

シーザーの単純さにこれほど感謝した日が今までにあっただろうか?いや、ないだろう。

取り敢えずお互い服を着て部屋から出ようとして、バーニスがまたやらかしたという顔をする。

 

「どうした?バーニス」

「君の服はね……、今洗濯中だよ!」

「……は?」

「酔っ払って汗まだかいて辛そうだったから、私が洗濯しておいたの!」

「おぉ……、まじか」

 

その場で叫びそうになった心をなんとか抑えて解決策を考える。

しかし、何一つ思いつかない。

 

「なんでそんなに焦ってるの……?」

「そりゃお前、このままだと変な誤解をされることに──」

「私は別にいいよ?」

「……は」

 

思わず、目の前の彼女を見つめる。

彼女は相変わらずの笑顔で、少し頬を赤ながら言う。

 

「……私は別に、君となら勘違いされたっていいよ。それに、勘違いじゃなくって、本当にしちゃってもいいと思うなぁ」

 

バーニスの身体が、顔が、近づいて来る。

 

「ほら、私とハッピーになろう……?」

 

その日は結局、一日中バーニスの部屋で過ごした。




アンケートの遷移を見て、今後の方針は
①一番なメインは色んなキャラのVerを書くこと
②新しいキャラで書く内容が思いつかなかった際に、一度書いたキャラの続きを書く
でいこうと思います。
よろしくお願いします
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