Fate/DreamDevil 東京聖杯戦争   作:リリス様病患者

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第1話 多摩市

聖杯戦争。それは己が欲望を叶えられる聖杯を手に入れられる、魔術師同士による殺し合い。

魔術で殺し合うのではなく、英霊を使役し勝利を勝ち取る、代理戦争に近い。

基本的に決まった地でのみ行われる聖杯戦争。今回は少し様子が違うようだ……

 

東京都、多摩市。物語はここから始まる。

 


 

「今日もただいま、と」

僕は吉田可否。天涯孤独の中学生。と、言いつつもお金はたんまり曾祖父の遺産があるし、家も安いし、自炊もしてるからあまり苦しくはない。

親は事故死。ロンドンへ行く夫婦旅行の飛行機が墜落して死んだ。親戚は誰も面倒を見てくれなかった。

でもまあ、そこまで悲しくもないし、友達もちゃんと作れている。

この年齢で言うのもなんだけど、この環境にしてはまともに育ってると思う。

「今日はトムヤムクンでも作ろうかな、いや歴史の授業で見た料理でも作るか……?」

 

と、いうわけで。

「完成! 牛肉の香草焼きとマスタードシード入りトマトスープとネギパン!」

メソポタミア文明の料理がこんな感じらしい。ネギパンは作るの大変だった。

「さてさて、いただきまーす!」

 

「ふむ、悪くない出来だな。」

料理を食べようとしたその時、後ろから声がした。

強盗? それは退治し慣れてる。でも気配が違う。殺意がない。

「誰ですか?」

「おや、驚かんのか」

「うちは狙われやすいので」

「ほうほう、その身に余る苦労をしてきたのだな。余が慰めてやろう。」

「……で。誰ですか?」

振りむく。そこには金髪で、角が生えてて、少しばかり母の面影がある顔をした、

「ちっさ。」

「小さいとはなんじゃー!」

目測145cm前後。ヒール履いててもわかる。身長が低い。あと胸も平ら。

「まあいいです、名乗ってください。さもなくば家宝の刀で斬りますよ。」

「そこのか。取りに行くまでに余が殺すのが早いな。」

「……」

手練れだ。気配が変わって、殺気、戦闘意欲が伝わってくる。

「わかりました。何もしないので早く名乗ってください。」

「物分かりが良くてよろしい。

 

余はリリス。キャスターリリス。聖杯戦争に参加すべく召喚に応じた。お主がマスターで間違いないな?」


「聖杯戦争? マスター?」

「マスターの証に右手に痣があろう。見てみい」

「え? あ! 本当だ!」

「それは令呪と言う。3回だけ使える命令権だ。使い切ったら余は自由になるが、まあメリットがないな。」

使いどころを見極めないといけない感じか。

「聖杯戦争について話そう。といっても余の知識はあまり少ないが。

聖杯戦争とは、なんでも願いが叶えられる聖杯を取り争う殺し合いだ。表舞台に出てこない魔術師同士による、な。

魔術師同士はあまり戦わず、余たち『サーヴァント』が戦うことが多い。

サーヴァントは全部で7種。セイバー、アーチャー、ランサー、キャスター、アサシン、ライダー、バーサーカーに分けられる。

そのマスター含めて14人で殺し合うことになる。ここまでいいか?」

「……なるほど。」

「よし、ここまで基本知識だ。続き行くぞ。お主は魔術師ではないから戦いには不慣れだろう。しかもキャスターは最弱陣営ともいわれがちだ。」

「負け必至じゃないですか。」

「そうならないために作戦を立てるのだ! お主、刀があると言っていたが、手慣れているのか?」

「まあ、剣道部で主将やってて。これです」

「ふむ、少し懐かしい魔力を感じるな。どこで手に入れた?」

「曾祖父が手に入れたぐらいしか知りません」

「……わかった。とりあえず飯を食ったら手合わせをするぞ」

「え!?」

 

 

「とりあえず深夜の校庭に来ました。」

「お主そのまんま魔術師やれるぞ。倫理観なさすぎ。さて、ゆくぞ!」

! もう始まる、刀を抜く。

「ハッハァ、簡単に死なれては困るぞ!」

「言ってろ!」

漫画で見て友達と練習した縮地で間合いを詰める。

すると、何か光る玉を出してきた。当たれば即死と考えろ!

「ほう、スピードは申し分ない。鍔迫り合いと行くか!」

多分魔力で剣を模したものを出す。パワーなら僕が上……!? なんだこのパワー!

「ハハ、英霊は格別だ。人間がそう易々と力自慢で勝てると思うな!」

ギリギリ押されている。ならば奥の手を出すのみ!

