【朗報】ワイの鯖、見覚えのある奴しかいない件 作:エタル丸
──半刻後
あー、なるほどね。
つまり君達は亜種特異点の修復、そして観測された異常な魔力の正体についてを調査しにきたと。
「そういうことになります」
う〜ん、普通にヤバイな。
本当の意味での特異点ではないにしろ、亜種特異点も十分にヤバイ。彼女達を見つけた時点で薄々そんな予感はしていたけど、マジかぁ……。
宿泊先で亜種特異点、しかも聖杯戦争に巻き込まれそうとか軽く地獄だろうがよ。泣きたい(泣)
「あの〜……」
んーはいはい、どうしましたか?立香ちゃん。
「後ろのお二人はサーヴァントなんですよね?」
「そうだよ?」
「ああ」
そうだね、それがどうしたんだい?
「先程、こちらの事情も交えて説明したと思うんですけどカルデアには古今東西、あらゆる英霊が集っているんですよ。ですが……」
んぁ?……あー、はいはい。なるほどね。そんな数多の英霊達が集うカルデアにも、この二人の姿は無かったから気になったと?
「はい。ミカさんは多分、何らかの疑似サーヴァントだと思うんですけど……アノスさんだけは本当に分からなくて。ミカさんは兎も角、アノスさんのそれは真名でしょ?」
「……ほう?」
やっぱりこの娘、只者じゃないな。
分かりきっていたことだけど、いざ顔を合わせてみるとハッキリ分かる。主人公とか、そういう事情を抜きにしても観察眼に長けていることが。流石に一癖どころか二癖、十癖もある英霊達を束ねているだけのことはある。
「くはは。人類最後のマスターと聞いてはいたが……面白い。なかなかどうして、その名に違わぬ鑑識眼を持ち合わせているようだ」
ミカを一発で疑似サーヴァントだと見抜く観察力、サーヴァントとの適切な距離感。全てが絶妙で、純粋に凄いという感想しか湧かねぇな……。魔法使い、そういうの分からないもん。
「だから二人がどんな英霊なのかが気になって……」
なるほどほどなる。
そりゃ気にもなりますわな。
……まぁ、彼女達には二人の正体を教えてもいいのかなぁ?どうする二人とも……ってああ、え。良いの?本当に??……は、はぁ。了解でござんす。
「ふ〜ん。私達のこと、そんなに気になるんだ?」
「あっ。いや、別に無理矢理にでも聞き出したいってわけじゃなくて」
「うんうん、いいよ。立香ちゃん達には特別に教えてあげるね!」
「!?」
いきなりかよ、そりゃ驚くわ。
ああいったお転婆な気質は依代に影響されているのかな?
「じゃあ改めて、私の真名はミカエル。大天使ミカエルだよ、よろしくねっ!」
そして真っ先に真名を明かすミカさん。
いや、もうちょっとタイミングってものがあるでしょうに……。
「……!?」
「大天使ミカエル……」
あらら。立香ちゃんは大丈夫だったけど、マシュ嬢は固まっちゃったわね。
「あ、あれ?私、何かおかしなこと言っちゃったかな……?」
いんや、言ったこと自体はおかしくはないんや。
おかしくはないんだけど、彼女達がフリーズするのも仕方のない、割と衝撃的な内容ではあったかな。
◇
──数刻後
あの後、彼女の正体がミカエルだという事実に取り乱すこともなく案外、すぐに気を持ち直しました。流石に人類最後のマスターなだけはある。
そうしてワイと立香ちゃんはいつの間にか意気投合し、カルデアとも協力体制を築くことに。
え?話がトントン拍子すぎて何かおかしいって?細けぇことは気にすんな。世の中には色々な事情があるんだよ、事情が!!
……話を戻すか。
勿論、協力体制を築く際にカルデア……ダ・ヴィンチちゃん達とも通信越しに会話したよ。最初はめちゃくちゃ警戒されたけど結果、何とか信用はされたっぽい。新所長には終始、警戒されていたけどね。
そして時間が跳びまして現在。
「素に銀と鉄。礎に石と契約の大公。集う星の
降り立つ風には壁を。四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ。
繰り返すつどに五度。
ただ、満たされる刻を破却する
────告げる。
汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。
聖杯の寄るべに従い、人理の
汝星見の言霊を纏う七天。
はい、
いや、ね?このまま現地協力者も得ずに聖杯戦争に臨むのもどうかと思ったんで急遽、サーヴァントを召喚しようということになったわけですよ。
どうやら今回の聖杯戦争はだいぶ特殊らしく、カルデアからは一人しかサーヴァントを派遣できないとのこと。その分、強力なサーヴァントを派遣するらしいけど。
そんなこともあって、俺が彼女達に儀式場を貸す形で英霊召喚を行うことになったわけですよ。あ、場所はミカを召喚したあの密室です。
さて、誰が召喚されるのかしら。
「……!」
「サーヴァント・ランサー。召喚に応じ、参上した。嬢ちゃんがマスターか?ま、気軽にやろうや!よろしくな」
結果はクー・フーリン(ランサー)でした。なかなか手堅いサーヴァントを喚びますねぇ。
「よろしくね、クー・フーリン。いや、兄貴!」
「おおっと?俺を知ってるのか。ってことは嬢ちゃん、じゃなかった。マスターとは何処か別の場所で会ってるってことか?厳密には違う俺なんだろうが……」
「そういうこと。さ、次は誠治さんの番だよ」
よしきた。
さて、今回はミカの時(アノスは除く)とは違い、触媒は一切持っていない。つまりは完全ランダムの召喚になるな。改めて、英霊召喚ってめちゃくちゃ緊張するな。
「素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公。降り立つ風には壁を。 四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ。
繰り返すつどに五度。
ただ、満たされる刻を破却する
──────
────告げる。
──告げる。
汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。
聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ誓いを此処に。
我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者。汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ──!」
来い来い来い来い来いーーッッ!!
さあ、どうだ!?誰がきたッ!
「サーヴァント・アーチャー、アズライールだ。だが今回は諸事情により、とある少女の肉体……というより存在そのものを依代に現界している。なので改めて、この少女の名で名乗らせてもらおう」
「白洲アズサだ。これからよろしく頼む、マスター」
燃え尽きたぜ、真っ白に──。