【朗報】ワイの鯖、見覚えのある奴しかいない件 作:エタル丸
そこは薄暗く、閉ざされた密室の中。
その空間には現代ではあり得ない、神代に匹敵する程の魔力が満遍なく満ちていた。
場には黒い外套に身を包む一人の青年がおり、額には脂汗が滲んでいる。
「──よしっ、これでいいか?」
男は鶏の血にて魔法陣を描き、壇に触媒を用意した。そしてそこに必要な分だけ魔力を流し込む。
この工程が終わればあとは、詠唱によって英霊を召喚するだけだ。
「あー、ヤバイ。今更だけど緊張してきた」
「まあ今更か」と小さく笑い、彼は詠唱に入る。
「素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公。降り立つ風には壁を。 四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ。
繰り返すつどに五度。
ただ、満たされる刻を破却する
──────
────告げる。
──告げる。
汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。
聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ誓いを此処に。
我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者。汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ──!」
魔法陣からは夥しい純白の光が溢れ、辺りを遍く照らしていく。
「ふ〜ん、貴方がマスター?」
溢れ出た光の中から声が聞こえる。よく聞くと、それは可愛らしい少女の声だった。
そうして光が収まっていくにつれ、召喚されたものの姿がはっきりと現れた。
「じゃあ、まずは自己紹介からかな?」
「初めましてマスター。私の真名はミカエル、大天使ミカエル。クラスはアーチャーだよ!……だけど今はこの子の身体を借りている状態だから、この子の名前を名乗った方がイイよね☆」
「改めて……私の名前は聖園ミカ、よろしくね!マスター」
大天使を名乗る少女は、その顔にニコリと微笑みを浮かべた。
◇
あー、待て待て。マジですか(困惑)
本当に召喚できちゃったよ、英霊。
……ん?あー、どうも皆さん。初めましての人は初めまして。いきなりで悪いけど自己紹介をば。
俺の名前は尾崎誠治。今年でようやく20歳になる、元一般人の
まあ俺が何で魔法使いなのかについては一旦置いときまして、今の状況を改めて確認しましょう。はい。
何で目の前に
は、え?いや、マジで何で?
だって純粋におかしいでしょ。この世界のソシャゲにブルアカなんて無いし、そもそも大天使ミカエルなんて大物が何故……?
いや函館土産のミカエル像は持ってるけども、それを触媒に召喚されたってのは冷静に考えてあり得ない。
理解できぬ、理解できぬ、理解できぬ──
謎が謎を呼ぶ状況すぎて、頭にきますよ(憤怒)
「お〜い、マスター?」
いや本当、何で召喚できたんでしょうかねぇ…。魔術協会の追手から逃れる為とはいえ、流石に英霊召喚は不味かった。いや〜失敗失敗!
「あの〜聞こえているかな?」
じゃねぇよチクショウ()
それにしても何で、魔法使いであることが協会にバレたんだろう?やっぱり魂から不自然に魔力を汲み上げていたことが───
「マスター!!」
「は、はひ!?」
あ、やっべ。
ほったらかしにしちまってた。ヤベェよヤベェよ……怒ってるよな?どうしよう()
「もうっ!ちゃんと私の話を聞いてよね」
「大変、申し訳ございませんでした」
頬を風船のように膨らますミカ、いやミカエル。
どうしよう、適切な謝り方が分からない……。
取り敢えずここは日本における最大の謝罪方法、ジャパニーズ土下座で何とか事を収めては貰えませんでしょうか?
「ちょ、待って待って!?何もそこまでしなくても……」
「いえ、滅相もない。今の今まで君を無視してしまっていたのだから当然の謝罪でしょう」
「分かった、分かったから!マスターからの謝意は十分に伝わってきたから、まずは起き上がって互いを知るところから始めようよ。ね?」
「…………」
……ワイのファーストサーヴァント、天使か?
「天使だよ?」
はい。という訳で誠治君のファーストサーヴァントは