ウォーハンマー×ブルアカ   作:eriza7170

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プロローグ4 アロナ

001

 

 

「これがシャーレ、ひいては連邦生徒会の全権限を持つ端末か。」

 

 

誰もいなくなった地下室で改めて端末を見つけた、それはキヴォトスにおいては一般的な市販のパッド型の機械のようだがマリーンにとっては目新しいものだった。

四角い板のようなものだ、だが機械にあるべき電源ボタンが見当たらない。

しばらくつかんだまま、横を見たり上げて見たり下を見たりしたが、まぁ見当たらない。

 

 

「ふむ、接触式か?」

 

 

手甲をしたまま画面を触ってしまうが、特に壊れる様子もなく、電源が起動する。

 

 

「パスワード……いや、そもそもこれは俺が触って壊れないのか?」

 

 

そーっと机においてから考える、かの大英雄であるグィリマン陛下も地面に落ちた紙に苦戦していたと聞く、これは厚みがある分大丈夫だが、アーマーを着た状態ではいささか心配が勝る。

 

うーんと悩む、これは問題だ、本来なら自分の手で選別した秘書が読み上げたり落ちたものも拾ってもらったりしていた。

ここにはまだ信頼できる人間がいないので厳しい、先生なら生徒は信用すべきだろうが、彼女らの文化や歴史形成から見る人格などを見ないことには信頼などできない。

それは数多の惑星から労働としてやってくる者たちを見てたゆえの経験則であった。

まぁ中には隠れ邪教やらがいたのでぶっ潰してやった、そういう生徒がいるとは思いたくはないが、既に不良生徒となったケイオススペースマリーンがいるのだ、奴らが歪みの四現象を今も信仰している可能性はある。

だが同時に思う、そんな奴らがいてこのキヴォトスがまだ無事なことだ、ティラニッドやオルクよりかはマシだとしても奴らもそこまで変わらない。

なのにこの世界はいまだに秩序がある、それはどういうことなのだろうか。

 

わからん、情報が足りなすぎる。

 

 

「一人ケイオス不良を捕まえて尋問でもするべきか……いや、ナイトロードの連中がいれば貴金属で聞けるか?……不可能だな、目下問題なのはこのタブレットの耐久度か」

 

 

試しにとボールペンを慎重につかみ、タブレットをツンツンとしてる。

その時である。

 

 

『いたい!いたいです先生!タブレットにはタブレット専用のタッチペンなどを使ってください!』

 

 

そんな声が机においていたヘルメットからする、少女の声だ、おかしい、外で待っているであろう少女たちとは違う声がする。

 

 

「君は誰だ?どこから連絡している?」

 

『あ、先生!聞こえてますか!ボールペンでツンツンするのはやめてください!表面が傷ついてしまいますよ!』

 

「……ふむ?言い方を見るに君はこの場所を観測しているのか?」

 

『えーっと、先生風に言うと、私はアロナ!……機械?精霊?です!タブレットであるシッテムの箱の!先生が今机の上に置いてあるソレです!』

 

「なんだと?」

 

機械精霊、彼女はそう言っている、事実だかはわからない、この場には監視カメラはあるにはある、だが先ほどまで建物の電源すら止まっていたところを瞬時に監視などできるのだろうか?

それに機械精霊、その単語を知っている者はこの場には俺しかいないだろう。

 

 

「機械精霊アロナよ、君は勝手に起動したということか?」

 

『あっ、えーっと、そう、そうです!先生のボールペンでの接触がたまたま!たまたま起動ボタンを押したのです!』

 

「言い訳じみているが、今は信じよう機械精霊アロナよ。」

 

 

どこか本来であれば禁止されている存在、邪狡知能であろうことは外の世界の人類ならわかるだろう。

おそらくスペースマリーンであれば、よほどの自由な考えを持つ者でなければ一瞬でこのタブレットを破壊するであろう。

特にブラックテンペラーなど危ういであろう、あの兵団は皇帝を狂信しているために皇帝の威信をかけて滅ぼした存在などに厳しいのだ。

逆にアデプトゥスメカニカスであれば分解しててでもその中身を覗いたであろう、謎の物質で出来ているらしいのでおそらくは無理であろうが、その程度で止まるのであればメカニカスではない。

 

そしてこの、先生となるアレックスはよほどの自由な考えを持つ者だった。

これは彼の惑星に元から住んでいたとある種族の影響を受けていたためだ。

キンと呼ばれる種族がいる、ギリギリ人類判定を受けている彼らは職人気質であり、機械、特に人類間であれば邪狡知能であろう存在を友人としてみている。

あとからやってきた人類の精鋭である我の父、スペースマリーンのジョン・オリバー【ゴールデン】とは敵対関係になるかどうかのギリギリであったが。

彼らですら起動できなかった惑星の守護システムを起動したことで彼らの仲間と認められた経緯がある。

そのためか、ゴールデンアスタルテスは他の兵団と比べて邪狡知能か機械精霊かの判断が緩い傾向になる、そもそもの判断が厳しいので五十歩百歩であろうが。

 

 

「機械精霊アロナよ、起動の儀式にはどのような手順が必要なんだ?」

 

『そのためには一度こちらに来ていただくことが必要ですね!先生!手をこちらに!』

 

 

そういって機械精霊アロナは指を映像としてこちらに押し付ける、まるで画面の向こうに空間があるかのような絵を見ることができた。

 

 

「こうか?む!?」

 

アーマー越しに指を画面に押し付けると周囲の空間が切り替わる、そんな感想を抱くことしかできない経験はアレックスを困惑させた。

崩壊した学校の教室、だがその崩壊は怠惰ではなく綺麗という感想を浮かばせた。

天井はなく、壁は一面だけ爆発でも起こったかのように崩壊し。

世界は青色の空と青色の海に浸食されつつある教室だけが存在している。

 

 

「はじめまして先生!私は機械精霊アロナちゃんです!」

 

「私はアレックス・オリバー・ゴールデンだ。」

 

 

アレックスはしゃがみ、アロナと視線を合わせようとするが、それはアロナの身長が平均より低いゆえにあくまで努力という方向性となった。

 

水色の髪色をショートカットにまとめ、そして同じ色のセーラー服をまとった少女がそこにいた。

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