「〈裏切〉!」

「!? なに、後ろ!?」

縮地の応用で鍔迫り合いをしながら後ろに回り、背中を斬る寸前で止める。この技は主に友達にドッキリを仕掛けるときによく使う。

「ハハア、お主の実力はよくわかった。よし、帰るぞ」

「もうですか」

「余の実力はいつでも見られる。お主が簡単に死なないかだけ見たかったからな。」

「はあ……」

 

「で、だ。」

帰宅して早々、堂々とリビングのテーブルの上座にリリスは座った。僕もその向かいに座る。

「戦い方は二つ思いついた。

まず余の魔術で2対1、もしくは2対2に持ち込む。

2つめは完全にサーヴァント戦を余に任せ、お主はマスターを暗殺。その足なら出来るだろう。」

「場合によって変えるのがいいでしょうね。多分戦いを盗み見る人もいるでしょうし。」

「わかった。とりあえず今日は寝るぞ。」

「寝るんですか?」

「まあ、魔力の節約になるしな。大丈夫だ、気配を探れるようにはしておく。」

「わかりました、おやすみなさい。」

「おう、ゆっくり休め」

 


 

翌日。今日は土曜日だ。

「さて、ここで問題が発生したぞ。」

「なんですか」

「お主の名前を聞いていない。」

「……すみませんでした。僕は吉田可否。15歳の中学生です」

「よし、二つ目の問題だ。」

「まだあるんですか」

「お主の魔力についてだ。魔術回路という魔力を持つための回路があるんだが、一般人は持ってないはず(・・)なのだ。」

「……というと?」

「お主、なんか回路ある。しかも並大抵の魔術師じゃ持ってないレベルの魔力を練れるぞ多分。」

「へぇ」

「淡白だな、いやまあ、今のは取り消そう。まあ余が指南したら今でいう神代の魔術を少しばかり身に着けることも叶うだろう。他陣営に見つかる前に鍛錬すべきだ」

「で、どうするんですか?」

「まず、この一軒家を余の陣地にする。少し下手くそだが、お主の力を借りたらまあ魔力が外に漏れることはないだろう。どこか空いてる部屋はあるか?」

「両親の部屋を片付けたばかりなのでそこを使いましょう」

「あいわかった。では今日は余たちの魔力を外に漏らさないための鍛錬だな。とりあえず陣地作成から行くぞ」

そういうと、適当な紙を持ってこさせられて、ペンを手渡したらリリスは僕の手を握って、魔方陣を書き始めた

「余、陣地作成苦手なんだけど、お主の手を借りたら何とかなる気がする! ここを拠点とするぞ! ハアッ!」

そういうと、少し家の雰囲気が変わった。少し砂臭くて、パンの香りがする。

「よし、と。じゃあまずその刀に強化魔術をかける所から始めよう。」

「どうやるんですか?」

「なんかこう……お主の中にある力を集中して刀に流すみたいな?」

「ふーん」

少し集中してみる。両手に刀を握って、心臓から腕に向かって、刀に力を流してみる。

「おお、少し纏ってる雰囲気が変わったぞ! 成功だ! あとはこれを実践でやる感じだな。次にそれを自分の足に流してみろ。」

「……こうですか?」

「それで余にいたずらして同じ位置に戻ってみろ。何したか当ててやる。」

「そうですか」

とりあえず背後に回って背中に『リリス』と書き、また前に戻る。

「……リリスと書いたな」

「正解です。精度はどうですか?」

「今ので分かっているはずだが。お主、今の行動に1秒もかかってないぞ。しかも動きの精度も高い。全く同じ位置に戻っているぞ」

「言いすぎじゃないですか?」

「これがあればその足も活かせるな! ハハハ、勝利の道筋が見えてきたぞ!」

「そんなもんですかねぇ……」

「次は~、投影でも試してみるか。お主、その刀をコピーしてみろ。」

「まあ、見慣れてるので出来ると思います」

そう言って、両手に刀を持った。

「そのまま振り続けてみろ。何秒持つか計測する。」

しばらく適当に刀を振るう。

「……まだいけそうか?」

「あまり疲れを感じてませんね。いや、ちょっと左腕が厳しいかな」

「コピーした方だな。消えるまでやってみろ。」

だいたい20分ぐらいだろうか、形もやりつくしたし飽きてきて脳内模擬戦闘でもしてる。

「……おかしい」

「何がですか?」

「ちょっとそれ手放してみろ」

「あ、はい」

左手から刀を放すと、パシュンと消えた。

「なるほどな、やろうと思えば少し劣った性能でいつまでも投影できるのか。困ったな!」

