【朗報】ワイの鯖、見覚えのある奴しかいない件 作:エタル丸
今日も私達は
……何時もならば。
だが必死に探索を続けてなお、未だ聖杯の影さえ踏めていない。これは由々しき事態だ。
進展らしい進展といえば、前の「聖杯が二つあるかもしれない」という憶測程度のモノ。もはや情報と呼ぶことさえ憚れるソレを頼りに行動を続けるが、事態は一向に進展せず停滞を続けている。
そうして今日の探索も徒労に終わったと思った頃、私達はとあるサーヴァントと出会った。それは抑止力から派遣されたサーヴァントを名乗る不審
ランサー/セリス・ヴォルディゴードだ。
「……なるほどね。話を聞く限り、君達は僕と同じくこの特異点の調査に赴いた。しかし今回の活動だけでは収穫を得られず、仕方なく行動を終えて帰還しようとした直前に
「ええ、
どうにも怪しさを拭いきれないが、「これでも抑止力から派遣されたサーヴァント」とは本人の弁。
現在の状況を鑑みて、完全に信頼することは出来ないが、ある程度の信用はしても大丈夫。少なくとも私達の間では、そういう判断で固まった。
「それにしても──歪んだ聖杯戦争、ね。聖杯や抑止力から最低限の知識は与えられているけど、事前に聞いた在り方とは随分と異なるみたいだ」
「はい。本来は英霊として喚ばれるはずの無い方々が、この聖杯戦争に参加されています。使用されている召喚式も既存のモノとは違う、未知の術式だそうで……十分な警戒が必要になるかと」
この聖杯戦争が歪んでいるとされる最大の理由。
それは
召喚された彼らは
ダ・ヴィンチちゃん曰く、「既存世界の
通常の特異点として換算すると、人理定礎値だけでいえば「EX」かそれ以上に相当するのだとか。
今回の聖杯戦争において正常といえる英霊など、それこそ
「幸いなことに、召喚された人達はあくまで〝
それが今回の聖杯戦争における唯一の救いだ。
もし仮に、英霊達が本来の
「大惨事英霊大戦……」ボソッ
「先輩?」
マシュが声を掛けてくる。
「あ、ああマシュ。大丈夫、何でもないよ」
「そうですか?お疲れなら、すぐに言ってください。心身の健康は今、何よりも優先されますから」
私の心を落ち着かせるように、優しい声色でマシュは言う。
「ううん、本当に大丈夫。それにさ?このまま帰ろうと思ったけど、どうせならあと一ヶ所だけ周ってみようよ。セリスさんも協力してくれるみたいだし、この時間帯ならまだ行けるって」
「そうでしょうか……?」
「そうだよ。それに確か、まだ柳洞寺を調べていなかったよね?」
「はい。冬木市にとって、心臓とも呼べる特に重要な
「なら、そこを調べてからホテルに戻ろっか。個人的にも気になることだらけだし、冬木の心臓を担うくらいの重要な場所なら、何か収穫があるかもしれない。素材とかね!」
「先輩……」
若干、呆れた様子でマシュは私を見やる。
何故だろうか、妙に解せない。
これからも頑張ります!