001
(……なんだ?この既視感は)
アレックスはどこから見覚えのある顔つきをしているアロナと呼ばれた存在としばらく話した。
曰く、このシャーレに来るためのアポを取っている存在が複数いることと、それが同じグループに所属している別々の学園の存在であるということ。
曰く、この世界で殺しはご法度であり、暗黒面ともいえる世界ではない世界であること、だが暴力に対しての引き金は外の世界より軽いので大事故になる可能性があるので可能な限りアーマーを装着しておいたほうがいいとのこと。
曰く、アロナちゃんバリアーは最強だと。
最後のアロナちゃんバリアーについて詳しい情報が欲しかったが、先生を中心に発生するらしいので耐久度を調べるには自身に攻撃を加える必要があるらしい。
それはちょっとと思ってしまったので何かそういう専門職の者にである必要があるだろう。
「機械精霊アロナよ、私に会いたいというのは誰なんだ?」
この空間なら安心です!というアロナの言葉を信じ、ヘルメットを外してアロナと会話をする。
黄金色に光り輝いている短めのロングヘアーと獣に引っかかれたような左目の傷、若い男性である顔つきのはずだが、どこか歴戦の兵を思わせるオーラをまとわせている。
それが彼が若くして戦団長を任されているという責務の重みか、それとも誇りか。
「えーっとグループ名が複数ありますね、頭にロイヤリストとかスペースマリーンとか書いてありますね!どうも同じグループの分派からの投稿が重なっているみたいです!」
「何?スペースマリーンだと?」
スペースマリーン、その名を背負うのはここでは私のみだと思っていたがそうではないらしい。
「いますぐアポをつないでくれ」
002
『君たちがスペースマリーン……なのか?』
先生たるアレックスの目の前にいたのは小さなマリーンのような存在だった、身長もまばらであり、150cmから180cmまで様々だ、そして全員が同じプロテクターとヘルメットを装着している。
それはアレックスがよく知るものと、というより自身が装着しているものと酷似している。
大逆以前から大逆後、更には近年のプライマリスに至るまでのヘルメットだったのだから。
「見た目からして困惑するのはわかりますが、私たちは皇帝陛下に忠誠を誓ったマリーンで間違いありません、その一部ではありますが」
ヘルメットを脱ぎこちらへと挨拶をする元マリーンである生徒が言った。
『カラーを見るに君たちはウルトラマリーンなのか?』
「はい、元ウルトラマリーン小隊長アリーンと申します」
『私はゴールデンアスタルテス戦団長のアレックスだ、君たちの先生となる、らしい』
戦団長といったところ元マリーンたちはざわざわとし始める、それもそうだろう、本来戦団長であるという存在はめったなことでは前線には出てこないのだ。
それが惑星規模の異変であろうと、だ、つまるところのキヴォトスにおいてこれから起きる異変というのは惑星規模を超えた異変となるのは必然であるということである。
「戦団長とはまたビッグネームですね、そのゴールデンアスタルテスというのは聞き覚えがありませんが、どの年代にできたのですか?」
『スペースマリーンにとって近年であることは間違いないな、千年ほど前だ』
「つまり私達の後輩ですか、先生と聞いたのでどんな年代の方が来るのかと思いましたが」
『失礼なことを言ってしまうのであれば申しわけないが、君達はどの年代の者なのだ?ヘルメットからしてかなりバラバラのようだが』
「えぇ、我々はかなり年代が分かれております、ですが同じウルトラマリーンとして学区を超えた絆を持っているのは間違いないでしょう、それは代表として私たちが来ただけであり、各学区には様々なスペースマリーンのグループがあります、大逆派もですが」
『やはり、いるのか、ケイオススペースマリーンが』
「本物そのものは見つかっておりませんが、元、というのがつくのであれば百でくだらない数はいるかと、ですが先生にお願いしたいのは」
『大逆派であろうと殺しはなし、ということだろう?』
「!」
『わかっている、この世界が外に比べて歪なのもな』
「我々はこの大地、いえ、キヴォトスが歪みの空間の中の一部ではないかと考えております」
『歪み、か』
「大逆以前、大逆後、ティラニッド襲撃後、その他大勢が時代が分かれても同じキヴォトスという時代にそろっているのにも理解が及ぶかと」
『……大変な時代の先生になりそうだ』
アレックスは独り言ちた、それはこれから襲い掛かるであろう試練への覚悟か、それともどこも試練があるというのは同じという呆れか。
少なくともスペースマリーンの休みがないというのはどこも変わらない事実のようだった。