【朗報】ワイの鯖、見覚えのある奴しかいない件 作:エタル丸
漆黒の光が収束し、召喚されたモノが姿を顕す。
「フォーリナー、アノス・ヴォルディゴード」
そこには白い制服に身を包み、溢れんばかりの王気を隠そうともしない、青年の姿をした英霊が居た。
「召喚に応じ、参上させてもらった。本来であれば問うまでもないが、ここでは問うのが定石だと聞いたのでな」
「──問おう、お前が俺のマスターか?」
紅い瞳が、こちらを見つめている。
◇
「暴虐の魔王、アノス・ヴォルディゴード……何で!?」
「なるほど。俺を知っている、か」
いや、ファーストサーヴァントで
これはありえねぇでしょうがッ!?!?
暴虐の魔王アノス・ヴォルディゴード。何故、彼が縁もゆかりも、ましてマトモな
こればっかりは予想の外の外の外だ。
そもそも
だけど、この召喚に関してはマジで理解不能。
というか、どうやってFate世界に転移してこれたんだよ。抑止力はどうした、仕事しろよ!!
……後で、どうやって来たのか聞いてみるか。
しっかし土壇場での召喚だったけど、流石に引きが良すぎて怖くなってきたンゴねぇ。もしかして、これって一種の転生特典だったりする?
「ふむ。何か考えているようだが……まあよい。それにしてもだ、マスターよ」
ん?あーはいはい、何でございやしょうか。
「あの魔術師は放って置いてもよいのか?あれを追い払う為、お前は俺を呼び出したのだろう?」
すみません、(よく)ないです。
このまま逃がして、魔術協会に情報を持ち帰られたりしたら困る。自分で自分の墓穴を掘る趣味は生憎、持ち合わせていないんだヨ。
てな訳でアノス様、俺達に協力してクレメンス。勿論、嫌なら断ってくれても良いので。まあ、できれば助けてほしいんだけど……。
「……くはは。英霊を召喚する者、特に魔術師は外道の類が多いとは聞いていたがな。なかなかどうして、俺はマスターに恵まれているらしい」
アノスは俺の言葉に首肯する。
つまり、協力してくれる……ってコト!?
「ああ、任せよ。──さて」
アノスは目の前に魔法陣を描いた。それは、この場にいる魔術師全てを対象としているようだ。
「<
魔術師達の首に黒糸が絡みつき、それは徐々に漆黒の首輪を形成していく。
「クソッ、何だこの首輪は!まったく外れねぇ……!?ぐ……がぁ…!」
「<
漆黒の首輪。それは決して逃れることの叶わぬ呪いへと変じ、彼らの首を強く締めつけていく。
「……ぐっ……う、がぁ……おぁ……」
「一秒間に数千万回繰り返せ。魔術なき世界を」
アノスがそう言うと、魔術師達の目からは生気が失われていった。
「……さて、どうだ?マスター」
これで文句はあるまい?と言ったように、アノスはこちらへと視線を向ける。
ここまで完璧に無力化されたのなら、文句のつけようがない。……てか、元から文句なんて言うつもりも無いのだが。
「完璧だ。これからよろしく頼むよ、アノス」
そうして俺はアノスに向かって手を差し出し、握手を求める。直ぐ様、俺の意図を察したアノスは俺の手を握り返し、快くそれに応じてくれた。
「なかなかどうして、お前とは良い関係を築けそうだ」
へいへい、よろしく頼みますよっと。
さて。これで正式に俺のサーヴァントとして契約を交わしてくれたわけだが………
魔王様には俺が当初から抱いていた疑問。俺の召喚に応じてくれた理由についてを答えてもらいたい。あまり有耶無耶にしてほしくない部分だし。
……という訳なので、教えてクレメンス。
「なに、簡単な話だ。力を貸してくれと、俺を呼ぶ声が聞こえたから力を貸してやろうと思った。それだけだ」
え、それで力を貸してくれたんですか?
「ああ」
え、そんなアッサリ……?
イヤイヤ、だけどそんな簡単な話じゃないはず。
そもそもこの世界には「抑止力」というものが存在する。星や人々が滅びる要因となるものを排斥する力。別名『カウンターガーディアン』。
そういった力が働く以上、アノス・ヴォルディゴードという人類悪以上の「滅び」を排斥しようとするのが世界の理だ。本来ならば。
召喚されるにしても、抑止力という壁を乗り越えるのは簡単ではない。まあ彼の力なら無理矢理、越えることもできなくはないんだろうが……その場合は世界、いや宇宙の方が耐えきれずに滅びる。
結局のところ、どうなんですの?それこそ抑止力、アラヤやガイアは黙っちゃいない。世界転移の邪魔はされなかったんすか???
「阻まれたな。なにせ、全く見知らぬ別世界だ。最も、俺本人が顕現するにもこの
可能性の影……<
「くはは、流石に察しがいい。そうだ。秩序に反する<
相変わらず無茶苦茶やってんなぁ、オイ。
……って今更、思い出したわ。そういや
そして、なるほど。では今の貴方はアノス・ヴォルディゴード本人というわけではなく、「座」の
「そういうことだ。……ふむ。少々いいか?」
どうされました?
「なに、大したことではないが──」
「あそこで蹲っているのは、お前のサーヴァントではないのか?」
え?
………………………………。
ミカーー!!!!