ちょっと練らなきゃかけない設定が多かったのですが、まとまって来たので再始動します。
ちょっと試験的に会話文の間の隙間を消したりしてみてます、見辛くなってたらごめんなさい。
B級冒険者に昇級した僕達は、依頼掲示板に集って依頼を探していた。仮にもB級になったと言うのに、未だ受けた依頼は薬草採取のみ。いくら街に貢献していると言っても、流石にギルドに申し訳がたたなかった。そんな薬草採取だが、新しいポーションの需要によりかなり割りの良い依頼になりつつあるらしい。冒険者が怪我をする以上は、今後も需要は高いままだと思う。
A級への昇級条件は変わらず、『ギルドからの評価』と『危険なモンスターの討伐』に加え、『試験官との戦闘試験』の三つらしい。だけどそのどれもがB級昇級時と比べものにならないほど難しい。特にA級昇級の為の試験官はほぼ間違いなくA級だろうから。
そうやって依頼を探していると、受付に声を掛けられる。なんと、僕達のパーティに護衛の指名依頼が届いているという。目的地は、王国内の要塞『モエニア』らしい。
今の僕の課題は、対人経験の無さだ。それにダンジョンと宿を行き来してばかりで冒険者と言うよりは探索家というような状態。ここらで一つ世界を見て回るのも良いだろうという話になったので、どうせなら遠出をする依頼を受ける事にしたのだが……依頼相手は貴族の人らしいのだ。
「貴族の人相手のマナーなんて僕知らないんだけど……」
「大丈夫だよノル君、私も分からないから」
それは全然大丈夫では無いと思うんだけど……そもそも貴族の人とか村で一度見ただけだし。
「冒険者をわざわざ頼るってことはそれだけあちらさんも余裕が無いってことだよ、そこまで心配する必要は無いと思うな」
「そうです……かね?」
そう言われてもどうしても緊張してしまう。おそらくは、A級冒険者の師匠が居るからの指名依頼なんだろうけど……相手方もA級冒険者が必要と思うだけの行先か、それだけ大切な相手を送りたいという事だと思うし。
待ち合わせに指定された位置まで向かうと、どう見ても庶民向けではない馬車が一台止まっていた。この中に今回の依頼人が乗っているのだろうけど───緊張する。粗相だけはしないようにしないと……おっかなびっくりしながらも馬車の扉をノックすると、カーテンが開いた先から白いレースの手袋が手招きをしている。ほ、本当に入って良いのだろうか。
馬車の中に居たのは、立ち振る舞いから高貴さが滲み出ていて間違っても冒険者なんかと同じ馬車に居てはいけないような御方だった。凡人顔の僕とはきっと住む世界が違う、その顔を見た途端先ほどまで冷静そうな顔をしていた師匠も……いや、師匠はあまり顔に出ないんだった。
「こっ、これはこれは……ツェツィーリア王女殿下ではありませんか」
「スノウリリィ家のグレイエルさんでしたよね、お兄様からお話はお聞きしたことがありますわ」
聞こえてきた情報に、思わず耳を疑いたくなる。
何故、王女殿下が護衛を連れずに冒険者なんかに依頼を出して何処かへ向かおうとしているんだ!?どうしよう、一応のパーティーリーダーは僕なんだから挨拶をしないといけないか?それでも、失礼な事を言ってしまいそうで酷く怖い。
「ぼっ、冒険者のノマル・フットゥ!?」
「ふふっ、そんなに緊張しなくても大丈夫ですから、とりあえずはお座りになってください?」
盛大に噛んでしまい、最悪の顔合わせを果たした僕だった。やっぱり今からでも師匠かシエナにリーダーを変わってもらいたい、そんな気持ちで一杯だった。
動き出した馬車に揺られる……といっても、殆ど揺れを感じさせない馬車に乗っていた僕は緊張のあまり喉がカラカラだった。シエナは……いつも通りだ。どうしてそんなに落ち着いていられるのだろうか?
