TS暗殺者はお姫様の従者 〜だけど勇者パーティーには入りたく無い〜   作:雷雷帝王

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 なんばんせんじなのか分かりませんが、書きました!



暗殺者はお姫様の従者になる

 

Side ??? 三人称

 

 数メートル離れた標的をぶつ切りに、そして燃やす。たったそれだけで命は消える。至極簡単な作業である。

 

「……やはり、お前は()()にむいているな。…だが、足りない。あれではすぐに殺されたとバレるぞ」

「……先生」

 

 12歳くらいの白髪赤目で不健康なほど白い肌の可愛らしい顔の少女が表情を一切変えずに飾り気のない白い仮面を被り素肌を一切晒さない格好をした性別不明の存在を見た。

 それは少女から先生と呼ばれ、少女にあらゆる暗殺術を教えている、今回もその一環で適当な路地裏にいたならず者で指導していた。

 

「結界を使い人を解体する。お前の結界魔法の技術は私を既に超えている。だが、詰めが甘い。刻むのならもっと細かく、そしてお前の火魔法は火力が低い、もっと高くしろ。全てを灰に変えなければ魔法で燃やされたと気づかれるぞ」

「はい、先生」

「次だ。今度は結界魔法なしで殺せ」

「分かりました」

 

 そして、次に白い仮面に運ばれて来たのは女だった。

 手足を縄で縛られ、猿轡をされた健康的な肉付きをした20代前後の女は少女を見るやいなや助けを求める目で見ていた。

 だが、少女は手に持ったナイフを構えて女に一歩ずつ近づいた。

 女は絶望した表情になり泣き叫び始めた、だが猿轡されていた為、うめき声をあげることしか出来なかった

 

「女は脂肪が多く邪魔になる。心臓を刺す時は細心の注意をしろ」

「はい、分かりました」

 

 少女は白い仮面にアドバイスをもらい、女の脇下に突き刺した。

 だが、途中でゴリッとした硬い感触に阻まれナイフが止まってしまった。

 

「ふむ、助骨に阻まれたか。今のお前では骨を断つことは不可能だ」

「……」

 

 少女は自身に身体強化魔法(フィジカルエンチャント)をかけ無理矢理骨を断ち、心臓を刺した。

 女は動きを止め、絶命した。

 

「はぁ……ムキになるな。その辺で捕まえたならず者はまだいる。次は生きたまま解体しろ」

「分かりました、先生」

 

 白い仮面は新たにならず者を持ってきた。

 少女は白い仮面に言われた通り、生きたまま解体するためにナイフを構えた。

 

 

 

▼△▼△▼△▼

 

 

 

 少女は元男の転生者である。男はどうしようもないクズだった。故に恨みを買い後ろから刺されて殺された。しかし、神の気まぐれなのか分からないが転生した。

 産まれた場所が裏路地にある娼館だった為、親の顔を知らずに育ち雑用係にされていた。

 しかも、転生者故かそれとも元々の身体にあったのか魔力を過敏に感じる症状《魔力過敏症》を患っていた。

 それ故に、雑用係をしてる合間、合間に魔法の練習をしていた。

 そして、気づかれない為に目立たない魔法を練習していた、それが結界魔法であった。

 結界魔法を鍛え、少女はあることを思い付いた。

 結界の範囲内と範囲外を区切る事で防御無視で物理的干渉出来るものをバラバラにする事が可能ではないのか……?と。

 そして、数年を費やし成功した。

が、10いくかいかないくらいで客を取られそうになった為、少女は初めて人に向かって鍛え上げた結界魔法を使った。

 目の前の客とその取り巻き達をぶつ切りにし、それを見ていた逃げ出そうとしていた娼婦や他の客達をその辺で拾った果物ナイフと結界魔法で次々と屍に変えていった。

 そして、娼館にいる全ての人を屍に変え、娼館を出て裏路地を宛もなく歩いているとソレと出会った。

 ソレは、男なのか女なのか子供なのか老人なのか声だけでは分からない。

 白い飾り気のない仮面を被り一切肌を見せない格好をした黒いローブを羽織った存在、少女はソレを敵と認識して結界魔法を放った。

 だが、ソレは避けた。少女は表情を変えずに果物ナイフでソレに追撃した。

 

「……筋はいい。それに、あの結界魔法の使い方。だが、歳故か動きが素直だな。……ふむ、鍛える価値はあるか」

 

 ソレは少女を気絶させ、少女を担ぎそのまま暗闇の中に消えていった。

 そして、少女の暗殺者としての修行の日々が始まった。

 

 

 

▼△▼△▼△▼

 

 

 

 時は進み、少女は13歳になった。少女の暗殺術は更に磨きがかかっていた。

 そんなある日、白い仮面が帰ってくるなり少女を呼んだ。

 少女が白い仮面の元に来ると、白い仮面は少女に最後の課題を出した

 