「何がですか?」

「これ見つかったら魔術協会に攫われる」

「それはどういう意味ですか?」

「モルモット」

「気付いた人はなるべく確実に隠しながら殺す感じですね、わかりました」

「そういう事だ。マジで規格外だ。普通10秒持てばいい方だからな。……! いいこと思いついた! お主、その刀を遠くに置いてみろ」

「急になんなんですか、とりあえずドアを開けて、廊下に置いてきますね」

「よし、置いたな。刀と手首に紐が繋がってる想像をしてみろ。」

……なんとなく繋げてみる。

「今だ! 引っ張れ!」

!? とりあえず右腕を思いっきり引いてみる。すると刀が手に戻ってきた!

「成功だ! これで二刀流を維持しながら投げ武器が出来るようになったぞ!」

「なんだか凄いことになってませんか」

「そうだな、お主はかなり凄いぞ。今まで覚えてるマスターより凄い。万能すぎる」

「はあ……そろそろお昼なので一回休みませんか?」

「おう。飯は好きだ! 特に昨日の料理は祭事の料理だからな。召喚されたのも納得だ! お主は料理がうまい! 何作るのだ? 楽しみだ!」

「普通に牛丼デリバリーですけど」

「えー」

「夜しか自炊したくないんですよ、面倒なので」

「ちぇー」

 


 

「よし、じゃあ次は昼間の行動だな。」

「何かしたいんですか?」

「久々の現世だ! 楽しみたい! というわけで、余の服を買いに行くぞ」

「えぇ」

「コスプレ女で話題になって一斉攻撃に逢いたくなければ同意せい」

「はぁ」

「とりあえず母君の服を借りるぞ……ぬ。胸が」

「ちょっと!! ここで着替えないでください! 向こう行ってるんで!!!」

「あぁ、思春期だからか。うっかり。さてさて物色。……普通の服だな。胸のサイズ以外は良いから、下だけお借りして上は可否にシャツでも借りるかの

おーい! 可否! シャツ1枚持ってこい!」

「シャツ!? わかりました!!」

 

「よし、まあ一度目はなんとかなるだろ。」

そこには、角以外は違和感のない金髪美女が立っていた。

「中学生にはお似合いのカップルに見えるだろ、多分。さて、まともな服を探しに行くぞ」

「え、どこにですか」

「にひひ。

 

原宿!」

 


 

「で、京王線乗って乗り換えして山手線で原宿着いたわけですけど、何買うんですか? 僕あんまり東京に詳しくないので。というか角大丈夫なんですか?」

「魔術で隠してる。そして余の趣味はもちろんこれだアーッ!」

「ここって……ゴシックファッションって書いてありますね」

「ゴシックファッション好きなの余! さあ買うぞ買うぞ!」

「あんまり使いすぎないでくださいね、まだ働けないんで」

「じゃあ3着をコーデ着回しするかぁ」

 

「よし! 買った! 満足!」

「手痛い出費……行政からの支援が来るまでは節約だな」

「よし、帰るぞ! 文章では私服スチルがないから各々Skebしてくれ!」

「なんて?」

「細かいことは気にするな! あとちょっと寄る所あるからもうちょっと足を伸ばすぞ」

「なんなんだこの人……」

 

「で、着いていきましたけど、ここって」

「新宿だ。悪鬼蔓延るこの世では魔術に関連した物を売っている事があるらしい。魔力探知で店を探してみる。」

「はあ……」

「ムムムン! こっちだ!」

「ああもう! 走らないでください!」

 

「このビルの……4階か?」

「というかなんか合言葉とかあったらどうするんですか」

「力づくで」

「コラ」

「わかったわかった、その時は情報を探ってなんとかするか。さて、着いたぞ。」

「僕無関係を貫きますからね」

「ハーァ、つれないの~。よし。 ここから魔力が漏れているが、何かの商店か? 事情を話す、協力してほしい!」

「ド直球ですね」

「これぐらいが一番いいだろ」

そう言うと、木製のドアがゆっくり開く。中から僕でもわかるぐらい濃い魔力を感じる。

「よくわかったね。関係者か?」

「いや? ちょーっと勘が良いだけだ。」

「……アタシはミタ・カナマチ。ここで聖遺物の古物商をやってる。偉ぶりたいバカのためにね。」

「ふむ。中に入らせてもらう。色々と話すことがありそうでな」

「ふん。」

「……」

大丈夫なんだろうか。

 


 