「改めて自己紹介をさせていただきますわ、わたくしの名前はツェツィーリア・フォン・クロッカスと申します。気軽にツェツィとお呼びくださいね?」
「まっ、まさかあの『聖女様』をそんな気軽にお呼びする訳には……!」
そう、彼女は……この国の第一王女であり、『聖女』のスキルを授かったとても凄いお方なのだ。悪い噂の一つすら聞かない程に国民から愛されている彼女が、護衛すら殆どつけずにどうしてこんな場所にいるのか……皆目見当もつかなかった。
「皆様のご活躍はかねてよりお聞きしておりますわ。なんでももうB級冒険者に昇級したとか……流石はあのオットーをくだした『剣聖』様と、12魔将を討伐した『勇気あるお方』ですね。師の教えも良いのでしょうね」
……そういうことか、あくまで師匠に対しての依頼だと思っていたが……全ての『裏』を知っている偉い人からの依頼だと言われればこのタイミングでの指名もしっくり来る。それでも幾つか疑問は残るけど……
「そのモエニアとしばらく前から連絡が取れないのです。あそこは防衛的には非常に大切な場所。早急に確認をする必要がありますわ」
「それで、僕達に……」
確かに、王国として出せる最強の駒がオットーさんである以上、少数精鋭で行きたいのならこの人選は間違っていないのかもしれない。僕があれを倒せたのは、今考えても少し出来過ぎた状況だったからだとは思うけど。
護衛は馬車の御者をしている騎士を含めて3人、初めての護衛依頼は随分と想像のつかないものになりそうだった。
馬車に揺られる事、一日が経過した頃。順路は順調で、辺りはすっかり暗くなり始めていた。何故かシエナが聖女様と打ち解けつつあることを除けば特にハプニングらしいハプニングは起こっていなかった。物怖じしないというか、「でも私の方が強いしなぁ……」くらいの気持ちで接しているんじゃないかと冷や冷やする。
「流石にそんなことは思ってないよ!?」
「……ごめん、口に出てた」
「もう、ツェツィーリア様が寝てるからって気を抜きすぎ───んっ?」
シエナが腰にある剣に手を伸ばしてから一拍遅れて、僕も何か嫌な予感がして杖に手を伸ばす。それから少し遅れて、馬車が急に止まり物々しい雰囲気がその場に満ち始める。
「───外へ!」
短く、しかししっかりと用件を伝えた師匠は、外へ向かうべく馬車のドアを開ける。それについていく僕達と、護衛対象のツェツィーリア様は寝起きだろうに杖を握って周囲を警戒していた。おそらくはこういった事態に場慣れしているのだろう。
外へ出ると、街道を塞ぐように立っていたのは魔物ではなく───『人間』だった。
お世辞にも綺麗とは言えない服装、道を塞ぐ彼らの表情にはこちらを見下すような表情から見て取れる通り……何かこちらに対して悪意を持っていることは確実だろう。その集団の中でも、一番体格の大きい男がゆっくりと喋り出す。
「随分と名のあるお貴族様とお見受けしましたぜ、よければ俺達に少しばかり恵んではくれやせんかね?」
「……生憎、この馬車には高価なものはあまり積んではいませんわ」
「いやいや、随分と御立派なものを積んでらっしゃるじゃありませんか。お前たち、女は傷つけるなよッ!」
短刀を抜いて馬車を取り囲み始める彼らは、盗賊と言われる類のモノだろう。騎士が護衛についているというのに狙うあたり……恐らくは自分の腕にある程度の自信があるか、考え知らずの馬鹿かのどちらかだろう。
「……ノル君、シエナちゃん。厳しそうなら後ろで見てても良いよ」
「ううん、大丈夫」
「僕も……行けます」
戦力的には全く問題ない、それでもグレイ師匠がこちらを案じてくれたのは……相手が人間だからだろう。近くの街まで半日はかかる、このまま野放しにすれば他の人間が襲われるかもしれない。だから、中途半端ではなく……最期までやりきる必要がある。
戦闘自体はきっと一瞬で終わる、それでも手が震えるのは仕方ない事だと思う。それでも、この迷いが誰かを……大切な人を傷つけるというのなら、僕は躊躇ったりはしないと心に決めたから。
『スキル:
「
呪文を詠唱する声が震える、それでもいつもと同じように使い慣れた魔法を詠唱する。
火力はこれで十分だろうから、せめて痛みを感じる間もなく一撃で葬り去ってあげるのが彼らの為に僕が出来る唯一の事だ。
「───
立て続けに放たれた『2本』の氷の槍が、盗賊の頭らしき相手へと飛んでいき───1本目を短刀で弾き落した彼の顔が驚愕に染まる。そこそこ腕は立つようだが、この初見殺しに似た一撃を防げるだけの技量は無かったのだろう、そして彼に『次』は来ない。
地面に真っ赤な花を咲かせた彼と、それを見て驚愕のあまり言葉を失う盗賊たち。頭を失った、盗賊団は碌な統率も取れずに掃討されていき───結果的に、誰一人欠ける事無く襲撃を乗り切った。結果的には……だけど。
文章の比率とか
-
地の文が多いほうが嬉しい
-
会話文多めの方が嬉しい