「お前には今から私と殺し合いをしてもらう。いいな」

「……分かりました。先生」

 

 少女と白い仮面はナイフを出し、構えた。そして、始まった。殺し合い(最後の課題)が……

 


 

Side ??? 三人称

 

 時は遡り、暗殺術を学ぶ少女がまだ産まれてから5年の歳月が経った頃、とある城の庭にも同じ小さな命が駆け回っていた。

 

「ソフィア、おいで」

「!おかあさま!!」

 

 ここは王都《アスラード》、その中心である王城《アスラード城》である。

 その洋風庭園のガゼボにある椅子に座っている現王の妻《クリスティーナ·フォン·アスラード》は娘である《ソフィア·フォン·アスラード》を呼んでいた。

 

「おかあさま!なんですか?」

「ふふ、相変わらず元気がいいですね。けれど淑女としては、もう少し落ち着きを持ちなさい」

「は〜い……。ねぇ、おかあさま」

「どうしたのソフィア?」

「わたしはおかあさまみたいないいじょうおうさまになれるかな……?」

「ふふ、貴女ならきっとなれますよ」

「じゃあじゃあ、ごせんぞさまがゆうしゃさまといっしょにたおしたまおうもたおせる!?」

「それは……ええ、きっと」

「ほんと!?じゃあまたまおうがでてきたら、ゆうしゃさまといっしょにたおしてあげる!!」

「ふふ、そうね。でも、(わたくし)達のご先祖様と勇者様だけで魔王を倒したわけではないのよ」

「?どういうこと?」

「勇者様の他にも聖女様や魔法使い、戦士など仲間の力を合わせたから魔王を打ち倒せたのよ」

「なかまのちから……うん!じゃあ、わたし!ゆうしゃさまといっしょになかまいっぱいあつめる!」

 

 小さなお姫様はその身に大きな希望を持ちながら大好きな母親に夢を語った。

 そして9年後ある暗殺者を自分の御付きにするとも知らずに……

 


 

Side ??? 一人称

 

 この世界に転生して14年か……オレは一体何人殺してきたのか。まぁ、どうでもいいことか。

 

「はぁ~にしても、依頼来すぎだろ。これでやっと最後だ。ん?この国の第一王女を暗殺しろ?なんだこの無理ゲー過ぎる依頼、けど報酬金は多いな。……受けるか」

 

 オレは深夜になるのを待ちながら自分の手で亡き者にした先生のことに思いを馳せていた。

 先生を殺しても何も感じなかった、3年以上一緒にいたのに……けど、それはいいことだ。

 自分のことを第一に考えられてる、それはとても素晴らしいことなのだ。

 この考えをオレは変えることはない、と自分で確信していた……はずだった。

 このあと暗殺対象のお姫様の御付きになるなんて知らずに……

 

 

 

▼△▼△▼△▼

 

 

 

 深夜になり、オレは王女を暗殺する為に城の中に入り、誰にも気づかれずに王女の部屋に辿り着いた。

 そして部屋に入り、王女と目が合った。

 

「貴女……誰ですか?城の者じゃないですね」

「……」

 

 オレは面倒になり、王女に向かってナイフを投げた。だが、ナイフは見えない壁に阻まれて床に突き刺さった。

 

「!……結界魔法じゃ…ないな」

「貴女は私の命を奪いに来たのですね。……何ゴルド掛かっているのですか?」

「……そんなの聞いて何になるんだ」

「いいから、答えなさい……!」

「……50万ゴルド」

「そう、貴女は50万ゴルド程度で動いたんですね」

「?何が言いたい」

「貴女、私の付き人になりなさい」

「はぁ?オレに何のメリットがあるんだ」

「月100万ゴルド貴女に渡します」

「!?成る程……だが、オレが金で動かない人間だと思わなかったのか?」

「私、これでも人を見る目は確かだと自負していますので」

「……はぁ~、いいだろう。なってやるよ、お前の付き人に」

「ふふ、では明日詳しく話をしたいので今日はもう解散しましょう」

「分かった。明日侍女として潜入する」

「ええ、それではさようなら」

 

 オレはお姫様の条件をのみ、お姫様の付き人として生活することになった。

 ものすごく後悔するとも知らずに……

 





 ???…転生したら女だった。男に抱かれそうになった為皆殺しにしてたところ先生に捕まり暗殺術を叩き込められた。先生を殺した後、先生の付けていた仮面を腰に付けている。現在は金が多い依頼を優先してこなしている

 ソフィア·フォン·アスラード…天真爛漫な少女。成長するに連れて落ち着いてきたが根本は変わっていない。先祖が勇者と共に魔王と戦った魔法剣士だった。そのため、魔王が現れたら勇者と仲間達と共に魔王を倒すことに憧れている。暗殺者を自分の従者にしたのも仲間集めの一環である
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