「率直に言うぞミタ殿。余たちは恐らく敵対関係だ。」

「えっ!? てことは……」

「あぁ、そういうことか。そうだよ。アタシもマスターだ。そいつがアンタのサーヴァントか?」

「あ、はい」

「永劫の闇を司る魔女、リリスだ。神霊的な悪魔だが、どういうわけか人理に刻まれて英霊として活動している。」

「なるほどね。哪吒、出ておいで」

「アイ、この人、大丈夫?」

「さあね。今後のやり取り次第だ。」

「……とりあえず、ここには魔力強化の為に来ました。決して戦うためじゃないです」

「おや、殺して全部奪い取る気にはならないのかい?」

「特に……うちには家宝の刀があるし。これです」

「ちょっと鑑定させてくれないか?」

「いいですけど」

「……なるほどね。そういうことか。これ、正真正銘の古代中東ルーツの武器だ。なぜ刀と同一の形なのかはアタシには知らない。」

「そうですか」

曾祖父、何者。

「こりゃ高くつくね。うちの資産じゃ買い取れない。返すわ、こんなもの持ち歩きたくない」

「そりゃどうも。」

一応剣道部だから、隠せる布は持ってる。それで今日持ってきた。

「よし、余にまつわる聖遺物でも漁るぞ! この首飾りとかいくらだ?」

「30万。」

「……この指輪は!」

「200万。」

「これ! つかこれ粘土板じゃん!」

「それは2300万だ。だから箔を付けたい社長用の店なんだってうちは。たとえサーヴァントでも値切らせないよ。」

「チッ、可否的にはいくらまで許容範囲だ?」

「……あと10万ぐらいなら。」

「よっしゃ! 10万の中東ルーツの骨董品くれ!」

「えーっと、じゃあこれかな」

「……買う」

「即決!? 何がいいんですかこれ!」

「ミタ、本当に10万でいいんだな?」

「……なんだよ」

「買った後に説明させてもらう。」

「……流石に怖くなって来たね。わかった。値段は8万。それ以上値下げも上げもしないよ。さて、説明してくれ、その鳥籠について。」

「……この鳥籠は、

 

エレシュキガルの物だ。」

「なんだって!? そりゃ、冥府の物じゃないか! 本物かい!?」

「買った時点で察しろ。……どういう経緯でここに来たかは知らぬが、確かにあの冥府の女王の人魂籠だ。これなら余に相性が良いな。」

「アタシとしたことが、気付かなかった……!」

「値切った詫びに好物でも奢ろう。」

「僕の家のお金なんだけど!?」

「勝てば好きなだけ財宝が貰えるぞ」

「はぁ……」

「それじゃあ、行きつけの料理屋に行こうかね。哪吒、着いておいで」

「分かっタ。ミタ、残念。でも気にするナ。僕がここの聖遺物を駆使して、勝ち抜いテ見せる。」

「哪吒は良い子だね、さあて! 行くよ!」

 


 

「アジアン料理店ですか」

「馴染みの味なんだ。アタシはベトナムハーフの三世でね。たまに帰国しては食べてるけど、日本のアジアン料理もいいね。」

「いいならいいですけど」

 

「哪吒、か。響き的には中国か?」

「そうダ。リリスは、中東?」

「ウルク。ギルガメッシュとちょっとやりあったこともある」

「嘘」

「ホント。負けたけど。」

「ヤルナ。ちっさいのに」

「そっちも相当だろ。」

「ア゛?」

「お?」

「哪吒! 喧嘩売らない!」「リリス! 喧嘩売らない!」

「「はーい……」」

 


 

「今日はありがとうございました」

「こっちも良いもん見たよ。さあて、アタシたちはこれで敵対関係だ。どうするかい?」

「……一度、限界までやりあいましょう」

「わかった。あのビルの屋上でやりあうとしよう」

「いいのか? 可否、初戦で負ける可能背もあるぞ?」

「リリスさんに任せます」

「そうか、そうか! ハッハッハ、期待しておけ!」

「哪吒、わかってるね?」

「アイ。勿論、全力。」

 

「ここって新宿のド真ん中のビルじゃないですか!」

「バカの社長相手の商売してるって言っただろ。夜でも入れるんだよ。」

 

「よし、着いたよ。」

「じゃあちょっと離れて、もうすぐ22時になるので、なったら始めましょう。」

「ああ、死にたかないけど、勝ちたいんだよこっちは!」

「こっちだって、死にたくはないですよ! 時間ですリリスさん!」

「よっしゃ! 行くぞ!」

力がみなぎる感覚がする。強化魔術が来た。2対1で哪吒を押す!

