【朗報】ワイの鯖、見覚えのある奴しかいない件 作:エタル丸
──冬木市、某ホテルの一室。
えっとマシュ嬢、それ
「
この特異点に聖杯が二つ存在する可能性がある???
「マジです」
マジで?
「
マジカーヨ(白目)
早速、特大の爆弾を投下してきたな。それって聖杯探索の難易度、爆上がりになるのでは?
「そうなんですよ。聖杯が二つあるかもしれないって報告をダ・ヴィンチちゃんから聞いた時はもう、目も頭も回りそうで………」
そうは言うけどね、立香ちゃん。あーた、その割にはかなり元気そうに見えるよ?
「まあ、特異点の調査なんて大体はこんなものですしね。慣れですよ、慣れ」
世知辛いな……。
んじゃま、俺らも本腰入れて調査に乗り出した方がイイ感じか。大人に成り立てとはいえ、俺も立香ちゃんにとっては先輩みたいなもんだ。そんな俺が率先して気合いを入れないのは何だって話だし、もう少し踏ん張ってみよう。頑張るぞ〜
◇
「……とは言ったものの、本当はなかなか辛かったりするんだよね」
「これまでのどの特異点でも、聖杯探索の道程は一筋縄ではいきませんでしたからね。無理もありません」
誠治さんと別行動になってからはや数時間、私とマシュはもう一つの聖杯の行方を追うべく冬木市内を闊歩していた。
「聖杯探しの旅はまたまだ続く、か──」
「私と先輩の力を合わせればきっと見つかりますよ。マシュ・キリエライト、それまでは何処までも先輩のお供をします!」
「それは頼もしい限りだね」
そんな時だった。
「────ッ!!」
道の曲がり角を曲がった瞬間に感じた、見知ったようで見慣れず、感じ慣れもしない異常な魔力。
そして強烈な、違和感。
隠しているようだが、私には直感でそれが何なのか理解できた。
間違いない。目の前のそれは──
「!?先輩ッ、後ろに下がってください!!!」
マシュもその違和感に気づいたようだ。流石は私の後輩。新たな力も得たことで、以前にも増して更に頼りになる私のファーストサーヴァントだ。
「おっと、そんなに警戒しないでほしいかな」
そんな私の感慨を意にも介さず、目の前の男──否。目の前のサーヴァントは声を掛けてきた。
「貴方は──誰?」
怪しさしか感じないけど、一先ずは相手の素性から探らないと……。答えてくれるかは別として。
「僕かい?」
「僕の名前はセリス。セリス・ヴォルディゴード」
目の前のサーヴァントの口調は飄々としており、不思議と何処までも軽々しいと感じる雰囲気を纏っていた。
「抑止力に喚ばれただけの、ただのしがないサーヴァントだよ」
「さて、君達は僕に何を見せてくれるのかな?」