【朗報】ワイの鯖、見覚えのある奴しかいない件   作:エタル丸

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皆様からのアドバイスもあり心機一転、ここに帰って参りました!ということで初投稿です。


人類史の肯定者

 

今日も私達は特異点修復(聖杯探索)の為、冬木市各地を歩き回っていた。普段の聖杯探索であれば、そろそろ情報の一つが出てきてもおかしくない頃だろう。

 

……何時もならば。

 

だが必死に探索を続けてなお、未だ聖杯の影さえ踏めていない。これは由々しき事態だ。

 

進展らしい進展といえば、前の「聖杯が二つあるかもしれない」という憶測程度のモノ。もはや情報と呼ぶことさえ憚れるソレを頼りに行動を続けるが、事態は一向に進展せず停滞を続けている。

 

そうして今日の探索も徒労に終わったと思った頃、私達はとあるサーヴァントと出会った。それは抑止力から派遣されたサーヴァントを名乗る不審英霊(じんぶつ)にして、アノスさんの父親を名乗る存在。

 

ランサー/セリス・ヴォルディゴードだ。

 

「……なるほどね。話を聞く限り、君達は僕と同じくこの特異点の調査に赴いた。しかし今回の活動だけでは収穫を得られず、仕方なく行動を終えて帰還しようとした直前に偶々(・・)僕と鉢合わせる形になった(・・・・・・・・・・・・)。そういう認識で間違いないかい?」

 

「ええ、その通りです(・・・・・・)

 

どうにも怪しさを拭いきれないが、「これでも抑止力から派遣されたサーヴァント」とは本人の弁。

 

現在の状況を鑑みて、完全に信頼することは出来ないが、ある程度の信用はしても大丈夫。少なくとも私達の間では、そういう判断で固まった。

 

「それにしても──歪んだ聖杯戦争、ね。聖杯や抑止力から最低限の知識は与えられているけど、事前に聞いた在り方とは随分と異なるみたいだ」

 

「はい。本来は英霊として喚ばれるはずの無い方々が、この聖杯戦争に参加されています。使用されている召喚式も既存のモノとは違う、未知の術式だそうで……十分な警戒が必要になるかと」

 

この聖杯戦争が歪んでいるとされる最大の理由。

 

それは不明な世界(外世界)から無作為に選定した対象を、召喚式自体が無理やり情報として「座」に登録することで、その存在を擬似的な『英霊』として認定し、それを召喚できるようにするというもの。

 

召喚された彼らはフォーリナー(外世界からの降臨者)としてではなく、この世界の人類史を肯定するモノ──すなわち英霊として『世界』に招かれているのだという。

 

ダ・ヴィンチちゃん曰く、「既存世界の法則(ルール)から、あまりに逸脱し過ぎている」らしい。この亜種特異点が与える人類史全体への影響はないに等しいが、今回のこれは流石に看過しがたい事象だ。

 

通常の特異点として換算すると、人理定礎値だけでいえば「EX」かそれ以上に相当するのだとか。

 

今回の聖杯戦争において正常といえる英霊など、それこそセイバー(モードレッド)ランサー(ヘクトール)くらいなものだろう。それほどまでに今回の特異点は異常なのだ。

 

「幸いなことに、召喚された人達はあくまで〝英霊(サーヴァント)〟としてのスケールに収まっているということ。そうじゃなかったら今頃、この特異点自体が滅びていたかもしれないね……」

 

それが今回の聖杯戦争における唯一の救いだ。

 

もし仮に、英霊達が本来の存在格(スケール)で召喚されようものなら、この星がかつての空想樹海(オルト・シバルバー)の様な惨状になっていただろう。考えたくもない事態だ。

 

「大惨事英霊大戦……」ボソッ

 

「先輩?」

 

マシュが声を掛けてくる。

 

「あ、ああマシュ。大丈夫、何でもないよ」

 

「そうですか?お疲れなら、すぐに言ってください。心身の健康は今、何よりも優先されますから」

 

私の心を落ち着かせるように、優しい声色でマシュは言う。

 

「ううん、本当に大丈夫。それにさ?このまま帰ろうと思ったけど、どうせならあと一ヶ所だけ周ってみようよ。セリスさんも協力してくれるみたいだし、この時間帯ならまだ行けるって」

 

「そうでしょうか……?」

 

「そうだよ。それに確か、まだ柳洞寺を調べていなかったよね?」

 

「はい。冬木市にとって、心臓とも呼べる特に重要な場所(ポイント)ですね。アルトリア(オルタ)さんが大聖杯を守っていた場所です」

 

「なら、そこを調べてからホテルに戻ろっか。個人的にも気になることだらけだし、冬木の心臓を担うくらいの重要な場所なら、何か収穫があるかもしれない。素材とかね!」

 

「先輩……」

 

若干、呆れた様子でマシュは私を見やる。

 

何故だろうか、妙に解せない。




これからも頑張ります!
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