「! マスターも来タ」

「構わないよ! アレを出しな!」

「≪漢の銅鏡≫」

! 分身した! 鏡という感じか。でもわかる。魔力が揺らいでいる方が偽物。

「リリスさん! 僕はL!」

「ポテトか! わかった!」

「もう見破らレた。どうする」

「さらに割りな! バンバン使え! こっちも初戦ではあるが、惜しみなく使え!」

「わかっタ。≪韓信の戦術巻物≫」

偽物の方も動きが変わってきた。代わる代わる本物とやってくる。ならば

「リリスさん! 籠を使ってください!」

「あい承知! そおれ! 魂よこせ!」

「なに、アタシが

ミタさんが倒れる。実質勝ちだ。

「これで哪吒を脅せるな。マスターを生かしたかったら自害しろ。」

「……」

「何、余の宝具でミタにはお主の記憶は消させてもらう。心配するな。」

「ヤッパリ、負けちゃっタ。搦め手、苦手。」

「お主は十分強かったぞ。ただ、こっちが小賢しかっただけだ。さて、どうする? 奪うか、呑むか。」

「ミタを奪わレたら、聖遺物が活かせない。全部流出したラ、大変。僕ハ、呑む。」

「よし。宝具でちょいと記憶を弄ったらミタは返す。後はまあ、また聖遺物を買いに行くぐらいだな。」

「……ミタは、強制的に聖杯戦争に参加さセられた。怒ってタ。僕モ、身体、造りなおしたい。でも、ミタのが優先。また今度にスる。」

「なるほど、ミタのリタイア自体がメリットか。やりますねリリスさん」

「今回は搦め手だから、王道的な戦闘はまた今度な。」

そうして、リリスさんは座って瞑想の形に入り、哪吒は自害した。

「次は、搦め手に勝テるようにすル。」

「大丈夫だ、お主なら出来る」

そうして、哪吒は消えた。しばらくして、ミタさんが起き上がった。

「あぁ、負けたんだね。アタシは」

「悪いな。名も知らぬ英雄は、強かった。それ故に搦め手を取った。許せ」

「しょうがない、また来たら聖遺物安くするよ。」

「ありがとうございます。」

「勝ち抜けなかったけど、なんで勝ちたかったんだろうねアタシは。」

「……さあ。でも、聖杯は欲しいものじゃないですか? 売りになりますよ」

「そうだね、そうだったかもしれないね」

そうして、ミタ・カナマチは、東京聖杯戦争(僕が今付けた)から脱落した。

 


 

「……千里眼で見た結果がこれだ。面白いことになってきたな、三千(みち)。」

「まさか由縁のある英霊が居るとは、驚きましたね。」

「どうする? ミタを殺して全て宝物庫に入れるか?」

「……いえ。あくまで紹介で来たという体で買い物しましょう。幸い、お金はありますから」

「フン、愉悦が足りないな。」

「これから満たしますよ。王の為に」

「期待してるぞ、三千。」

 


 

「フフ、フフフフフフ。面白いですね。ゴッホが召喚されたときは何事かと思いましたが、中東の英雄と悪魔が居るなら話は別です。これはネタになりますよ……」

 


 

「で、どう思う。」

「オレ的には誰よりも先に殺すべきはライダー。次にアサシン。アーチャーセイバーはキャスターリリスに任せるべきだ。」

「お前の目的のためにもそうだな。リリスは必要だな。だが、勝つ算段はあるのか?」

「勿論。我が国の兵役経験は無駄ではないと証明してみせる。」

「期待してるぜ。アンタには並々ならぬ国盗りの才能を感じるからな。俺を使うに相応しい。」

「そちらも期待してますよ。ケルトの大英雄、クーフーリン。」

「そっちもな。東アジアの野望持った軍人。」

紗駆(シャカル)でいい。」

「そっけないが、師匠を感じるな……」

 


 

「さて、帰ってきましたけど」

「まずは、アレだな。金をあるだけ使ってあそこの中東に通じる聖遺物を買いあさるぞ。今後どういった敵に出会うかわからん。手札は持って損はないからな」

「えぇ」

「資産はあとどれぐらいだ?」

「あと……4億3000万ですね。勿論僕の進学費用を差し引きしてのものです。」

「おい持ちすぎだろ」

「2100万はデカイですって」

「持ってる資産に対して金銭感覚が庶民的すぎる」

「うるさいですね、親の教育の賜物です」

「……そうか」

「じゃあ今日は寝ますか。」

「ああ。おやすみ、可否」

 


 

次回。ライダー対バーサーカー。




ノベライズにハーメルンのタグを追加しました。多用します。
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