『それで君たちの来た理由はなんだ?俺に会うというだけではない気がするのだが』
「さすがスペースマリーン、お見通しですか」
『俺の出自上感情を読むのには長けているのでな。』
「なるほど、では単刀直入にお聞きしましょう、我らスペースマリーンはただ一つのことを確かめるためにやってきました」
『ただ一つのこと、とは?』
「連邦生徒会長が残した、このシャーレの地下にある構造物についてです」
『あぁ、あのクラフトチェンバーなる代物か』
「はい、あれは連邦生徒会長しか使えないものでしたが、先生が来たことで我々も使うことができるのか、という試験のためにやってきました」
『そこまで危険か』
「いわば完全なるSTCに近い代物なので」
『なるほど、それは確かに私だけが使える代物なのか気になる問題だな、確かめることは第一になりそうだ……』
そう言いながらアレックスは特注椅子から立ち上がり地下へと元スペースマリーンたちを連れて歩いてく。
途中貨物用か車用としか言えないこれまた特注であろうエレベーターに乗り込み、到着したのはシャーレの地下の部屋。
そこにある空中に浮かぶ石碑のようなものを見る、それがクラフトチェンバーと呼ばれている代物であり、元スペースマリーンたちが警戒している代物だ。
何故連邦生徒会長のおもちゃと呼ばれているクラフトチェンバーを元スペースマリーンの者たちが知っているかと言えば、連邦生徒会にも元スペースマリーンが存在しているために情報の共有を行っていたのである。
無論完全なるSTCに近い代物を警戒するなと言ったほうが無理がある。
故に先生という存在がどういう業を持つ者なのか、どれほどまでの製造が可能なのかを知るためにやってきていたのだ。
クラフトチェンバーを使用するアレックス先生、そこから作り出したのはボルトライフルの弾であった。
ぎょっとしながらもどこか懐かしんだ目を向ける元スペースマリーンの生徒たち。
他にもいろいろ作っては分解し性能を理解したところで元スペースマリーンの生徒たちは各々の拠点へと帰還していった。
スペースマリーンならば悪用しないだろう、そう感じたらしい。
元ライブラリアンがアレックス先生の戦団を情報として知っていたのもあるし、スラーネッシュの誘惑に負けなかったのも評価に値したようだ。
『あれ?先生、新しいプレゼントが届きましたよ?』
『うん?プレゼント?』
『はい!シッテムの箱に指……じゃなくて視点を向けてください!』
しばらくキヴォトスにおける常識や情報を元スペースマリーンの生徒たちから与えられたソレを整理していた最中であった。
アロナがプレゼントと呼称するのはシッテムの箱内でたまに発生するイベントだ。
ろぐいんぼーなすとやらと呼ばれるソレはアレックス先生にとっては意味不明だが、どこからの先生への感謝感情の歪みが形となったプレゼントということで落ち着いた。
はて、何が届けられたのかと疑問に思いながらシッテムの箱を先生専用タッチペンで操作し、開封する立体映像が映され、そこにあったのは空中浮遊する骸骨、サーヴォスカルであった。
横にはジョンとアレックスの名前が刻み込まれている。
『なんと、私の補佐をしていたサーヴォスカルではないか』
『この骸骨が先生の補佐だったんですか!?怖すぎますよ外見が!』
『ある意味で言えばアロナの先輩のようなものだ、仲良くしなさい』
『仲良く!?先輩!?』
サーヴォスカルはふよふよと浮かびながらアレックスにスキャンの光線を向ける、慣れたものだと思いながらアレックスはそれを受け入れた。
一つ違ったのはサーヴォスカルが音声を発したことである。
「アレックス戦団長確認、音声を再生する」
『ん?』
【アレックス、お前にグィリマン閣下からの任務を与える、これは初代戦団長ジョンが認証した任務である、キヴォトスを救え、現地の情報は死亡したはずの元スペースマリーンから聞くことを勧める】
『父上の声だと?』
曰く、この任務はキヴォトスを救うという任務ということ。
グィリマン閣下からの与えられた秘密作戦であること。
死亡した総主長であるサングィヌス閣下がキヴォトスのトリテニィにいるということ。
死亡した忠誠大逆問わず強者の魂がキヴォトスにいるということが分かった。
あとは実地で調査せよ、ということらしい。
サーヴォスカルには補助を役目とした情報と現地で作れるような簡易な武器、ウォーハンマー銀河規模で言えば簡易と頭につくが、の設計図が入っていた。
これでいろいろ作戦のサポートをせよということらしい。
『総主長グィリマン閣下からの任務だったとは……いきなりこちらにやってきて記憶が混乱していたのは歪みを経由したからか』
『歪みってなんですか?先生』
『わからんとしか言いようがない、歪みにいる存在ですら歪みを理解することはできない、らしい、そこを経由してきたのだから記憶も混乱して当然だ、私は総主長ライオン閣下ではないのだから』
『聞かないほうがよさそうな気がアロナちゃんはしてきました!』
そうして数日が経った、追加のサーヴォスカルを機械から作り出すのは抵抗があったが、いくら戦団長でも補佐がいなければつらいものはつらい。
ので補佐を数体作り、全てにアロナとリンクする設定を与えた。
そこに簡易ラスガンを装着すれば自衛も完璧だろうとアレックスは考え、実行した。
キヴォトスにもラスガンはあるらしい、だが性能は何故か文明があればどこでも作れるはずのラスガンにしては威力が下がっていたのでクラフトチェンバーで作った。
さて、と数日を情報収集と情報整理に当てたアレックス先生、ふとシャーレに送られた手紙の中にふと異彩を放つ黒と黄色の色を持つ手紙を見つけた。
そこにはアビドスに来い、スペースマリーンよ、と書いてあった。